オラツィオ・ジェンティレスキ(1565-1647) 『狩人ディアナ』
□ Tunes of the Day
□ Abbe Georg Joseph Vogler / "Requiem:Es-Dur"
録音自体がとても貴重な、プファルツ選帝侯お抱え
マンハイム楽派の宮廷音楽。作曲理論家としても
楽派の柱を担ったフォーグラーですが、
若き才能、モーツァルトとの対立によって、
歴史的に不当な評価を受けてきてしまった人物で
あると言えるかもしれません。とはいえ、
イタリア・オペラの手法を取り込みながら、
音楽書法においてバロックから古典派への
過渡期に重要な役割を果たしたことに間違いはありません。
Gerald Kegelmannによる指揮。
□ Carissimi / "Six Motets"
Vittorio Zanon指揮、Consortium Carissimiの演奏。
ルネサンス期、イタリアで活躍したカリッシミは、
カンタータ、オラトリオを始めとする宗教音楽から、
イタリア歌劇の雛型を抽出するに至りました。
ただ、1773年、イエズス会の解散によって
手稿譜のほぼ全てが失われ、彼の作品とされる
資料には未だ難解な精査が必要。
カリッシミの弟子、A.スカルラッティの息子、
ドメニコ・スカルラッティが、後にかの
大バッハとお互いに多大な相互作用を及ぼし、
一時代を築くことになります。
□ Pelham Humfrey / "Verse Anthems"
Harmonia Mundiの『[Curionsita』シリーズから、
ペラム・ハンフリーのヴァース・アンセム集。
ヴァース・アンセムとは、礼拝曲の中でも、
独唱もしくは合唱が器楽の伴奏を伴った形式をとる
演奏様式のことを言います。これによって
管弦楽を発達させた彼もまた、イギリス歌劇の
土台を築く一端を担ったと言えるでしょう。
その成果は、彼の弟子にしてイギリスで最も偉大な
作曲家となったパーセルによって花開きますが、
師匠、弟子ともにそれぞれ、27、36歳という若さで
この世を去ることになります。奇しくもハンフリーは、
大陸側で同様に大きな功績を成したカリッシミと同じ
1674年に他界しています。Nicholas Mcgegan指揮、
ケンブリッジ・クレア大学合唱団、ロマネスカによる演奏。