日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

晩秋の北海道で(1)札幌市立大学での講義

2017-11-23 17:59:07 | 建築・風景

此の秋の訪札、例年の札幌市立大学の羽深久夫教授研究室の院生への講義・建築談話に併せて、午前中に組まれている羽深教授の学部生(2年生)への講義の時間も拝借して、学生と建築を語り合いたいと思い立った。 

教材として、例年使っている鎌倉の近代美術館で収録した故鈴木博之東大教授とやり取りした建築談話「日本のモダン建築100選:20世紀の文化遺産」をまず観てもらう。このDVDは2004年の収録、時を経たので大丈夫かと改めて検索してみたが、建築の抱える問題・僕達が常に考察しなくてはいけないテーマの原点が此処にあるような気がし、羽深教授の同意を得て今年もまた、と言うことになった。 

しかし学部生の反応はいまいち。取りあげた建築と登場いただいている建築家が(その時代を率いてきたとは言え故人)東京に在住、そしてその近郊に建てた建築、東孝光の自邸「塔の家」や銀座の「三愛ドリームセンター」などなど。そして旧吉田五十八邸。その全てに建てた建築家の想いと時代が内在しているのだが!とは言え、学部生は自身の持っている課題とはつながらないのかもしれない。しかし院生とのやり取りは、彼ら自身が取り組んでいる課題にも関わっているようで、彼らとのやり取りは興味深いものになった。院生の論文が纏まったら送付してくれることになった。 

 写真ー札幌市大の渡り廊下