lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Enigma Interview @Photo Thema

2006-10-25 16:40:19 | Enigma
ギリシャのNews Paper、"Photo Thema"において、
Michael Cretuのインタビューが掲載されました。

原文がギリシャ語ということで、翻訳の過程で多少の齟齬が生じた可能性がありますが、対訳しましたので、ここに掲載します。

英訳文はココ↓
http://www.enigmamusic.com/forum/showthread.php?t=10841


Enigma: “We are the creative terrorists of the world”
Michael Cretu talks about Enigma’s plans and philosophy towards music
An interview by Tina Mandilara, published in Greece, newspaper “Proto Thema”, 08-10-2006.
Translation by traces
(note: the plural is used exactly as it appears in the original Greek text)



伝説的デビューから16年間に及ぶ成功をおさめ、Enigmaはその最小限の形をとどめながら、未だ夢想の深みに居続ける。核となる哲学を保ちつつ、新たな音楽の青写真とマテリアルを産み出してきた。その姿勢は、Enigmaの音楽と哲学に対する、ある種の錬金術的な方法だ。クリエイターであり、Enigmaのエスプリであるミハエル・クレトゥは、多くを語ってくれた。そして彼は、この世界をどこか別の場所に置こうとしている。もし私たちがファンタジーを羽ばたかせるなら、それは"A Posteriori"とタイトルされ、発売されたEnigmaのニューアルバム(あるいはミュージカル・プロジェクト、クレトゥはそう呼ぶ)の最大の目的である。


T.M.:まず、どうして"A Posteriori"をニューアルバムのタイトルとしたのですか?”A Posteriori(Afterwards)"とは何ですか?

M.C.:これは宇宙に関すること、複合的で広義な哲学概念なんだ。"A Posteriori"は時間のみに言及するものではなくて、私たちが物事を捉えるフレームでもあることに由来している。私たちが生きながら行為し考える、あらゆることは、"A Posteriori(その後やってくるもの)"という形で与えられ、それはさらに進んだ解釈と過程に帰結する。想像してくれ、現代世界に帰ってきた一人の錬金術師が、その体験を言い伝える様を。


T.M.:その錬金術師のイメージはあなたを夢中にさせたでしょうね。仕事中であろうと。

M.C.:当然そうだ。私は妙な物質を扱う錬金術師という自己像を好んでいる。私は錬金術師なんだよ。別種の価値同士を練り込みながら、新しい音楽大系を作り上げるという究極的な目的を目指している。併存する別種の価値たちに魅入られた、年老いた錬金術師のように、あるいは預言者のように、博士のように、理論家のように。


T.M.:あなたはいつも物事を哲学的に訴えるようですが

M.C.:あぁ、間違いないね。忘れないでくれ、Enigmaは音楽に思索的な構成を組み上げている。音楽と論述の統合。enigmaは夢想と科学と哲学を同じ次元で扱う。ある観念集合体に訴える為にね。それこそが、あの最新作を送り出した理由だ。


T.M.:おそらくその為でしょうか、今作は他のアルバムに比べて凝集性が高く、ハイライトとなる一曲を選ぼうにも。。。

M.C.:そのように意図したんだ。なぜなら、リスナーがアルバムを総合的に評価することが、私たちにとって重要なんだよ。たった一曲の為にアルバムを買わせてしまいたくない。どちらにしろ、アルバムを待ち望んでくれる人々なら、曲の善し悪しに関わらず買ってくれるだろうけど。


T.M.:しかしながら、あなたが過去に偉大なヒット曲で業績を挙げてきたことは知られています。

M.C.:そういうことは全く私の目的じゃないんだ。成功は私の視野にはない。アイデンティティこそ最優先される。自己分析、真なる声の探求。。私の言いたいことがわかるかい?


T.M.:それがあなたを、まるで一つの音楽プロジェクトのように、かかり切りにさせる必要があるのですね。

M.C.:そうだよ。もうわかってくれるよね。私がアルバムを、一冊の本の如く買われるべきだと主張し続けるわけを。


T.M.:えぇまったく。あなたがこのプロジェクト全体のことをどう呼べるのか知りたいです。というのは、Enigmaとしての普遍的な手法は(そう見えるように)同じように保たれているようなので。

M.C.:私たちは『世界における創造的テロリスト』と言えるだろう。私たちのゴールは、物事と状況をひっくり返すことだ。


T.M.:その。。すごく。。。詩的です。

M.C.:メイビー。実を言うと、今仕事で最も関心があるのは、音楽とイメージを通して如何に叙述的であるかということなんだ。


T.M.:歌詞については?以前のアルバムに比べて、大分削られてしまったようですが。

M.C.:その通り。説明というのをしたくなかったんだ。オーディオを通した音楽の旅を、アコースティックな夢を、人々にエンジョイして欲しかった。音楽というものを一つのファンタジーのように感じてもらいたい。そして、このファンタジーの解釈は、聴く者それぞれの、その場その時のムードと気持ちに拠ることだろう。


T.M.:ということは、あなたは心理学の理論と分析に基づいて作曲しているのですか?

m.C.:全てのサイエンスは私たちにとって重要だ。宗教理論も除くことなくね。その上で、影響というのは全てのものから波及していくんだよ。


T.M.:あなたに何か特別な影響を与えた著書はありますか?

M.C.:様々な分野の沢山の本からね。文学、天体物理学、カバラ(タロット)の機能からさえ。


T.M.:それでは、何かメッセージはありますか?私たちは夢を見続けるべきでしょうか?

M.C.:全くその通り。音楽をかけて、楽しんでくれ。そうして旅立つんだ。あの境界線の彼方、形而下にある全てのものの向こうに。


・・・

クレトゥとは、読んだ本が色々と被ってそうな気がする。。。