愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

和束町 撰原口(えりはらぐち)の阿弥陀磨崖石仏

2012年05月08日 | 石仏:京都

二度目の訪問で何とか出遭えた磨崖の阿弥陀さん。

和束町はまさしく茶源境、集落は山々に拓かれた茶畑の間に点在している。

宇治茶の主産地、和束の茶畑は、今まさに新芽が出揃って目にも目映いほどの素晴らしい景観です。

我が家からはそう遠くない、一山いや二山越えた和束撰原、集落入り口付近、急斜面の谷底近くに蹲っていました。

府道5号線、撰原口から集落への道を進むと大きく左カーブする崖下、枯葉が急斜面を埋め尽くし、ちょっとしたアドベンチャー・・・・・

下を流れる谷川近くの笹薮の中、椎の古木が岩を噛み、当の阿弥陀さんは気の毒にも前かがみ。

上の新道が出来るまでは、この谷川沿いを石仏の前を通り、旧道が集落へと伸びていたのだろう??・・今ではすっかり笹薮に埋め尽くされ、殆ど旧道の痕跡もない。

石仏は岩の中央辺りに高さ40cm位の二重光背を深く彫り沈め、蓮台に座し、定印を持つ像高30~40cmばかりの小さな阿弥陀坐像を刻み出しています。

肩や膝の力強い張り具合、全体の像容からも鎌倉期の像立。

小さく、今や忘れ去られた様な石仏さんですが・・・・、因みに案内板等は一切ありませんので悪しからず。

撮影2012.5.5