名張の新興団地、つつじヶ丘住宅からほんの其処、景色が一転する山懐に抱かれた奈垣の国津神社にも山ノ神の「カギヒキ」場がある。
深い考察は専門家に委ねるとしても、国津神社はこの名張東南部から旧美杉村にかけてはどの集落にでも鎮座してるほど多く、奈良県東山中に多く見られる葛神社や九頭神社と同系列の神社と考えられている。
<棚田と山懐に抱かれた奈垣国津神社付近>
前回紹介の布生(ふのう)近くに奈垣地区が有り、国津ふるさと館や国津小学校などの施設が集まり、国津地域とも呼ばれるこの辺りの中心地なのだろう。
国津神社拝殿脇に続く森の磐座に立つ樫の老木の根元に三体ほどの山ノ神石碑が祀られ、「カギヒキ」の痕が見られる。
縄は樫の木老木と藪椿古木の間、地表を這うように掛け渡されている・・・・、
ここでもカギヒキの鍵はウツギの枝・・・多くの人が参加したようでこちらは一寸大掛かり。
家族の男性の数と山の神の分だけウツギの枝を束ね、それに此処では「お年玉」と呼び習わす藁苞をつけている。
ウツギの枝の鍵手で「山の神や金銀財宝を引き寄せる」・・・と言うのは、余所者の僕達にとってはかなり奇想天外な発想のように思われるのだが、どんな曰く因縁があるのだろうか??
撮影2012.4.7