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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

OUR SLEEPLESS FOREST / "Our Sleepless Forest"

2008-06-11 04:55:44 | music7
Osfsleeve


□ Our Sleepless Forest / "our sleepless forest"

White Bird
Nomads

Release Date; 26/05/2008
(Advance Released in 12/04/2008)
Cat. No.; RESCD028
Format: 1xCD

>> http://www.myspace.com/oursleeplessforest
>> http://www.resonantlabel.com/

>> tracklisting.

01. Nomads
02. The Tinderbox
03. Doors In Limbo
04. White Bird
05. Aircastles
06. Afraid of You
07. The Clarion
08. Haze


実験音楽、エレクトロニカの最先端をリードするレーベルであり続け、世界中のファンから惜しまれつつも幕を下ろそうとしているresonantレーベルの有終の美を飾る、忘れ形見とも言える作品。

同レーベルからは最近もYellow6の"Painted Sky"や、CARTAの"The Glass Bottom Boat"など傑作のリリースが続いていただけに、「えっ」という驚きと寂しさを禁じ得ません。


サウス・ロンドン在住の三人の学生、Sam Purcell, Josh Rothberger, Karl Jawaraの結成したバンド、"Our Sleepforest Forest"のサウンドは、正にその若さにまかせた怒濤のエナジーと、間欠泉のごとき湧き出る閃きのダイナミズムに輝いています。


果てしなく重層的に織り込まれた、草木のざわめきといった自然音と鳥獣の鳴き声、それとは気づかぬほどの透明度で奏でられる民族歌唱。極彩色に染まった「生命の鳴動」と讃歌を呼び交す器楽演奏は、気の遠くなるようなプログラミング作業によって纏め上げられ、一聴すればノイズの洪水と聴き紛う渦巻くカオスの音塊に、秩序の葉脈とも言うべき美の結晶が煌めいていることに驚かされる。

しかも8曲全てが、轟然する響きの中にそれぞれ独特の音色と個性を放っている。森の深裂、木の暗茂、闇に沈んだ日陰の幽邃に蠢く生命の哭。フィードバックギターに重ねた、日本ならば鳥獣戯画、あるいは百鬼夜行の如き妖異なサンプリングが、次第に激情と哀愁のノイズに噎んでいく"The Clarion"や"Haze"といった終盤の流れも秀逸。


あまりに豊穣で、退廃的なまでに瑞々しい。器楽やビートの律動に合わせて森が歌う音楽には、未だかつて出会ったことがありませんでした。願わくば、これが滅びゆく美ではなく、創造と邂逅の奇蹟の始まりであらんことを。。


<余談>
アルバムの公式リリースは5/26でしたが、実はResonantレーベルよりの先行リリース時、既に2ヶ月ほどまえに取り寄せてレビューを書き終えていました。しかし先のMacBookの事故により記事が消失。また、昨日再び不調に見舞われフォーマット、三たびレビューを書き直す羽目になりました。。他の書きかけレビューも真っ白に。。。