豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

Be calm. Don’t panic. Be patient. Be fair.

2002-06-15 15:22:06 | 海外旅行
6月15日(土)快晴

    Be calm. Don’t panic. Be patient. Be fair.

イギリスのしつけ。英国紳士の心得。Be calm. Don’t panic. Be patient. Be fair.

教育の目的は、1人でも生きていける人間を作ることだ。日本人は「和をもって尊しとなす」。イギリス人は「他人のことは気にかけるな」だ。だから君はほかの日本人に「イギリス人は注意してくれない人種なのだよ」と注意してあげるべきだ。
人間の満足度は各人の物財の持分によって決まる。だから平等な配分が社会全体の幸福につながると考えるのが共産主義なのだ。それはともかく、日本人とアメリカ人は逆に、他人の持っている財物の数量で自分を不幸と考える。これはデモンストレーション効果というのか、身近なライバルや有名人の行動や所有物に過敏に影響される結果である。友人の車や宝石をうらやみ、タレントと同じブランドを持って満足する。
英国の中等教育は高校2年間、大学3年間である。パブリックスクールと国家試験がそれを支えている。大学では国家や地域の指導的立場の人間の養成を目指す。だから学問以前に、品性、勇気、愛情、沈着、指導力を身につけることを要求される。
1つの教室に200-300人の学生を詰め込むマンモス教育は、日本、韓国、アメリカ、カナダ、イタリアに見られる。学生は受講に熱心ではなく、エスケープが常態化している。イギリスは1教室20-30人程度だ。そして1年間に取得する科目が少ない。1年生で4科目、2,3年生で8科目、これですべてだ。

読書:「イギリスと日本」森嶋通夫

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ゲルニカ探索

2002-06-14 15:21:23 | 海外旅行
6月14日(金)快晴

    ゲルニカ探索

7:00ビルバオ入港。N遠藤とビルバオ市内を散策。古い町並みに不似合いな近代的な美術館があった。ピカソのゲルニカ関連の展示がないかと見学したが、作品はすべて近代的なものばかりだった。しかし、美しい街並みだったからいいとしよう。

24:00ビルバオ出航。


読書:「ウエーバーとマルクス」大塚久雄

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血液型による性格判断

2002-06-13 15:20:50 | 海外旅行
6月13日(木)曇

    血液型による性格判断

第1次大戦後のドイツにナチズムが台頭した。ドイツ人の血の優秀性を信じて、その純潔性を守るためにユダヤ人を排除した。シオニズムの父ヘルツルと同じオーストラリア生まれのヒットラーの「理論」によれば、諸民族はその血統によって格付けされる。民族の優秀性は、戦争に強いかどうかで決められる。古来より武勇で知られるゲルマン民族こそ神が創造した最優秀民族である。第1次世界大戦でドイツは敵国深く進撃していて、軍事的には負けてはいなかった。にもかかわらずドイツが降伏せざるを得なかったのは、第1に、キリストを売ったユダの末裔ユダヤ人が裏切り、背後からドイツを突き刺したからだ。第2に、ドイツの敗戦は神がドイツ国民に与えた懲罰だと言う。神は最優秀民族としてゲルマン民族を創造した。しかし愚かにもドイツ人は、神の意思に反し、ユダヤ人と通婚し、神の創造したすばらしい血を汚したのだ。したがってドイツの再興は、ユダヤ人の排除によってドイツ人の純潔を守ることである。ナチスに言わせると、ドイツ人は白い肌をした美しい女性であった。ユダヤ人はその母なるドイツの内部に侵入し、内側からその純潔を汚す忌まわしい存在であった。それは単なる理論や化学やイデオロギーの問題ではなく、清潔感の問題であった。
血液型による性格判断なんて軽はずみなことを外国で披瀝してはならないのだ。


読書:「現代人の作法」中野孝次

映画:「カルメン」「スナッチ」
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 冬の時代

2002-06-12 15:20:13 | 海外旅行
6月12日(水)快晴

    冬の時代

今年のヨーロッパは異常に寒い。オリビア号もついに冷房を暖房に切り替えた。それでも寒いので毛布を2枚かけて寝ている。冬のオーストラリアから脱出して来た僕は夏物の服しか準備していない。
「引退してオーストラリアに住んで、一体何をしているのですか?」とよく尋ねられる。「難民と留学生の世話をしています」と答える。その他にベンチャー企業の支援事業もやっている。基金は30億円。これを年利4%で運用して、税金や諸経費を除くと9000万円が残る。
① 留学生10人に1人年間300万円を5年間支給する。1年間に3000万円を要する。5年間で1人に1500万円支給する。返済の義務はない。将来最低1人の留学生の面倒を見ることを口約束させている。
② 難民10人に1人年間300万円を5年間支給して高等教育を受けさせている。1年間に3000万円を要する。5年間で1人1500万円を支給する。返済の義務はない。将来最低1人の難民の世話をすることを口約束させている。
③ ベンチャーを企画する若者2人に1人年間1500万円出資している。1年間に3000万円を要する。多くの場合僕が当該株式会社の株を100%保有することになる。これはいつでもベンチャー側で買い戻すことができる。

30億円の基金を年利4%で運用することが次第に困難になってきている。僕と同様に私的奨学金制度を運営していた友人はバブル崩壊で破綻した。株や国債が不安定な上に、銀行が倒産する時代だから各種基金も存続の基盤を失いつつある。ベンチャー側から基金の還流が図れればいいのだが、今はベンチャーにも冬の時代だ。ハリマオ・ラーメンには頑張って欲しい。

読書:「アルコール問答」なだいなだ

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ミッション・インポッシブル

2002-06-11 15:19:20 | Weblog
6月11日(火)快晴  

   ミッション・インポッシブル

4月22日僕はユミとボタニー湾をドライブして、最後にベアー・アイランドを訪れた。

1770年4月29日にキャプテン・クックが白人として初めてオーストラリアの地を踏んだ。ボタニー湾のその第1歩の海岸、水を汲んだ小川、探検した小道などが正確に分かっている。ボタニー湾の正確な地図やそこに生息する動植物やアボリジニーの生活などの詳細な記録も残されている。クック一行の航海の目的は植民地ニュージーランドの測量であり、そのための専門家と博物学者たちが同行していた。偶然オーストラリアを発見した彼らは初めて見る動物や植物やアボリジニーに驚いて沢山の日記や記録や標本をイギリス王国に持ち帰ったのだ。これは「ミッション・インポッシブル」と呼ばれるにふさわしいと僕は思う。
ベアー・アイランドはボタニー湾の狭い入り口にある要塞島だ。未開の植民地オーストラリアはその生活必需品のほとんどを輸入に頼っていた。ボタニー湾は植民地の唯一の輸入港であり、植民地防衛のためにボタニー湾に侵略を企てる他国の船を撃退しなければならなかった。その仮想敵国の第1番目が帝政ロシアだと聞いて「本当かいな」と思った。
それはともかく、ベアー・アイランドには熊もヌーディストもいない。木造の長い橋を渡ると高い塀と頑丈な鉄の門扉がある。管理人1家と番犬数頭が暮らしていて、土日だけ1日3回、有料で観光客に見学を許可する。ガイドのおじさんが領収書もくれないで、入場料をポケットにねじ込むのだから、この島は多分私有地に違いない。直径300mくらいの島は全体が要塞になっている。くど過ぎるくらいに丁寧な説明の3分の1はMI2に割かれた。ここはMI2のロケ現場だったのだ。以来ここはトム・クルーズ・ファンの結婚記念写真のロケ現場としての名声を高めた。専門業者が松竹梅みたいなコースを準備しているらしい。青いボタニー湾に浮かぶベアー・アイランドをバックに、芝生を歩むウエディング・ドレスと燕尾服のカップル。スチール写真班とムービー班が2人を囲んでするすると移動する。小休止の間に2人はバスの中でMI2のヒーロー、ヒロインに早代わりをして映画と同じシーンを演じる。僕とユミが訪れた日も2組のカップルがメイクやヘアーデザイナーに急かされながら半ばやけになって熱演を演じていた。しかし、燃え盛るベアー・アイランドをバックに、2人がバイクで橋を駆け抜けるシーンなんてあったっけ?確かヒロインは悪者に拉致されて、チャイナタウンかマンリーのノースヘッドにいたはずだ。島からバイクで脱出するのはトム・クルーズ1人のはずだよね?
今夜船のシネマで僕の指摘が正しいことを確認した。だからどうだって?

ダブリンではジェームス・ジョイスのユリシーズについて2,3確認するつもりだ。パブに犬を連れて入ってもいいのか?パブの内部はバー、プール、レストランの3つに分かれているのか?店内のテレビでスポーツ番組を流しているのか?それはサッカーなのか、競馬なのか、クリケットなのか?タブ(スポーツの賭け)は店内にあるのか、専門店があるのか?ギネスの黒ビールが圧倒的に飲まれているか?
限られた時間内にすべてを調べることは難しい。ミッション・インポッシブルだ。

読書:「ジェームズ・ジョイスの謎を解く」柳瀬尚紀

映画:「MI2(ミッション・インポッシブル2)」
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フセイン・マクマホン書簡とバルフォア宣言

2002-06-10 15:18:23 | Weblog
6月10日(月)快晴 

   フセイン・マクマホン書簡とバルフォア宣言

第1次世界大戦の始まった1914年パレスチナはオスマントルコが支配していた。そこにはユダヤ人85000人に対して、70万人のパレスチナ人が住んでいた。オスマン帝国はドイツ、オーストリアの同盟側についた。イギリス政府はメッカの有力者シャリフ・フセインに後方撹乱を依頼し、戦勝後のアラブの独立を約束する書簡を交換した。1916年の「フセイン・マクマホン書簡」である。
1917年、イギリス外相バルフォアは、世界のユダヤ人の戦争協力を求めて、戦後パレスチナにユダヤ人の「ナショナル・ホーム」を建設することを約束する「バルフォア宣言」を発表した。
そして第1時世界大戦が終わると、パレスチナを国際連盟の委任統治領としてイギリスが支配するという紳士の国ならではの3枚舌外交を展開したのだった。



読書:「地震予知を考える」茂木清夫  

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レコンキスタとポログラム

2002-06-09 15:17:48 | Weblog
6月9日(日)晴

   レコンキスタとポログラム

1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見した。同じ年、スペインではイスラム教徒とユダヤ教徒を追放する「レコンキスタ」が完了した。今では反発しあう両者が、当時ではカトリック世界からの被害者だった。キリスト教社会では長年、ユダヤ教徒をキリストの裏切り者として嫌悪し、差別し、利用してきた。金貸し業に対する宗教的アレルギーがキリスト教には強く、ユダヤ人の金貸しを必要としていたからだ。金融業がなければ産業も商業も発展しない。レコンキスタでスペイン、ポルトガルを追放されたユダヤ人はオランダに移住した。そしてオランダは重商主義諸国のオランダ、イギリスとの国際競争に敗れていく。ユダヤ人をゲットーから解放し、初めてキリスト教徒と同等の市民権を与えたのは、反カトリックの姿勢を持つ1791年のフランス革命政府であった。しかしフランス革命は「民族主義」というもう1つの扉をも開いた。革命によって王族支配を倒した民衆は、国家を自らのものと感じ、国家の主体としての市民としての運命共同体意識を高めていった。ナポレオンが権力を握り、愛国意識の不思議な民族感情で武装されたフランス軍は近隣諸国の職業軍人を圧倒した。しかしフランス軍に蹂躙された地域にも民族主義が伝染していった。敗れたナポレオンはヨーロッパに民族主義の遺産を残した。民族主義の高揚はヨーロッパ各国に異民族排除の動きを起こし、ユダヤ人の迫害を鋭いものにした。
東ヨーロッパでは「ポログラム」と呼ばれるユダヤ人迫害が伝染し、この地からパレスチナやアメリカへの多数のユダヤ移民を生んだ。1894年フランス軍参謀本部勤務のユダヤ人ドレフュース大尉がドイツのスパイの濡れ衣を着せられた「ドレフュース事件」は、ユダヤ人の国家熱望意欲をかき立てた。ウイーンでテオドール・ヘルツルが「ユダヤ人国家」というパンフレットを出版した。

読書:「現代死語ノート」小林信彦

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花と蝶

2002-06-07 15:15:54 | Weblog
6月7日(金)曇

   花と蝶

森英恵の会社が倒産した。僕はファッションの世界には疎い。しかし彼女はオートクチュールで世界進出を果たした唯一の日本人なのであろう・・・こういう言い方は僕流ではない。女か男かとか、日本人初をありがたがっているように取られるのは不本意だ。それにオートクチュールとかプレタポルテとかアパレルとか、こういう言い方も気に入らない。ウーマンリブとしての彼女は十分に評価に値する。

森英恵は皇后、ナンシー・レガン、グレース・ケリーなど世界のファースト・レディーの服を作った。だから偉いのか才能があるのか僕にはわからない。皇居つまり江戸城を作ったのは太田道潅と言われているが、実は大工、左官、人足だった。ピラミッドを作ったのはファラオではなくて農民だった。

世の中が変わってきているから単純に比較はできない。クラシック音楽の多くは宮廷音楽であった。宮廷画家たちは王族の肖像画を極端に美化して描いた。日本の美術や工芸は支配者の気に入るものを目指した。学問や科学さえその例外ではなかった。庶民にも必要な着物や食べ物も差別されて、違反すると処罰された。

森英恵と会ったことはない。僕は彼女の才能よりも勇気を評価してきた。たまたま悪い時代に遭遇したが、彼女は栄光の過去を捨てることができなかった。そして100億円以上の負債を抱えたまま倒産した。組織的には株式会社だから有限責任だし、知的所有権を売り渡すことで彼女自身は救われるであろう。しかし、子会社、関連会社、下請け、孫受けの零細企業はたちまち死活問題に遭遇する。

花と蝶、華やかな部分だけにスポットライトを浴びさせて、人間は影の部分を見ようとはしたがらない。


読書:「ファッション」森英恵

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カジポンの芸術パラダイス

2002-06-06 15:15:18 | Weblog
6月6日(木)曇 

   カジポンの芸術パラダイス

14:00ドブロブニク出航。船内では色々の企画が行われ、乗客はそれぞれ自分の好きな企画に参加できる。もちろん参加しなくてもかまわない。各種企画はPB側で準備するものもあれば、乗客の自主企画もある。PBでは企画のために「水先案内人(水案)」と呼ぶ講師を招く。水案は無報酬だ。

カジポンこと梶本修(35歳男)は第32回航海から水案を務めて乗客から圧倒的な人気を博している。今回彼は夕食の指定席が医務室の3人と同席だった縁で、僕も彼の企画に顔を出している。「芸術パラダイス(芸パラ)」は芸術解説の漫談だ。ジャンルは絵画、音楽、文学、舞台、大道芸、映画、漫画、テレビ、天文、スポーツと多岐にわたる。昼の部1-2時間と夜の部3-8時間。それでも喋り足りないようだ。

20台をトラックの運転手などで貯金の時期に当て、30台を芸術探索に当てていると言う。オリビア号に合流する直前に、一緒に暮らす女性が現れたことは不安材料だ。それよりも大事だと思うのは、自分の守備範囲を明確にすることだろう。いたずらにジャンルを拡げるよりも、研究者や評論家が見逃している隙間を埋めるような仕事が好ましい。今のままでは、百科事典がインターネットの検索機能に取って代わられたように、近い将来「芸パラ」も壁に突き当たりそうな予感がする。「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」伝えることが大切だ。「求道者」的な姿勢が必要で、「たしなむ」程度では他人にほとんど何も伝えることはできない。


読書:「タイ、開発と民主主義」末広明

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 カバルタートの白ワイン

2002-06-05 15:14:45 | 海外旅行
6月5日(水)晴一時雨 

   カバルタートの白ワイン

8:30ドブロブニク入港。N遠藤と旧市街地の港から船で1時間カバルタートに渡った。クロアチア名物のシーフードと白ワインで昼食。僕はアルコール類はビール以外はいけない口だ。「ここの白ワインはうまいのだ」と自分に言い聞かせながら食事をした。海辺の町並みを散歩。

読書:「教養としての言語学」鈴木孝夫

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紅の豚

2002-06-04 15:14:07 | 海外旅行
6月4日(火)快晴 

   紅の豚

サッカー、ワールドカップ日本対ベルギー戦が1:45-13:45にテレビ中継されるとあって船内はひっそりとしている。だが14:00になると大勢の患者が押しかけてきた。発熱、下痢、嘔吐を訴えている。これまで1日平均患者数は6.5人だったが、今日は30人。しかし明日ドブロブニクに入港すれば若者たちはたちまち元気になることは分かっている。美港にはそのような力があるのだ。16:00診療時間が終了しても患者は途切れず、21:00にどうやら1段落。オリビア号総料理長のニコライ・オガノフ氏が明日下船する。今夜は総料理長主催の最後のフォーマル・ディナーだが欠席した。それでいいのだ。ウクライナ料理なんてうまくはないし、フォーマルな服装なんて願い下げだ。

21:00まだ明るい甲板で、N遠藤と屋台浪平のラーメンを食べた。ついでにビールと枝豆、エイひれ、塩辛、揚げ出し豆腐も。

21:30薄暗くなった甲板でドブロブニクが舞台のアニメ映画「紅の豚」が上映された。観客は約200人。若者よりも老人のほうが多い。波静かなアドリア海、クルーズ船の甲板でアニメ見物とは異様な雰囲気だ。

読書:「カナダ歴史紀行」木村和男
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 国を挙げての既得権保持志向

2002-06-02 15:07:57 | Weblog
6月2日(日)快晴

   国を挙げての既得権保持志向

破綻した日本の健康保険制度の再建策として医療国営をやめるのも1つの選択である。民間の自由競争が「安くて質のよい」医療を育て上げる可能性は強い。政府側からは「それでは国民の健康を守ることはできない」と拒否される。医療機関側から「それでは弱肉強食だ」との反発が出されるだろう。患者側からは「医療の営利化につながる」と反対されよう。日本人は既得権にしがみついて改革を恐れる。現在の日本の医療は十分営利化されているし、大変な金食い虫になっているし、決して国民のための制度として機能していないのだが。

読書:「古代エジプト」笈川博一
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日本の新宗教

2002-06-01 15:07:22 | Weblog
6月1日(土)快晴

   日本の新宗教

N遠藤を、高齢者と身障者の世話係としてバスツアーに同行させた。
午前中はシネマでオーストラリアの映画を見た。午後から上陸して、街を歩き、市場を覗き、インターネット・ショップでメールチェック。
ポートサイドは昨年の航海で、東京出航直後にニューヨークテロ事件が発生したために寄港が取りやめになった因縁の地である。エジプトはイスラム原理主義発祥の地である。世界には星の数ほど宗教と政党がある。多分世界には50億の宗教と、50億の政党があるのだろう。世界にはイスラム教、キリスト教、道教、仏教、ヒンズー教、マルクス主義などの巨大な宗教、そしてユダヤ教、神道などの中小企業的な弱小な宗教が無数にある。「マルクス主義は宗教ではない」とマルクス主義者たちは言う。ならばイスラム教も孔子も孟子も老子も宗教ではなくなってしまう。マルクス主義は旧宗教ではなく、立派な新宗教である。
日本の新宗教の特徴は何か?人は宗教に「救い」を求める。「あの世」での救いか、「この世」での救いか?新宗教には現世利益を唱えるものが多い。人は死を恐れて宗教に「死の恐怖からの救済」を求める。因果応報でこの世で功徳を積むことにより、あの世で極楽で永遠の生を授けられる。霊魂の不滅を説くことで、死の現実から目をそらそうとする傾向も新宗教に見られる。新宗教の多くは神道も仏教もキリスト教もマホメットも孔子もマルクスまでもを真理の体現者として祭り上げる万教帰一的な普遍主義、世界主義を掲げる。教団は必ず教義を持つ。しかし教祖や教主の呪術、霊術や予言、託宣に重点を置く教団では教義や経典はあまり重要視されない。葬儀の儀式にあまり重きを置かない。これは旧宗教が墓地と仏壇をがっちりと支配下においているために、手を出せないからであろう。信心は当方で、葬儀はあちらでどうぞ、ということだろう。しかしお布施だけはこちらでいただかなくてはならない。修行とワークも信者の義務だ。その他新宗教の特徴はいろいろあるが、マルクス主義にも結構当てはまっている。

22:00ポートサイド出航。

映画:「女と女と井戸」

読書:「東南アジアを知る」鶴見良行
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