愛しきものたち

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奈良市 月ヶ瀬嵩(つきがせだけ)四尊磨崖石仏 

2012年05月13日 | 石仏:奈良

旧月ヶ瀬村、嵩の集落内道路脇に立つ大岩に刻まれた都合四体の磨崖石仏。

嵩集落は奈良市最東端、名張川左岸の深い峡谷を成す山上の僅か20軒ばかし、茶畑に囲まれた長閑な集落です。

蔓性植物が大岩全体を覆い隠すように繁茂し、石仏の刻まれている部分だけがかろうじて岩面が見えている・・・しかしその岩面とて白っぽい地衣類が蔽っている。

大岩は高さ5m、幅7m、 西側面に大小二つの方形枠を造り、地蔵立像を二体づつ刻み出している・・・、どうも小さい方は後補の様な気します。

お参りも途絶え勝ちな磨崖地蔵は、地衣類と風化に拠る劣化も激しく、殆どその像容も詳らかではない。

江戸初期の造立、大和高原多尊仏と同系のものだろう・・・・・。

山上の小さな集落にも磨崖の地蔵さん。

撮影2011.5.14