愛しきものたち

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奈良市 東山霊苑の石仏 -1

2012年05月19日 | 石仏:奈良

古い時代の物としては珍しい丸堀の地蔵菩薩立像です。

奈良市内中心街より田原の里へ向かう県道80号線沿い、白毫寺墓地とも言われる大きな奈良市営東山霊苑があり、古い石造物も多く見られる。 

その入り口辺り、県道脇にこの等身大地蔵菩薩が墓守宜しく立ち尽くしている。

総高2m足らず、蓮台に立つ像高約150cm、円形頭光背を負い、右手を下げた与願印と古式地蔵の特徴を示す。

ふっくら丸顔の落ち着いた表情、体躯納衣の表現様式にも古式が見え、鎌倉後期の造立。

少し奥に入った六体地蔵脇には、特徴有るキツネ目の地蔵さん。

足元では小判草がユラユラ揺れて・・・・・、麦秋の野仏風情です。

総高115cm、像高約90cm、光背には、しっかり安土桃山末期、慶長十二年(1607)の銘が確認できる。

口元に笑みをたたえ、静かに微笑んでいるようにも・・・

撮影2007.1.13/2011.5.21