穴にハマったアリスたち
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何かがモヤっとしたので整理してみた。

初めにお断りすると、私はハグプリさんも好きだし、アンチ的に難癖つけたいわけじゃないです。
(プリキュアさんは、序盤で違和感のあったところが、得てして後々テーマとして昇華されるので、何かの罠じゃないかとすら期待してます)

【女の子だからすべきでない?】

えみる兄の発言は、シナリオとしては性差別や押しつけを想定していたとは思う。
思うのだけど、発せられた状況を思うと、取り立てて問題を感じない。

というのも、あくまで兄の視点でいえば、「幼い妹が、素性も知れぬ人らと共に、家族に内緒で大型イベントに出演している」わけで、普通に止めるよなぁと。
つまり「女の子だからすべきではない」とは、「女だから」ではなく「子だから」の意味に思える。

同様に「女の子がヒーローはおかしい」も、演出の意図としては「女の子は守られているべきだ」の意味だったとは思うのだけど(実際そういった言いかえもしているし)、状況を思えば深い意味はない売り言葉に買い言葉的に思えます。
一般に「ヒーロー=男性の英雄」「ヒロイン=女性の英雄」という使い分けは異常でもなく、要は「男なのに主婦になりたい?それを言うなら主夫でしょ」みたいな、ただの揚げ足とり。

で、これに対して「女の子だってヒーローになれる!」と差別を前提とした反論をされると、「そういうことを言ってるんじゃない!」と不毛な行き違いが起きてしまう。
シナリオとしては、えみる兄は確かに差別意識を念頭に置いているのは分かるのだけど、状況が状況なので、そう見えない。なので、モヤっとする。

同じことはアンリとのやり取りにも言えて、「男子生徒から浮いている」ことは確かだろうから、その理由が「女性もの」にあるなら、そう言う。
たとえば私服登校してても、基本的には同じやり取りになったと思う。「男子から浮いてるよ」「制服着なよ」と。
私服登校も押しつけやら何やらで問題にはなるところだけど、今回の話で言いたかったこととは若干ずれていると思う。
ということは、校内のやり取りは性差の問題なのか、規則の問題なのかがボヤけてしまってる。
(だから「校則にはない」と発言してるのかもしれないけど、「校則になければ何やってもいいのか」的な厄介な雰囲気になりかねない)

そういった経緯があるので、ショーで女性服を着ていることを批判するシーンも、そりゃ批判するよなぁと。
仮に行われていたのが土木作業でも「キミ、何やってんの?」と嗤っただろうし、子供向フィギュアスケート教室でも「自分の練習は?暇なんだね」と馬鹿にしたと思う。
何せ普段から良い感情を持っていない上に、妹をたぶらかした犯人なわけで、舞台が何であろうと喧嘩を吹っ掛けたはず。

更にルールーはややこしい混乱を引き起こしてる。
「ヒーローにはなれない」と言われたことをフラッシュバックさせてたけど、いや貴女の場合は「女だから」ではなく「ロボだから」でしょう。
えみる兄的には酷いとばっちりです。ま、待て。機械人形の心の有無を論じたいんじゃない…!

(蛇足ですが、あの発言はパップルさんの本心ではないような。
 彼女はルールーを「裏切った」「私の部下」と呼んでおり、人格を認めている気配がします。他の社員は「我が社の製品」と露骨にモノ扱いしているのに。
 なので信頼を裏切られたことへの怒りだとか、嫉妬だとか故の言葉な気が)


【そもそもあの状況はヘンなのか?】

えみるさんが「やるな」と言われているのは、ギターやファッションモデル。
どちらも女の子がやっても不思議はなく、一般的に批判もされていない。特に後者は、むしろ女の子のイメージが強いと思う(それ自体が差別かもしれませんが)。

また、男性が女性服でモデルをするのも、特には問題ないと思う。
実在の人物でいえば、羽生選手が女性服着てモデルやったら、大絶賛されるんじゃなかろうか。

つまり存在しない問題を、わざわざ問題にしているみたいでモヤっとする。

プリキュア15周年ということで、原点の「女の子だって暴れたい」を改めて表明した…のは分かるのだけど、元々もあくまで「潜在ニーズとしてあるはずだ」ぐらいの話で「世の女性抑圧に物申す」というスタンスではなかったと思うんですよね。
劇中で「女の子が戦うのはおかしい」的な葛藤はなかったはず。「娘を戦わせられない」とか「女の子が戦っているのに男が逃げられるか」みたいなのはあった気がするけど、文意が違う。

(一方で「男の子向けでは鉄板の、黒VS白が女の子には大不評だった」とか「新シリーズは、女の子に大人気の○○をモチーフにしました」とか、いたって普通に「女の子」の括りを認識している。
 これらは後天的・文化的な差異なのかもしれないけど、現にそういう傾向はあるのだから、当然だと思う。
 問題になるのは「黒VS白で燃える女の子は異常だ」とか「○○を好きであるべきだ」であって、傾向の存在を認めるのは普通でしょう)

そういった背景があるところで、急に「女の子がヒーローなんておかしい」「女の子だってヒーローになれる!」のやり取りを見せられると、急に何を言い出すんだとやっぱり不思議だ。


【それは既に日常では】

「ハピネス」では当たり前に世界中の女の子がプリキュアとして出撃し、周囲の人もそれをサポートしていた。
「プリンセス」では一回りして「プリキュアにならない」選択が提示されたりもした。
服装問題でいえば、「明堂院いつき」さんという華麗な事例もある。

以上から、とうの昔に通過している問題に思える。
「通過した問題」というか、そもそも問題視もされなかった。

似た話は現実世界にもあって、例えば「男性の家事・育児」問題。
我が家や周囲を見ていると、極めて当たり前に男性も家事や育児を、好んでやっている。
やっているのだけど、それを認めたくないのか「男性は育児をしない」前提で批判しているケースも、結構みかける。

「男性も家事育児をすべきだ」
→「え?はい。していますよ」
→「そんなはずはない。勘違いも甚だしい」
→「いや、普通にしていますけど…」
→「どうせアレをやってない、コレもやってないんだろう」
→「ですから普通にしていますよ」
→「勘違いでイクメン気取りか。奥様が可哀そう。子供が可哀そう」

みたいなの。
LGBTの話題も似た感じで、そりゃ確かに敵視する人がいるのも分かるけど、存在しない溝を勝手に作られている感がある。

ただ制作サイドとしては、切実な問題だったのかなぁとも。
「女の子向け番組で暴力的なシーンを流すな」といったクレームは頻繁に来ていたでしょうから、きっちりと意思表明したかったのかもしれない。


【がんばれ、野乃さん】

輪をかけて厄介なことに、野乃さんの立ち位置が良く分からない。

今回のラストで彼女は「先輩として敬うように」と発言している。
「後輩は先輩を敬うべきだ」という価値観を押し出しているのだけど、それはあくまで「先輩の方が優秀」であり「正常である」のが前提。
率直に言って、野乃さんよりルールーやえみるさんの方が優秀なので、単なるパワハラに見えてしまう。

また第3話では、ワンオペで寝不足のハリーに対し「寝るな」と発言されている。
もしハリーが女性キャラだったら、かなり問題視されたと思う。
(男性キャラならギャグとして成立するのだとしたら、それこそ問題)

「赤ちゃん妖精から目を離して大騒ぎ」みたいな定番の展開も、はぐたんが普通の赤ちゃん過ぎて、ギャグになってないんですよね…。ちょ、ちょっと野乃さん、それ洒落になってない!

通常なら気にするほどもないことかもしれないのに、何せ固定観念による差別や抑圧を扱っていると、「言ってることとやってることが違う」「自分に都合よく価値観を使い分けている」ように見えてしまう。不憫な子。
例年、その年の1年を示している春映画で、いきなり「嘘つき」の烙印を押されるわで、何か先行きが暗いのですけど、ここからどう挽回するか、野乃さんの奮起に期待したいです。

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