日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

雛祭り

2007-02-26 20:37:17 | 日々・音楽・BOOK

今年のお雛様は,三春の張子人形にした。
新春を迎えたらあっという間に節分、立春が過ぎた。そして梅が満開になり今年は春が早いと思っていたら来週はもう雛祭りだ。

愛妻が箱から人形を取り出す。軽いけど思いがけず大きい。それでも愛妻はもっと大きいと思っていたと首を傾げる。何故だったのだろう。ひところ大きいのに凝ったことがあった。大振りのピノキオもいるし、旅に出かけるたびに買い込んだ「こけし」(小芥子)、遠刈田の久一や鳴子の高橋盛雄と書かれたものなど一尺五寸の大きさのが三体もある。置く場所に困って押入れに仕舞っていたのだ。それも取り出した。
切れ長の眼が優しく微笑んでいる。新婚旅行で鳴子のこけし工房を回ったことを思い出した。お金がなかったのでそのときは小さいこけししか買えなかったことなども。

福島県の岩城の国三春ではこの張子人形を「デコ」とか「デク」という。今から二百数十年前の元禄文化華やかな時代に生まれたのだ。正徳、享保の頃、時の藩主秋田家四代の債季候が歌舞伎を愛好し、江戸で見た歌舞伎の振事を江戸から人形師を招いて破格の優遇をして造らせたのが今に継承されているのだという。箱に入っていた由来書には、そんなことが誇らしげに記してある。我家のお雛様には郡山市西田町の高柴デコ屋敷、元祖制作者橋本広吉と署名があった。

お殿様の背が高いのは、立っているからだろうか。立っているとしたら背が低いが、足元に黒い沓のようなものが見えるので、何だか変だが愛妻とそうなんじゃないのなどと言葉を交わした。お姫様はそんなことはお構いなしに細い目で微笑みながら僕たちを見ている。お二人から声を掛けられるような気もしてくる。なんとも素朴で僕たち夫婦は思わず顔を見合せた。

娘が生まれたときに手に入れた内裏雛は、今年はお出ましにならない。出して飾っておくと来週顔を出す娘が懐かしがるような気もするのだけど。気に入っている内裏さまなのだ。でもこの三春の内裏様も娘好みだと思う。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うーむ (moro)
2007-03-03 19:10:16
椅子に腰掛けているように見えますが、そんな訳はありませんね。(笑)
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もしかしたら! (penkou)
2007-03-04 12:12:03
何故なんでしょうね。お殿様がお姫様より高いのは!床机に腰掛けているのかも。昔はこのあたりでは殿様が偉かったので、こういうつくりり方をしたのか?でもお二人ともそんな様子は全く感じられなくやさしく微笑んでいます。
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