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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Brad Mehldau Trio / "Day is Done"

2007-01-03 19:01:54 | art music
Dayisdone


□ Brad Mehldau Trio / "Day is Done"

Knives Out
Alfie

Release Date; 27/09/2005
Label; Nonesuch
Cat.No.; 7559-70010-2
Format: 1xCD

>> http://www.bradmehldau.com/index.html

昨年の夏に購入して以来、色んな場面でお世話になった作品。
ジャズ・コンテンポラリーの時代の寵児とも言えるBrad Mehldau Trio。ここ最近はレネ・フレミングやパット・メセニーとのコラボレーションなど、各方面とクロスオーヴァーしたパフォーマンスも話題性に事欠かない。毎回毎回ジャケットの素晴らしさは言うまでもなく、その選曲センスと引き出しの多様さの中にも、一貫した美学があるようで感心させられる。

Radioheadの"Knives Out"のカヴァーに始まり、オリジナル曲"Artis"を経て、今作は総じて新規メンバーのジェフ・バラードが刻む鋭角的なリズムが耳を引く一方、"Martha My Dear"で聴かれる得意の『一人連弾』(左手と右手が別人のように奏でる)などの伝統芸も、もはや円熟の領域。

ところが、このアルバム聴いていると、どこかこう、酩酊した雰囲気の中に、妙に冴えたひっかかりのようなものが感じられて、それは夕闇と共に訪れる冷えた外気の吹き込みであり、フロアに散りばめられたグラスの破片だったりする。アルバムの最後を飾る"No Moon At All"なんかは、甘い叙情系にあしらったNat King Coleのそれとはまた違った、無機質な趣きがあると思うのだが、どうだろうか。

私見だが、Brad Mehldauは、ジャズという書法に、普遍的な汎音楽性を確立しようとしている急先鋒なのではないかと思わせられる。ロック・ポップスのテキストを引用したとして、それが「ジャズとしても聴けるよ」というアレンジを単に提示したものとは到底信じ難い。ブラッド・メルドー・トリオの演奏である必然性は、「ジャズであることの優位性」の他にありえない。


□ Happy New Year!!

あけましておめでとうございます!
2007年です。
レオンハルト・オイラーの生誕300周年です。
今年はどっか行きたい。