愛しきものたち

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矢田寺 旧参詣道地蔵磨崖石仏

2012年05月22日 | 石仏:奈良

生駒山系東裾、平群谷から矢田丘陵東裾にある矢田寺への、古い参詣道に佇む磨崖の地蔵石仏さん。

通称矢田寺と呼ばれる金剛山寺は、また地蔵信仰のメッカとして広く知られ、多くの石仏も残されている。

金剛山寺本堂の地蔵菩薩は右手に錫杖を持たず、手を肩に上げ来迎印を示し、これを模した地蔵を矢田寺型と称し、所謂古式地蔵とされている。

落ち葉が敷き詰めたように積もる古道は、たまに中高年ハイカーが通るくらいで現在殆ど利用されてなく、道には迷いそうなので要注意です。

椣原(しではら)金勝寺近くより矢田丘陵の旧参道を歩くこと約30分ほど、右手斜面に突き出した苔生した黒っぽい岩塊のこの磨崖石仏に出遭う。

斜面と同じように寝そべった大岩の正面・・・、写真のように垂直な舟形を彫り沈め、下部の深い部分は供台としている。

向かって左手には蓮弁上の月輪の中、根本種字の「ア」を薬研彫りで刻み込んでいる。

磨崖地蔵石仏は像高40cmばかりの錫杖を持たない蓮台上に立つ矢田寺型地蔵立像を厚肉彫りで刻みだし、なぜか少し仰向き加減・・・・。

舟形彫り込み脇、向かって右下壁には小さな合掌坐像・・・・、供養者なのかも??

このような形の磨崖石仏は余り見かけないような・・・。

途中で見かけた地蔵石仏・・・・今は殆ど利用されない無い旧参道、こんな人里離れた石仏さんにも真新しい供花があり、地元の人々の信仰篤さにはただただ敬服。

勿論磨崖石仏にも真新しい供花は有りましたが写真撮影で一寸失礼しました。   

撮影2011.6.5