むつ政経文科新聞 第17号 昭和54年(1979年)2月25日発行
原子力のABC⑦ 温排水 (日本核医学学会員 桝田礼三)
原発の熱効率は30%にしか過ぎず、原子炉で発生した熱の65%は温排水として排熱される。わが国では全ての原発が冷却水として海水を利用している。「海はゴミ捨て場」という発想は原発以前からあった。この温排水が海洋生物に及ぼす影響について国や電力会社では調査・研究を怠ってきたので、はっきりとしたことは分からない。分からないことは、影響や被害がないという宣伝に利用されて来た。温排水によるアワビ養殖が軌道に乗りつつある所もあり、こちらの方は大々的に宣伝される。しかし・・・。
① 冷却部には付着する貝類を殺すために塩素などの毒物を注入する。
② 排水からコバルト、マンガン等の放射性物質が漏れる。
③ 冷却水のポンプの温度差や圧力で、大量の魚介類の卵や幼生が死滅する。
最近の調査で判明したことは、ノリ、アワビ、サザエ、ウニ、ヤリイカ、ワカメ、ブリ、マグロ、カジキ、サワラ、ヒロマサ、マダイに悪い影響があることだ。しかし漁民による調査は、「補償金目当ての発言である」と国によって軽視されている。
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