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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Delerium / "Voice: An Acoustic Collection"

2010-10-11 22:16:28 | delerium
Voiceacoustic


□ Delerium / "Voice: An Acoustic Collection"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Too Late, Farewell
Vienna

Release Date; 05/Oct./2010
Label; Nettwerk
Cat.No.; 30850
Format: 1xCD

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>> http://delerium.ca/ (Buying information)


>> tracklisting.

01. Send Me An Angel  (ft. Miranda Lee Richards)
02. Dust In Gravity  (ft. Kreesha Turner)
03. Too Late, Farewell  (ft. Butterfly Boucher)
04. Silence  (ft. Sarah McLachlan)
05. Innocente  (ft. Leigh Nash)
06. Vienna  (ft. Elsiane)
07. Lost & Found  (ft. Jael)
08. Flowers Become Screens  (ft. Kristy Thirsk)
09. Love  (ft. Zoe Johnston)
10. After All  (ft. Jael)
11. Orbit Of Me  (ft. Leigh Nash)
12. Touched  (ft. Rachel Fuller)


Delerium is Bill Leeb & Rhys Fulber
Additional Producers (any instruments) :
Dru Masters, Phil Lehmann, Troy Samson, Mike James, Andre Wahl and Carmen Rizzo.
Piano: Guy Pearson, Roy Salmond
Acoustic Guitar: Tony Barnard, Joe Cruz, Mark Nash
Bass: Leah Randi
Violin: Mark Robertson, Emlyn Singleton
Cello: Alan Smithee, Caroline Dale
Flute: Amy Tatum
Double Bass: Allen Walley
Guitar + Vibes (tr.11): Mark Jowett
Strings Arrangement (tr.12): Jane Scarpentoni
Mixing: Greg Reely
Engineering: Jake Jackson, Olga Fitzroy, Ashburn Miller
Mastering: Ted Jensen @Sterling Sound
Artwork: Carylann Loeppky




DeleriumがNettwerkレーベル移籍以降に発表したVocal Trackを、Bill Leeb自身も含めた新旧プロデューサーを招いてアコースティック・アレンジを施した記念碑的コンピレーション。

その内、"Send me an angel"、"Too Late, Farewell"、"Vienna"の3曲は、アルバム・コンセプトに沿った形式の未発表新曲となっています。新進気鋭のフォークシンガー、Miranda Lee richards。オーストラリア人シンガーソングライター、Butterfly Boucher。シネマティックな作風で急激に支持を集め、Deleriumのツアーにも参加しているペルー出身のトリップホップ・シンガー、"Elsiane"がそれぞれの新曲を提供。



"Nuages Du Monde"リリース直後の2007~2010年現在までの、4年に渡る長期の制作期間を経てリリースされる運びとなった本作は、Kristy ThirskやLeigh Nashなどを起用した楽曲についてはスタジオでの新録音、或は"Dust in Gravity"や"Silence"等については、Vocal Trackを残してダブ・ミキシングを行うといったように、各楽曲について製作主旨は異なります。


ポップ転向後のDeleriumを特徴づけるヴォーカリストのMulti-Featuring方式は、遡れば1997年の"Karma"でのネット回線を経由したスタジオ録音に端を発するもので、以降のアルバムでカナダ在住のボーカリストだけでなく、ヨーロッパから東欧に至るまでの国際色豊かなシンガーを取り揃えるようになった背景には、こうしたネット社会の成熟過程の他、彼らを支持するファン層の世界的な広がりや分布と、ポップスに翻訳される汎宗教・土着的な音楽性とが、それほど無関係ではないように思われます。(当時のニューエイジ音楽市場の文脈とは切り離してみても)



また、Bill Leebが数年前に受けていたInterviewにおいて、彼の楽曲におけるPop Flavorのインスピレーションの源として、Sade (シャーデー)の影響を特に強調して挙げていたことがあって、今のところ本人が強く希望していた彼女とのコラボは実現していないものの、たとえば"Dust in Gravity"をはじめとする最近の作風や、この"VOICE"のパーカッシブなアレンジに照らしてみても、その成分は薄まるどころか、今になって殊更に露呈されるようになっている印象。



ここからは個人的な感想ですが、"VOICE"においては所謂"Unplugged"という手法ではなく、"アコースティック風"という所の雰囲気を重視したアレンジが為されています。つまりまだまだKeyboardやオーヴァーダブの占める割合は大きく、クラブシーンにおける"Chill Out Mix"といった方が適切なサウンドに聴こえます。


それぞれの楽曲については、Instrumentsが"Stripped Down"されていると説明されてはいますが、実際にはStringsの他にKeys, Percussion, Bassの新要素をふんだんに着せ直している為、表題から期待されるような、Deleriumのポップセンスをありのままに強調する「素朴さ」といったものを求める向きには添えないかもしれません。



今回お馴染みのプロデューサー陣に加え、"VOICE"のサウンド・プロダクションを全体的に牽引しているのは、イギリスのコンポーザー、Dru Masters。彼はドラマやドキュメンタリー、CM向けに、主にシンセやオーケストラを多用した楽曲を多く製作する傍ら、BananaramaやMediaeval Baebesのプロデューサーとしても名を挙げています。


クラシック楽器の演奏者についても簡単に触れておくと、恐らく最も有名なのが、English Chamber Orchestra所属で、U2やSinéad O'Connorの作品にも起用されているチェリスト、Caroline Dale。ヴァイオリンのEmly Singletonは、The London Session Orchestra所属、彼女も数多くのPop、Rock作品に参加しています(Paul Schwartzのアルバムにも)。コントラバスのAllen Walleyは、あのMichael Nyman Bandでの演奏経験もある熟練のパフォーマー。Mark Robertsonも数えきれないほどのサントラ作品に参加している職業音楽家です。



Deleriumというバンドが指向するもの、そのエッセンスたる『歌声』に新たな魅力を吹き込もうとした"VOICE"。

その試みの成否はともかく、私にとってはヴォーカルのバックにカチッとはめ込んだようなインストゥルメントが少し退屈ではあるのだけど、Bill Leebの故郷を舞台に歌った"Vienna"の、どこか懐かしいトリップホップ風レゲエ歌唱、そして作品を締めくくるRachel Fullerの可憐で繊細な歌声を露にする"Touched"については手放しで絶賛できる。アウトロにかけて落葉みたいに零れていくピアノの音色に心打たれます。


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