先ほどWOWOWオンデマンド、ワシル・ロマチェンコ苦戦の勝利を見終えました。
やっぱりロマチェンコとて人間、この10ヶ月の「ブランク」は、普通のそれとは事情が違っていて、心身共に苦しかったのやろうなあ、と。
客席にいたオレクサンドル・ウシク共々、その苦労と、にもかかわらず勝利するその偉大さに、感服するのみ、です。
ということで明後日、寺地拳四朗vs京口紘人、遂に激突です。
抜群の距離感と位置取りの巧さ、精度とタイミングに加え、最近はパワーにも自信あり、巧くて強い、寺地拳四朗。
辰吉丈一郎ばりに若干左足加重、左ボディアッパーを中心に攻め、海外リングでも3勝。完成度の高いファイター、京口紘人。
アマチュア時代からの対戦があり、プロ入り後そろって世界座獲得、階級が揃ってからも長く、対戦が待望されてきたライバルが、WBAとWBCのタイトルを賭けて闘う。
ボクシング漫画みたいなストーリーですが、それが現実となるわけですね。
予想はいろいろあるのでしょうが、それぞれを別個に見て「品評」をすれば、寺地拳四朗の方が上、だと思います。
傍目に見るだけではわかりにくい部分もありますが、立ち位置の取り方、角度の付け方などが抜群に巧く、相手のパワーを受けずに自分は好打出来る位置関係を作って、ジャブを当てていき、時にカウンターも取れ、狙い打ちも出来る。
しかもパワーショットを秘めていて、ボディ打ちで世界上位をフィニッシュしたりも。
その鮮やかで強い勝ちっぷりを見ていると、これが日本人でなく、メキシコあたりの選手だったら、我々はそれこそリカルド・ロペス並みに「崇拝」に近い感情を持つのではないか、と思ったこともあります。
しかし、京口紘人を不利と見るにしても、その差は僅かというか、こちらはこちらで、かなり完成度の高いファイターである、とも思います。
デビュー8戦目で、タフでラフなアルグメドを攻略した試合から、世界戦を闘い続けていますが、攻め口は左右アッパーの比率が高い、独特のもの。
一打必倒、とまではいかないが、パンチ力もかなりあり、それが連続して出せる。
海外で3勝、しかもメキシコでのKO勝ちでも見えたように、精神面も強い。苦しい展開でも逆襲して倒したり、心身の強靱さでは、こちらの方が上かも。
全盛期のコリアンや、往年のメキシカンに、日本人ボクサーのモラルの高さと精神力、そして技術面での多彩さを上乗せしたような、実に魅力的なファイター。
それが京口紘人だと思います。
正直、予想はよそう(ジョー小泉©)とでも言いたくなるようなカードですが、私の(どうせ当たらない)予想は、京口の好戦的であるが故の、数少ない防御の漏れ落ちを、拳四朗が突くのではないか、というものです。
ただ、もしどちらかに僅かな隙、緩みがあれば、片方が即座にそれを突いて、一気に勝利をたぐり寄せてしまうでしょう。
試合展開がどのようになろうと、KOだろうと判定だろうと、お互いにベストの仕上がりが求められる、レベルの高い攻防が見られる。それだけは間違いないと思います。
ということで明後日は遠足です。
さいたまは遠いですが、仕方ありません。それはお前の勝手や、という話でしかないですが。
あと、アンダー、と呼称してはいけないような、豪華なカードが3試合あり、本当に楽しみです。
ただ、それが、午後5時半から開始予定という、地獄のようなスケジュールです。そうしないと終わんないので、仕方ないのでしょうが。
何とか週末にやってもらえんかなあ、と思いますが、会場使用料とかも、たいぶ違うらしいですから、しょうがないんでしょうね。はあ。