豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

岩を買う

2002-06-19 15:24:35 | 海外旅行
6月19日(水)快晴

     岩を買う

17:30アムステルダム入港。節約家で着実で堅実で忍耐強いオランダ人。ダッチ・アカウントつまり割り勘。オランダの国土の4分の1は海面下にある。100年計画の北海沿岸部の埋め立てと堤防の強化のために国民全体で節約に励む。防水税もある。
1600年初頭に堤防の大決壊があり、数万人が溺死した。以来オランダは国を挙げて節約に励み、堤防の基礎となる1個最低20トンの岩石を何100万個も外国から買い続けた。無数の風車が滲み出る海水を汲み上げて来た。
第2次大戦では自ら堤防を決壊し、国土を水浸しにすることにより、ナチスの戦車隊の侵入を防いだ。
国土と堤防は制御できると信じていた矢先の1953年2月、北海の突風による大決壊、大洪水で2000人が溺死。2020年を目標に、不滅の堤防と国土を築く作業が今なお続けられている。
「外出するときには靴を磨いてください。汚い靴では道路が汚れます」という冗談が真顔で通用するほど清潔で美しいアムステルダムは、1970年以降麻薬患者の流入で見る影もなくなった。


読書:「ヨーロッパの心」犬養道子

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