ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

マグナム炸裂

2008年05月21日 | ワインの話

Photo 五月晴れに誘われて今日はドライブ。かなり田舎まで走ってきた。すると、ブドウ畑の隣に小さな酒屋がある。入口には、気の利いた日本酒や焼酎の名前が書いてある。酒屋を見ると素通り出来ないクアトロの父だ。
クアトロの父には、酒屋のチェック・ポイントがある。まず入口は入りづらいことが重要である。入口は薄暗いぐらいが良い。あまり明るくて日当たりの良い酒屋は売りたいばっかりで、酒の居心地を考えていない。ディスプレーのお酒に陽が当たっていたりしたら論外である。日当たりの良い店舗の場合は、日よけの暖簾でもあれば良い。すると自然と入りづらい店構いになる。次にワインセラーや日本酒用の冷蔵庫は必須である。さらに付け加えると店員は無愛想がよい。こちらから問いかけるまでは黙っていてくれる店が良い。酒の好みはあまり押しつけられたくないものなのだ。
今日、通りかかった酒屋はこの条件にかなった。クアトロの父は、クアトロウに習って値付けの間違いを探していた。すると、イタリアのバルバレスコのマグナム・ボトルに2500円の値札が付いている。これはさすがに間違いだろうし、無愛想な店員でも見過ごしにはしないはずである。一応、この値段を調べて貰った。やはり一桁違っていたのだが、クアトロの父の狙いは別にあったのだ。となりに置いてあったマグナムはボルドーのものだったが、これも安い。しかしバルバレスコのように一桁違うほどでは無かったので、それではこちらをいただきますと申し入れた。さすがに、これも違いますとは云えなかったのか、こちらはすんなりと安いまま入手した。
このワインは店が仕入れた時の根付けのままにしてあったという。早い話が売れ残りなのである。しかし、ワインは古くなって価値が出るものもあるのだ。特にマグナムは古くても良いのである。
マグナムは普通サイズのボトルの二本分だが、コルクの大きさは一緒である。ワインと空気が触れている面積も同じだ。そのため、マグナムの方が液体の量に対して空気に触れる面積が少ないので、長期熟成のワインに向く。言い換えれば、長期熟成に向くワインしかマグナムでは作らないのである。マグナムのワインは高品質のものが多いのである。80年のビンテージのマグナムを安く購入したクアトロの父は、今日の晴天のように晴れ晴れとした面持ちで帰宅したのだった。

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クラビリスの謎

2008年05月20日 | ワインの話

Photo_2 「右京さん、きのうは白ワインが出てきませんでしたね」
「そうですね、真鯛はおとりだったのかもしれませんね」
昨晩、真鯛の行方を見守っていたクアトロ特命係の二人は、真鯛を美味しく食べさせる白ワインの出方を探っていた。しかし、昨晩の予約のお客様はビール党だった。さらに、張り込みを続けた二人は、今日新たな予約に遭遇していた。
「亀山くん、ホシは今日こそ出てきますよ」
「なるほど、今日の予約のお客さんは魚と白ワインが好きだとクアトロの父が云っていました」
「でもやたら白ワインがありますけど、右京さんどの白ワインでしょう」
「たぶん、クラブリスでしょうね」
「ク・ラ・ブ・リ・スですか、何ですかそれ」
クラブリスは、イタリア・サルディニア島の白ワインである。この島の地ブドウ・ヴェルメンティーノから作られる白ワインである。独特の柑橘系の酸味が心地よい白ワインで、魚料理を中心に料理に合わせやすいワインだ。
「クラブリスは、イタリアのワイン雑誌で2006年度ベスト白ワインに選出されたワインなんですね」
「でもそんなすごいワインじゃ値段が高くてクアトロでは扱えないんじゃないんですか」
「いい質問ですね、ところが、サルディニアのワインはまだまだ安く買えるんですよ」
「でも、どうして今日その白ワインが出るって解るんですか右京さん」
「ハモですよ、今日のお客様はハモが好きらしい、きっとクアトロの父は、クラブリスを使うでしょうね」
「へえ、そういうもんですか」
「そういうもんです」

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相棒・クアトロ版/絶対うめえ

2008年05月19日 | 魚の話

Photo 「亀山くん、クアトロの黒板には何と書かれてありましたか」
「たしか、愛媛産朝〆真鯛って書いてありましたよ右京さん」
「やはり、そうでしたか」
クアトロ特命係の二人は、クアトロに運び込まれた真鯛の謎にせまるのだった。
「真鯛は今の時期に、産卵のため沿岸によってくるのでしょうね、真鯛は産卵前が一番美味しいのですよ、この形の良さと実にきれいな赤みがそれを物語っているようですね」
「なるほど、そこを漁師に捕まったってわけですね」
「真鯛は締めてから半日たった方が美味しいと云われています」
「クアトロに今晩予約のお客さんがいますよ」
「そうですね、きっとすっきりした辛口の白ワインも登場するのでしょうね」
「どうしますか右京さん」
「ここは、静かに成り行きをみましょう」
「おれも、食いたいな」
「わたしもですよ亀山くん」

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カルチナイアの戦略

2008年05月18日 | ワインの話

Photo かつて世界の金融を制覇したと云われるロスチャイルド家は、ワインの世界では、シャトー・ラフィット・ロートシルトとシャトー・ムートン・ロートシルトという偉大なワインを今日に残している。ロスチャイルド家は潤沢な資金をもとに、数々の新たな試みを実践しボルドー・ワインを世界最高峰へと導いた。
その道程は、イタリアのトスカーナでも踏襲されている。欧米では事業で成功するとワインナリーを運営するのが夢のようである。特に、トスカーナでワイナリーを持つお金持ちは多い。そして、ロスチャイルド家を手本にしたようなワイン作りをする者が多い。
その代表的なワイナリーがカルチナイアであろう。ミラノで成功した銀行家(グイド・セリオ)は、トスカーナの畑を買い取り、その資金力と有能な支配人(ロッコ・ジョルジオ)と醸造家(カルロ・フェッリーニ)がチームを組みワイン作りを始めた。その畑のブドウの樹はよりよいクローンのものに植え替えられ、あらゆる品質改善を行い、出来上がったワインは、現在すばらしく高い評価を得ている。
そのカルチナイアのベーシックなワインが「サンファビアーノ・カルチナイア・キャンティ・クラシコ」だ。濃厚な味わいのこのキャンティは、育ちの違いを感じずにはいられない。口に含むと優雅な余韻が広がる。実にコストパフォーマンスの優れたワインであり、経営戦略的にもこのクラスのワインに力を入れておくのは賢いと思わせる。
クアトロでは、松阪牛の赤ワイン煮が裏メニューで用意されている。クアトロの経営戦略的にも、この松阪牛の赤ワイン煮を中価格で満足度を高く設定している(松阪牛の赤ワイン煮¥2800)。ぜひカルチナイアのキャンティを合わせて楽しんでみるべきである。

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サッシカイアの甥

2008年05月17日 | ワインの話

Photo クアトロ新着ワイン「サルヴィアーノ・オルヴィエート・クラシコ・スペリオーレ」は、トレッビアーノ種のブドウを主体にした白ワインである。オルヴィエートは、イタリア半島のほぼ中央に位置する古い城壁の町だ。小高い丘に位置するその町は、地形自体が要塞となっている。今も古い町並みが残る歴史ある町である。このオルヴィエートの名産のひとつがオルヴィエート・クラシコという白ワインだ。特に魚料理に良く合うワインである。しかし、オルヴィ・クラシコというイメージは、日常に飲む並級のワインという印象がある。今回のサルヴィアーノのワインは、かの有名なサッシカイアの作り手の甥が手がけたことで注目されている。イタリアワインのニコラス・ケイジのようなものなのか。
クアトロの父は試飲してみた。色はやや黄色みを帯びている。香りに特別な印象はないが、味わいは爽やかな柑橘系の酸味が静かに口に広がり、いかにも魚料理を引き立てそうである。シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの良いところ取りしたようなワインである。
昨日も白身の魚に絶妙だったサルヴィアーノのオルヴィエート・クラシコ。クアトロの新しい戦力になりそうである。

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