ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ピアノと向き合う

2012年10月18日 | 思うこと
ピアノに向き合って、ああじゃないこうじゃないと、自分の求める音楽を奏でるために時間を使っています。私の人生のかなりの部分をこのピアノ室で過ごしています。ふと顔を挙げて空を仰いで、私はこれでいいのか?と思う時が一瞬あります。

それでも、次のコンサートの準備とか、生徒のレッスンとその研究などに日々追われていると、そんなこと考えていられなくなり、再びピアノに向かいます。やはりピアノが好きと言う気持ちがずっとそうさせているのだと思います。誰がどんなふうに言おうと、好きという気持ちには何の罪もなく、音楽に自分なりに誠実に接すること自体、何も悪くないことです。胸を張ってこの生活を続ければいいのだと思います。

でも、無意味にピアノの前に座っても報われません。こんな風に弾きたいという欲求があって、それに少しでも近づけた時は報われます。その喜びがあるからやっているとも言えます。だから、それに近づけない時は、無力感に襲われたりもします。練習しさえすればうまくなるというわけでもなく、納得のいかない演奏が続くと悶々としてきます。そして、だんだん自信がなくなり、悪い方向に考えてしまいます。

それでも、続けて続けてやっています。好きだから。そうすると、ほぼ諦めた頃にパッと光がさして、トンネルから抜け出す時がやってきたりします(やってこないことも多々ありますが)。それは練習して練習した結果かもしれないし、考えに考え抜いた結果かもしれないし、ちょっと諦めかけて少し気持ちを冷やしたり時間をおいたりして、余裕が出た結果かもしれません。

あれ? いい感じ! という感触が降ってわいたように得られた時の幸せは、とても言い尽くせません。その上、おほめの言葉を頂いたりすると、それまでの苦しみを全部ひっくり返してくれます。根が単純なので、昨日まで「私は、もう駄目だ」とか「ピアノ演奏はもう無理」とか落ち込んでたくせに、「やっぱり、もう少しやれそう!」とか「これでいけるじゃない!!」とか、すぐに前向きになったりします。ポイントはその前向きになった瞬間を捉えて、パッと外向きに宣言したり、予定を組んだりしてしまうこと。そうすれば後でどんなに後悔してももう引っ込みがつきません。こうして「やるしかないモード」に突入するのです。

本当の苦しみはこの「やるしかないモード」に突入してからなんですよね。後悔するし、やってもやっても報われないし・・・以下くりかえし。

こうやって一喜一憂しながら、暮らしています。ピアノと向き合いながら。

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コメント (8)
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