那覇に屋良文雄というJAZZピアニストがいる。
僕が沖縄のJAZZシーンを語ろうとすると、屋良文雄と彼のライブハウス「寓話」になってしまう。仕方がないのだ。沖縄はJAZZの宝庫だということは解っているのだが、「寓話」以外のライブハウスに行ったことがないのだから!でも屋良文雄のライブを楽しむことで、沖縄のJAZZを味わったと言っていいような気がしている。
学生を連れて寓話のドアを押すと、カウンターに座って談笑していた屋良さんが振り向いて、オヤッという顔をした。元気そうな顔を見てふっと安心した。やあ3年振りでと言うと、見たことあるなあ!と両腕で僕を抱えるようにして背中をぽんぽんと打ってくれた。こんなライブハウスってある?
パーソネルはこうだ。Drums津嘉山善栄、E・Bass武島正吉、Alto・Sax石崎文紀、そしてPiano屋良文雄。スタンダードナンバーを次々とほとばしるように演り、ワンステージ目の最後は「A列車で行こう」
一段高いカウンター席から女性客のかけ声!がかかる。中年のなにやら怪しげなカップルが、ベリーダンスを始める。思い出したのだが3年前魅せられて三日三晩通ったときも彼らが踊りだした。常連さんだ。ごくごく当たり前のことなのだろう。皆知らん顔をしている。同行したB君は手や脚でリズムを取りながら踊りには目も向けず‘かっこいいなあ!‘を連発している。
まあ此処はミュージッシャンの戦いの場だからなあ!屋良さんがプレイヤーを見る目つきは鋭く、しかし優しい。男が真剣勝負をしているのだ。僕たちを楽しませながら。
僕たちはゴーヤチャンプルをつまみながら、ちびちびと泡盛をストレートで口に含む。なんという夜だ。体が踊りだすのだ。
米軍キャンプやアメリカで鍛えられた沖縄JAZZ協会の会長でもある屋良さんの、リズミカルで何処かナイーブなピアノのタッチは誰に似ているといえばよいか。いやいややはり屋良文雄のピアノだ。
ちょっと気取って格好よく書き終わり、いつものようにFINDLATER`Sを口に含みながらぼんやりと考えていたら、「寓話」が気になってきた。コンサートを収録したアルバムに‘ミッドナイトイン寓話`という屋良さんのつくった曲が収録されている。ミッドナイトというタイトルの割には勢いのあるプレイなのだ。
寓話。イソップ物語のように動物を擬人化した風刺が含まれたたとえ話。
屋良さんのJAZZに託した「寓話」とはなんなのだろうか。
人付き合いは、大きな財産ですね。皆様に長くお付き合いいただけるよう常に自分を磨かなくてはと思います。
あ!それと遊行さんのブログで勝手にお名前を出してしまって済みません。しかし、遊行さんも絶対に師匠の意見を聞きたいはず!無理言って大変申し訳ありませんが何卒宜しくお願いします。