愛しきものたち

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奈良県山添村菅生(すごう) 峯出の「山の神」

2012年05月05日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

山添村菅生(すごう)では「山の神場」の事を小場と呼び習わしている。

菅生は山また山の山添村に有っても、辺境感の強い山里、そんな集落には五ヵ所もの小場があるらしいが、今回都合よく訪れられたのはこの「峯出の小場」という「山の神」

名阪国道「神野口IC」で降り、旧国道25号線で伊賀方面へ、名阪の下を潜り暫く行くと山間に軒を並べる菅生の山里。

「峯出の小場」は旧国道25号線の東側山腹に軒を並べる東端、道路分岐点の小さな林の中に有る。

中央部によく目立つ藁苞付けた長い勧請縄が杉の木立の間に掛けられ 、地面には供物らしき物・・・・・。

 

荒々しく切株を出した勧請縄に付けられた藁苞を、此処ではホウガンと呼び、勿論陽物、♂シンボルそのもの・・・

脇に鍵の手の枝切れに掛けられているのは三本木股と二本木股、これも♂♀を表し、命の再生産を願う印のはず・・・。

傍らの木枝にはカギヒキの鍵の手の付いた小枝がかけられていた・・・、ここでもカギヒキ神事は行われているのだろうか??

地表には峯出小場と書かれた木枝を削った木刀・・、鋤、桑、鋸、鉈など農山の七つ道具、脇にクラタテの篠竹を突き立てている。

此処での山ノ神は総てのものを叶えてくれる万能の神のようでもあり、かっての山村が「山の神」と深いつながりであった事を窺わせてくれる。

撮影2012.4.15