ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

全日本学生音楽コンクール北九州大会受賞記念演奏会

2019年01月07日 | レッスンメモ
昨日は北九州の響ホールまで出かけて、全日本学生音楽コンクールの北九州大会受賞記念演奏会を聴いてきました。

毎年この時期に行われるこの演奏会。いつも本当にレベルの高い、素晴らしい演奏会なので毎回とても楽しみにしています。今回特に楽しみにしていたのは国本奈々さんと鶴原壮一郎さんの演奏です。このお二人はもう数年前から何度もコンクールなどでその演奏を聴く機会があって、私はいつの間にか勝手にファンになってしまいました。

国本奈々さんが毎年色んなコンクールにどんどんチャレンジして、頑張って成長していくその姿を見続けていると、私だけではなく、誰でも応援したくなるに決まっています。そんな国本さんが昨年の全国大会でついに1位の栄冠を射止めました。どんな演奏を聴かせてくれるかワクワクしながら聴きました。曲はメンデルスゾーンのスコットランドソナタ。この冒頭の部分、幻想的で繊細で、音が何色もの糸で織りなされているかのようでした。素晴らしい始まりに圧倒されて、あ、いつもに増してすごいものがある、と予感しました。それからグイグイ曲を進め、私たちを音楽の世界に引っ張っていく推進力を感じました。彼女の演奏は、精密で繊細、きれいにまとめるというのがこれまでの私の印象でしたが、それに情熱や力強さが加わったように思います。人間的に大きく成長されたなあということが伝わってくる演奏でした。

そして鶴原壮一郎さん、この方は本当に個性的で、ユニークで、ピアノ大好き!というオーラがステージからほとばしるような演奏をする若きピアニストです。私は彼のスタイルは大好きなのですが、時々コンクールではそれを良しとしてもらえない時もあるらしく「え?なぜ?」、と私としては疑問に思う結果の時もありました。でもそんなのものともせず、毎年毎年果敢に挑戦し続ける、その姿勢がまた大好きです。だから、彼の密かな(密かじゃないですね(笑))ファンとしては、いつも勝手にハラハラドキドキしながら聴いています。今回はリストのメフィストワルツ。もう、「ピアノ大好き!、この曲いいでしょう?!」オーラが出まくりで、見ていて聴いていて、絶対お客様が楽しくなるのです。躍動感あふれるリズム、ピアノが鳴るというのはこのことです。箱鳴りするピアノというのは本当に気持ちよいですね。聴いていて思わずテンション上がりました。

これからがますます楽しみなお二人、そしてもちろん出演者の皆さん全員、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。今回新たに注目マークをつけたピアニストの卵さんも! さて、帰りの電車の中で演奏会の心地よい余韻に浸りながら、ふと我に返って、自分の教室のかわいい生徒たちに思いを巡らせました。聴いている人のハートをグッととらえて、ファンにしてしまうような演奏。これこそが演奏の力、音楽の力、ですね。教室の生徒たちと一緒に、このような演奏を目指してがんばっていこうと心から思いました。

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