日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

NBC(長崎放送)の「あの人この歌ああ人生」

2013-11-09 15:25:22 | 日々・音楽・BOOK

「こんばんは。塚田恵子です。この番組は、毎週、ゲストの思い出の一曲を聴きながら、人生を語っていただきます・・・」という塚田アナウンサーの一言で始まる。

一昔前になるが、テレビ神奈川のアクセス・ナウという番組で「「蘇る光・20世紀の遺産」と題して、名の知れた評論家と対話をしながらテレビのスタジオで番組収録をするなど、数回のテレビ放送の体験をしたことがある。でもラジオは初めてなので好奇心が刺激された。
しかも、一曲を聞きながら「人生を語る」のだという。
長崎へフライトする前日、塚田さんと電話でやり取りしたら、長崎市公会堂トークの前日に一時間ほど下打ち合わせの時間が欲しいとのことだったのに「もういいです」ということになった。選曲も、問題意識も、話しっぷりも大丈夫だと言われてホッとした。

選んだ一曲は、ビル・エヴァンスを語るときに欠かせないアルバム「Waltz for Debby」の冒頭「MY FOOLISH HEART」。
寝るときによくかける僕の子守唄の一つでもあり、N.Yのビレッジ・ヴァンガードでのライブ録音でもあるからだ。番組でも述べたがN.Yに行った(行く)のは建築を見るためだが、ビレッジ・ヴァンガードに行きたいからでもある。

嘗て銀座にジャンクというライブハウスがあり、入り浸ったものだ。
僕は建築家だから、建築を語ることは、つまり「長崎市公会堂」を語ることは、僕の人生を語ることになる。同時に1950年後半から60年代・70年代という時代とその後の推移と重なるモダニズム建築の変遷とその時代のJAZZの世界を語ることもまた、僕の全ての来し越し方と多分晩年に至るまでの軌跡を語ることにもなるのだと感じている。

JAZZでなくても好きな音楽を語ること、同時に読んできた本を語ることも「人生を語る」ことになるのだろう。そこには数多くの人との触れ合いがあるからだ。この番組が人気があるというのがだんだん分かってくる。

この「あの人この歌ああ人生」の放送は、11月18日(月)の夕方,pm7:00~7:30とのこと。電波の届くのは長崎県と佐賀県と福岡の一部で、CDに録音して送ってもらえるが、ライブで聴くことができなくて残念だ。

長崎市公会堂の「さるく&トーク」には、雨の中150人ほどの人が参加してくれて一緒に館内を歩いて長崎市公会堂を巡る物語を語り合った。会場の人たちのこの建築を思う気持ちにも触れることができ、設計を担当した早稲田大学武基雄研のOBの渡辺満さんのこだわりに思わずニヤリとしたが、有意義なイベントになった。
主催者、林一馬長崎総科大教授や、建築家中村享一さん、それを支える人たちの尽力に心打たれる。僕たちの思いを行政サイドが真摯に受け留めてくれることを切実に願う。

僕は、昭和27年(1952年)に長崎中学に入学した。しかし2年生のときに転校して長崎を離れた。卒業をしていないので長崎中学の名簿に載っていない。願わくば、この放送を聴いた同級生がいて連絡してくれたらこれにまさる喜びはないのだが・・・
壇上で話しながら、密かに同級生に会えないものかと期待していたが、残念ながらその出会いはなかった。