日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

旅 トルコ(4)トルコで食べる

2006-12-03 13:22:33 | 旅 トルコ

トルコの料理はどうだったかと良く聞かれる。その度に意表を突かれたような気がして困惑する。
旅に出てその土地の料理を食べるのは大きな楽しみだが、何しろ一人旅っぽくなったので、トルコ料理を味わいに出かけようという気持ちにはならなかったからだ。でも無論何も食べなかったのではない。そして食べた料理(料理とは言い難く食事、食い物?)は、思いがけなくどれも癖がなくなかなかだった。

まず関空からのターキッシュエアライン、水平飛行になった途端夜食が出た。時間があったので関空のレストランで、パスタセットなるものを食べたばかり。参ったなあと思いながら食べ始めたら、これが味がまろやかでなかなか美味い。よりもよってクリームがどっぷりのパスタが付いてきたけど。トルコに対するイメージが少し変わる。

ところでターキッシュと発音する人と、トルキッシュという人がいる。僕はターキッシュで篠田さんはトルキッシュだ。カッパドギアで出会った韓国の女性はターキッシュ。帰りの飛行機でスチュワーデス(今では客室乗務員というのか、エアラインによって違う?)に聞いたら、ちょっと困った顔をして、どちらも違うという。トウーキッシュ(この発音は文字にはし難い)(閑話休題)。

ホテルの朝食はバイキング形式だ。ペラパレスで初めてちゃんとした(?)トルコを味わうことになった。どうやって食べるものなのだろう。僕はヨーグルト(実はトルコが起源なのだそうだ)などにぶち込んだが、猛烈に塩辛いチーズやナッツ、これがトルコかと思ったが、他のホテルではそうでもなかった。パンが美味い。フランスパン(トルコパン?)をナイフで好きなだけ切りとって食べるのも、このホテルと旅人との信頼が築かれているような気がして良い感じだ。

さて一緒に食べようと約束した初日の夜、篠田夫妻とガラタ橋の下のレストランに行った。呼び込みのアンちゃんに12YTL(イエーテレ)といわれて安くて良いやと入った店、ライトアップされたイエニ・ジャーミーや行き交うフェリーを見ながら食べるのはなんとも楽しい。
ガラタ橋ではウイークデェイなのに日がな釣り糸をたらすおじさんたちがいて、小さな魚が結構釣れる。釣れるのかと様子を見ていたのでわかるのだ。どうやらこの釣った魚を下のレストランでも料理をするようだ。魚を食った。まさか!出てきた魚はでっかいのでそれではない。と思う。

結構なビールで良い気持ちになった頃、店の奥から流しの三人組の奏でる音楽が聞こえてきた。コーラン風のメロディとリズム、豊かな異国イスタンブールだ。
味は普通。まあ写真を見て欲しい。なんとも楽しそうな篠田さんとサービス満点の流しのおじさんたちを。味なんて二の次だ。

実はちょっぴりお腹を壊した。渡邊さんも山名さんも調子を崩したが、正露丸を三粒飲んだら直ってしまったという。あまった二十粒ほどを渡邊さんに貰った。それをほとんど翌日の一日で飲んでしまった。僕の調子がいまいちだったのは、正露丸に当ったのではないの!と帰ってから皆に笑われてしまった(これも閑話休題)。

さてアンカラからイスタンブールに戻った日、フィッシャーマンズワーフに座り込んで暮れていくジャーミーやガラタ塔を見ていた。
スイミットというゴマつきドーナツパンを売る屋台が出てきた。のんびりと行き交う人と会話をしながら準備を始める。焼いた大きな魚(バルク・ウズガラ)をパンに挟み込んで売る屋台が何台も出てきた。売りかたにも個性(工夫)があって面白い。飽かずに眺めていたら腹の調子が万全ではないものの、そのホットドッグを食べたくなった。

好奇心には勝てない。公設らしい屋台の看板には[HISTORICAL FISH&BREAD]と書いてある。これが決め手、これは美味い。僕はイスタンブールの歴史を食ったのだ。回転焼肉ドネル・シカブを挟み込むのもあるが、人気があるのが魚だ。包むエルメッキという有名なパンが美味いのだ。安い、3YTL。

カッパドギアの洞窟ホテルでの奇形を眺めながらの夕食と朝食、夢のような景色だったがさて味はどうだったかと問われると!まあ普通。それより運んでくれた人の素朴でアットホーム的な感じがとても良い。でもこれでは料理のレポートにはならないなあ。
こんなことを書いていてもしょうがないか。ガイドブックで紹介されているトルコ料理の定番、レンズ豆のスープ・メルジメッキ・チョルパスもシシ・ケバブも食べていないので。

とは言えもう一つ。
イスタンブール現代美術館のコーヒーとサンドウイッチは美味かった。この美術館のレストランは、海に面した2階にあってミュージアムショップから入るようになっている。ドルもユーロも使えない。YTLかカードだ。
このレストランで食べるのは、イスタンブールの人々のステイタスになっているのだろうか。おしゃれをして、エグジェクティヴ的な様子の人々で埋まっている。優雅な景色だ。この街の側面が見えてくる。

倉庫を改造したこの美術館では、トルコの代表的な美術家(と思われる)Fahrelnissa、Nejad夫妻の回顧展が開催されていた。コレクションをしているようだ。黒や赤に黄色やグレーの原色を組み合わせたNejad夫人の代表作と思われる抽象画を表紙にしたノートなどが常設グッズとして売られている。色の組み合わせやその形に微かにトルコを感じる。アグレシップな。
思わず手に取り数冊買い求めた。DOCOMOMOのプロポーザルの資料を作ってくれたメンバーへのお土産にするのだ。

そうだ。これは書いておこう。何処へ行ってもチャイがおいしかったことを。




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3 コメント

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衣食住 (xwing)
2006-12-03 20:20:28
旅の醍醐味の一つ「食」は欠かせませんね。ただ今、仕事してたのですが…あー、お腹空いた(笑)!
PRESS CAFE’のカレーライスが昔風で目茶苦茶美味い!のです。
チャイもなかなか魅力的ですね。音楽を聴きながらも粋です。
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ライスカレー (ターマス)
2006-12-04 03:53:17
MOROさんライスカレーお褒め頂ありがとうございます。penkou先生もおひとつ如何でしょう?クール宅急便でお送り致しますが!グリーンピースを三個のせて水の入ったコップにスプーンを入れたまま食卓に出して頂ければ完璧です。
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北海道は雪でしょうか、突然ですが (penkou)
2006-12-05 14:38:04
MOROさん、ターマスさん
美味しい物を食べるのは大好きですが、こうやって書いてみるとどうも僕は(いわゆる)グルメではないし、多分なれないでしょうね。PRESS CAFE’にはカレーライスもあったのですか?あのお菓子の他に?あの日は小樽の寿司を食いに行きましたからね。二年越し(8ケ月でしたっけ)ですもんね。クール宅急便?それでも美味しいんでしょうね。食べてみようかな。
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