Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

一寸気持ちのよい夏

2019-07-03 | 生活
森の中の風が涼しかった。摂氏17度はやはり気持ちいい。陽射しはあったが、やはり気温で違う。心持ち足どりが軽くなる。久しぶりの戻って来てから気持ちがよかった。環境条件が大切なようだ。

夏季の室内の空気の入れ方が話題となった。先日も始めて気が付いたという人がいたが、日本のそれと中欧のそれとは大分異なる。先ずはなによりも室内を暗くすることが先決である。緯度が高いと陽が部屋の奥まで差し込むので室内温が上がりやすい。日本の様に天井が焼けるだけではなく室内も焼ける。だから窓を閉めて、蛇腹を閉めて室内を真っ暗にする。そして昼間の暑い外気温を入れないようにする。大体ここまでは南欧でも同じではないか、北欧はそこまでする必要もあまりないかもしれない。

そして重要なのは夜間に冷えた空気を室内に入れておく。これが重要で、自然冷房効果は断熱効果の高い住居ならば半日問題無く効果を保つ。それどころか22時過ぎまで暑ければ、窓を閉め切ったまま冷えた空気を保持する。だから判断の為にバルコンに温度センサーを出したのだ。それを室内でモニターすることで判断可能となる。

ここ数年涼しい夏を過ごしている。その初めごろに屋根裏部屋の窓についている幕が破れて使えなくなった。熱を避けるために遮光、遮熱フィルムを購入した。幕は上手く合うものが比較的高価でその質にも拘ったからだ。しかし冬場のことを考えると貼れなかった。しかし同時に窓の使い方を変えるようになった。上に押し開けて固定する方法がある。これの有利はそうやって開けることでガラスを通すので直接の光が入らなくなって、空気が上に抜けるようになった。そもそも天上自体はスチロールで比較的上手く遮熱出来ている。つまり光を抑えるのみである。

しかし屋根裏部屋が多く、そしてこの窓枠メーカーは圧倒的なシェアーを誇っているドイツでも意外にこの開け方をしているのを見る機会が殆どない。理由は外出していて降雨時には役に立たないとか、事務所のロフト構造は物置に使う場合が多いからなどだろうか。兎に角、このように開けることで締め切るよりも大抵の場合は温度が低く保たれて、熱気は上へ上へと抜けていく。その効果は階下の今では更にあって、風が抜ける感じで足元から抜けていくことさえある。教会等でも中々ない煙突効果である。

要するに中欧では断熱と気密性さえ確保すれば今後とも冷房装置などは不必要だと分かる。必要なのは建造物自体に難があるというしかない。正直窓の開け方だけでこれだけ室内温が下がるとは驚いている。最初の頃は今年の夏は涼しいのだと考えていた。寝室と居間さえある程度快適ならば冷房の効いた車で涼しいところに移動すればそれで足りる。

新聞の「サロメ」評の裏に芝居の評が載っていた。マンハイムのシラーの日のオープニングは「マリアストュアート」だったようだ。写真が大きく載って目を引いた。新監督になってからどうしても斬新な扱いが目立っていたが少なくとも衣裳はオリジナルを使っていたからだ。読んで、トレーラーを見ると必ずしも古臭い演出ではない。複数で演じるのでエリザベスグループとマリアグループが対抗する形で演じられるらしい。どこまでの演出効果を上げているのかは評を読んでもよく分からなかった。来週ぐらいに行こうと安い席を購入しておいた。前回は東京の国立劇場の委嘱シンメルペニッヒ作「AN UND AUS」で、その前はシラー作「盗賊」だった。

マンハイムの劇場は、そもそもシラーの劇の初演劇場で歴史がある。オペラの方が、ヴァークナー協会の発祥地であり、楽匠自ら記念コンサートを振っていることから、ヴァークナー劇場として有名だ。だからバイロイト出演だけでなく、ザックスを歌ったフォレの出身劇場であったり、今後も登竜門となっている。その分荒っぽくて管弦楽団の程度が低い。アダム・フィッシャー以前に音楽監督ホルスト・シュタインの劇場としても有名で、嘗ては若いフルトヴェングラーが活躍していた。だから芝居小屋の方はドイツ語圏では有名だ。しかしミュンヘンなどと比べれば程度が低い。それでも近くに居れば時々覗きに行くのは悪くは無い。入場料7ユーロに駐車料金、飲み物に燃料代ぐらいの価値はあるだろう。



参照:
開かれた平凡な日常に 2005-12-30 | 文学・思想
不可逆な無常の劇空間 2016-01-18 | 文化一般
ある晴れた日の為に 2019-07-02 | 生活
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