全国パーキンソン病友の会(http://www.jpda-net.org/index.php)から標題の調査報告書をお送りいただいた.資料によるとDBSは,2010年までに施術数は7000件に及び,手術可能な施設数も32ヶ所とのことで,2000年の保険適応後飛躍的に増加している.現時点において,手術を受けた患者さん側から見た手術に対する問題点と満足度を明らかにすることは意義のあることである.本資料は,実際にDBSを受けた患者さんが術後どのように考えているかを知るとても貴重な資料といえる.
方法;アンケートにより行われ,有効回答数は232通.
(友の会会員を対象とし,かつ7000件と比較すると例数も少ないため,バイアスの存在は考慮する必要がある)
対象;重症度はYahr分類で3度以上が85%超.平均年齢66歳,ピークは66~70歳と予想以上に高い年齢であった.手術までの期間は発症10年以上が50%以上.
手術;視床下核が82%.手術を決意した要因で最多は「医師の勧め」(56%)であった.
効果;「振戦」は比較的長期にわたり改善される.「筋強剛,無動,すくみ,日内変動,不随意運動」については,5年以内はかなり改善が維持される.「易転倒,流涎,小声,書字困難,物忘れ」は効果乏しく,術後も進行する傾向が見られる.
術後の経過観察;神経内科医60%,脳外科医40%で,予想外に脳外科医が継続して診療をしている.患者会は,DBSを施行する病院を集約し,熟練した脳外科医による手術と,術後の神経内科医とのより良い協力関係を期待している.
満足度;とても満足16%,だいたい満足46%,やや不満29%,不満9%.
不満足の中身は「歩行は良くなったが物忘れが出てきた」など,症状は改善したものの他の症状が出現した,などが多い.
個人的には,①DBSを受けるかの決断には医師の影響が大きいことから,神経内科医はDBSの適応についてより熟知する必要があること,②高い満足度を得るためには,改善しうる症状としにくい症状をよく理解していただく必要があること,③術後管理法について神経内科医も理解し,より積極的に関与すべきであること,を感じた.
方法;アンケートにより行われ,有効回答数は232通.
(友の会会員を対象とし,かつ7000件と比較すると例数も少ないため,バイアスの存在は考慮する必要がある)
対象;重症度はYahr分類で3度以上が85%超.平均年齢66歳,ピークは66~70歳と予想以上に高い年齢であった.手術までの期間は発症10年以上が50%以上.
手術;視床下核が82%.手術を決意した要因で最多は「医師の勧め」(56%)であった.
効果;「振戦」は比較的長期にわたり改善される.「筋強剛,無動,すくみ,日内変動,不随意運動」については,5年以内はかなり改善が維持される.「易転倒,流涎,小声,書字困難,物忘れ」は効果乏しく,術後も進行する傾向が見られる.
術後の経過観察;神経内科医60%,脳外科医40%で,予想外に脳外科医が継続して診療をしている.患者会は,DBSを施行する病院を集約し,熟練した脳外科医による手術と,術後の神経内科医とのより良い協力関係を期待している.
満足度;とても満足16%,だいたい満足46%,やや不満29%,不満9%.
不満足の中身は「歩行は良くなったが物忘れが出てきた」など,症状は改善したものの他の症状が出現した,などが多い.
個人的には,①DBSを受けるかの決断には医師の影響が大きいことから,神経内科医はDBSの適応についてより熟知する必要があること,②高い満足度を得るためには,改善しうる症状としにくい症状をよく理解していただく必要があること,③術後管理法について神経内科医も理解し,より積極的に関与すべきであること,を感じた.