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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

金融システムの黒点と影 - Who controlled the trading error?

2010-05-09 06:00:57 | ニュース
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(ダウ・ジョーンズ工業平均がメルトダウンする瞬間 3:50から)



Graph
(Dow Jones Industrial Average)


□ Euro Will Collapse Like Tower of Babel (CNBC)

>> http://www.cnbc.com/id/37012541


□ All Indices Now Down For The Year (Business Indsider)

>> http://www.businessinsider.com/


□ Citigroup Denies Human Error Contributed to Wall Street Tumble.

>> http://www.banktech.com/ Bank Systems & Technology)


一体どれだけの人間が"Million"と"Billion"を打ち間違えた『誤発注』説を真に受けているのか(火元とされたCiti Groupは断固として否定している)。但し、それが実際に起こったのだとすれば、株価に及ぼした「影響」を論じるのではなく、「なぜこのタイミングで?」を疑うべきです。

ユーロ通貨を媒介したギリシャ財政危機との「共振作用」とも言い換えられる世界同時株安ですが、果たして13兆円のIMF拠出ですら、どれだけもつのか不透明。更に大規模でリスクヘッジに特化した基金の創設を叫ぶ声も高いものの、ファンドの動向は既に数年後のギリシャ・デフォルト(債務不履行)を五割の確率で予測するに至っています。


近年の株式市場の動向を理論物理的に捉えてみると(これは可視化すると面白いかもしれない)、システムの不安定さが増幅する周期(e-folding time)が、ここに至ってより軌道を収斂させている様子が見て取れます。これはもう寿命を迎えようとしている複雑系に見られる振る舞いなのだけれど、これが一過性のものとして再び安定軌道に乗るのか、それとも破綻を迎えるのかといった評価は、事実結果からタイムスケールを辿ってするしかありません。


実際、不良国債を保有する金融機関が確実に一層増す程、金融システムそのものに対する不安感は乗数的に影響を顕在化させていくに違いないし、未だ表面化していないだけで、ギリシャとは債務の質が根本的に異なるものの、例えば日本のように債務がパンク状態に陥る見込みの国や州レベルの自治体は、世界中にいくらでも潜在しているのが現実です。


EUは本日付けで、「経済実態より市場の雰囲気に依存して格付けをしている」として、格付け会社に対する登録義務制やヘッジファンド、デリバティブへの規制を打ち出しているもの、投機牽制への効果は疑問視されている現状。

しかし私は、「システムの性格がルールに先立つ」ことが容認されてきた金融市場にとって、これは必要な措置だと考えています。自由取引と法的制限の天秤。この狭間の最適解は現存する如何なるコンピュータでも見つけることは不可能。しかし一体誰が「格付け」の結果を予測し、一体誰が「予測」の結果を予測しうるのか。それとも、その影は「誰でもない私たち」のものか?



先の誤発注の件に話を戻すと、ああしたシステムの穴が、金融不安という影に隠れて事態を籠絡することもあるだろうということ。5月決算を目前にして、更なるハイレバレッジ規制の前に投資筋が仕掛けたという説も真しやかに語られています。それが如何に不自然な挙動であれ、損切り原則をプログラミングされた世界中のコンピュータが、「お互いに議論する間もなく」自動的に振る舞ってしまう。あるいはそのような事態を招きたい人々がいるとすれば、それは誰か。その影の中に何が覆い隠されたのだろうか。


ナスダック市場は「株価急落前の水準から大きく外れた取引を取り消す」という異例の措置を講じるとするものの、既に動いてしまった先物取り引きを無かったことにすることは不可能で、その不整合が中長期的にはシステムに深刻な影を落とす懸念もあると思います。



リーマン・ショック、ギリシャ危機と、短期間に多大なリスクを経験した投資家たちが、あらゆる公的債務をリスク視することになるのは自然の摂理で(一方で、前者の教訓からECBはギリシャ国債を賢明に維持している)、更に外需が落ち込むとなれば、日本のような世界最悪規模の自国国債を背負っている国家からすれば、ギリシャへの公的資金投入が、自身の死活問題そのものであると言えるでしょう。


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