Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

タッチ オブ スパイス

2006-08-29 00:01:05 | 映画 た行
              *公式サイト

2003年/ギリシャ/103分

監督・脚本:タソス・ブルメティス
出演:ジョージ・コラフェイス/タソス・バンディス/ マルコス・オッセ/バサク・コクルカヤ/イエロクリス・ミハイリディス/レニア・ルイジドゥ

☆人生は料理と同じ。深みを出すのはひとつまみのスパイス☆

ギリシア映画を最後に観たのはテオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」だった。勿論、今年バウスでやった「テオ・アンゲロプロス特集」じゃあないです、岩波ホールで公開された時に観たので、一体何年前のことやら・・・。もしや、20年位前?
で、久しぶりに「ギリシア映画」に引かれて見たこの作品、しみじみとした情感に満ちた心にしみる作品だった。
ギリシアとトルコの関係、特にキプロス問題がトルコに住むギリシア人にもたらした「強制退去」という非情な事態。個人のレヴェルではギリシア人とトルコ人の差別はないのに、一朝事あるときはそれだけが唯一の判別の基準となる不合理そして民族に宗教が絡む。もっと両国の歴史的関係、背景について知っていれば、とも思うが歴史の狭間で翻弄される個人の感情はひしひしとそれらを越えて伝わってくる。
前菜/メイン・ディッシュ/デザート:という3部構成で、素晴らしい料理の数々、スパイス・・・お腹が空く映画である。両国は仲が悪いにも拘らず、その料理は驚くほど似ているのがまたまた皮肉に感じられる。(どっちも美味しいんだよね~!)人間の根源の欲望、食欲にそんな差があるわけないよなぁ~、と思ったりして。ラク酒とトルコで呼ばれるお酒がギリシアではラキ!同じじゃん!
ほんとスパイスの香り漂う作品だった。
コメント
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