愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

平群町福貴 ミヤマグチの地蔵石仏

2012年05月21日 | 石仏:奈良

平群町福貴山中、もう耕作しなくなった棚田?、もう通らなくなった旧道、もう拝むことも無くなった石仏さん。

必要の無いものはどんどん忘れ去られ、人の記憶の隅からも消えてしまいそう・・・

今にも笹薮に飲み込まれそうで・・・・、この辺りを当ても無く彷徨い見つけ出すにはとても無理な状況の中に居る石仏さんです。

そんな状況の中、地元の心有る人が刈り取ってくれたのであろうか??この石仏の前は小奇麗になって居ました。

こういう忘れ去られたような風情はとても好きなんですが・・・石仏さん自身はどう思っているのやら??

笹の枯葉で足元がすっかり隠された高さ約1m幅2m・・・・、大部分は濃い緑に苔生した小山状花崗岩に刻まれた、磨崖の地蔵菩薩立像です。

岩の正面を平らに整え、高さ約90cmの舟形を彫り沈め、中に錫杖宝珠、像高66cmの定形地蔵を中肉彫りで刻み出している。

光背には天文二十二年(1553)、室町後期の造立。

もう今のこの時期生い茂る夏草がその姿を既に隠しているかも知れない・・・・・・。

撮影2011.6.5