ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ショパンの「舟歌」について その1

2010年05月05日 | クラシック豆知識
「舟歌」の舟といえば、イタリアはヴェネツィアのゴンドラです。そのゴンドラの船頭(ゴンドリエーレ)が舟を漕ぐ櫂(かい)の動きに合わせて口ずさむのが舟歌(バルカローレ)です。もともとそういう成り立ちの、言わば民謡ですから、様々な舟歌があって多くの人々に愛されていたようです。クラシックの世界ではショパンの舟歌の他に、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、リャドフなどがそれぞれの舟歌を作曲しています。

ショパンが舟歌を完成させたのは1846年、36歳の時です。ショパンはこの三年後、39歳のときに病死していますから、数あるショパンの作品の中でも、この曲は晩年の作品ということになります。ショパンがパリで行った最後の公演は1848年2月16日ですが、このときの演奏会のプログラムに「舟歌」が入っています。まさに2月革命の前夜、世の中が騒然としている中での演奏会です。この曲をとりいれたショパンはどのような思いで弾いたのでしょうか? ショパンのその時の演奏は病気による体力の衰えのせいか、たいそう弱々しいものだったそうです。

去年の暮れに、日本を代表するショパン弾きの一人、河合優子先生のレッスンを受ける機会があって、この「舟歌」をみて頂きました。「速く弾く必要はありません、もっとゆっくり」、「フレーズをもっと深く読んで」などのコメントとともに、演奏上の技術的なヒントをたくさん頂くことのできた、とても貴重なレッスン体験でした。

さて、こうして練習を積み重ねてきた舟歌ですが、私は、この曲をどういう風に解釈して弾こうとしているのか、それを次回書いてみたいと思います。

<水彩画: Keiko Tanabe   "Gondolier, Venice, Italy III"


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