古い時代の物としては珍しい丸堀の地蔵菩薩立像です。
奈良市内中心街より田原の里へ向かう県道80号線沿い、白毫寺墓地とも言われる大きな奈良市営東山霊苑があり、古い石造物も多く見られる。
その入り口辺り、県道脇にこの等身大地蔵菩薩が墓守宜しく立ち尽くしている。
総高2m足らず、蓮台に立つ像高約150cm、円形頭光背を負い、右手を下げた与願印と古式地蔵の特徴を示す。
ふっくら丸顔の落ち着いた表情、体躯納衣の表現様式にも古式が見え、鎌倉後期の造立。
少し奥に入った六体地蔵脇には、特徴有るキツネ目の地蔵さん。
足元では小判草がユラユラ揺れて・・・・・、麦秋の野仏風情です。
総高115cm、像高約90cm、光背には、しっかり安土桃山末期、慶長十二年(1607)の銘が確認できる。
口元に笑みをたたえ、静かに微笑んでいるようにも・・・
撮影2007.1.13/2011.5.21