日々・from an architect

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ヴォーリズの設計した北見市の「ピアソン記念館」を訪ねて

2016-01-10 20:45:42 | 建築・風景
昨年の11月、moroさんの車で紋別を訪ねた折、興味深い建築を幾つか案内してもらった。渡辺豊和の「湧別町ふるさと館」については昨年の12月に記載したが、北見市のウイリアム・メリル・ヴォーリズ(ここではボーリズと表記されている)の設計による「ピアソン記念館」もその一つ。1914年(大正3年)ヴォーリズが若き34歳の時に建てた木造の建築で、現在は北見市最古の洋館として、北見市の指定文化財、北海道遺産に指定されている。

この建築は、大正から昭和にかけてのこの地の宣教活動に腐心したアメリカのジョージ・メルク・ピアソン夫妻の住宅として建てられたが、現在は夫妻の活動なども紹介する資料館として公開されている。窓や出入り口の意匠など大正時代の雰囲気に満ちていて魅惑的だが、天井も低く、各部屋もこじんまりしていて当時の布教者のつつましい生活が偲ばれる。
ところでヴォーリズの設計したことが判明したのは1995年(20年前になる平成7年)とのことで、修復をして記念館として公開されたのは2004年(平成12年)になったとのことだ。

小高い丘に上に建つ瀟洒な建築だ!と言いたくなったがさて?とも考える。ポストモダン或いはモダニズム建築にぞっこんのmoroさんが何故ここへ僕を案内してくれたのかと! 好奇心が沸いてきたが、言ってみれば彼が建築大好き人間だから!だろう。

大学の後輩に一粒社ヴォーリズ事務所(現在の呼称)の所長を担っていた建築家がいる。
5月の後半に、建築学科の同窓の会(現役の学生も含めて)を駿河台校舎で行うことになっていて計画のやり取りをしているが、その後輩に一言でも話しをしてもらおうか、とも取りざたされているが、さて彼は、この北見市にあるこの建築の存在を知っているだろうか?いや言うまでもないだろう。相談を受けて師を偲んで綿密な検索をしたに違いない。
何はともあれ「見てきたよ!」と伝えると喜んでくれるだろう。とは言え、この手の洋館に疎い僕だし、こじんまりとした住宅だとは言え、洋館のある種の典型なのだと言ってみたくなっている。

ところで余談だが、この同窓会のイベントで僕は、学生時代の恩師堀口捨巳先生について語ることになっている。

<写真 ピアソン記念館 2015年11月7日撮影>