名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

子どもの名前で最高裁まで争う

2009-11-04 08:44:47 | Weblog
2009.11.4
 今朝の中日新聞に、子どもの名前に「玻」という文字を使った娘の出生届を、名古屋市が「常用漢字や人名用漢字でない」として受理しないのは不当として、東区の夫婦が今日4日、不受理の取り消しを求め最高裁に抗告するという記事が載っている。
 この夫婦は、新聞に実名で記載されており、その訴えの是非を市民にアンケートで問うとしているので、ここではその記事のとおり、実名を使わせていただく。
 その夫婦は医師の矢藤仁さん(40)と清恵さん(38)で次女の玻南(はな)ちゃんの出生届が上記の理由で不受理になったことで昨年12月、名古屋家裁に不服を申し立てたが却下。夫婦は☆地名や人名にも使われている☆画数が少なく読み方も平易―などとして更に高裁にも即時抗告したが、高裁も「常用平易な漢字とは認められず、戸籍上使えないのは止むを得ない」としたために11月23日に1歳を迎える玻南ちゃんは未だに戸籍がないというものである。
 矢藤仁さんは『名前は親から子への最初のプレゼント。なのに、いまだにあげられない』と嘆いているという。
 新聞によると、最高裁は2003年、「曽」の文字をめぐって、「常用される平易な文字を人名に使える字に定めない場合、(人名用漢字を定めた)法務省令は違法で無効」と判断。その上で最高裁は「平易な文字」の範囲を「時代の推移、国民意識の変化などで変わる」とした。
 矢藤さん夫婦は、この最高裁判決を受けて市民に意見を求めることとし、アンケートに乗り出すというものだ。
 アンケートは「玻」について☆名前に使っていい文字と思うか☆常用平易な漢字と思うかの2問である。そして回答はメールまたは郵便で11月20日までに届くよう求めている。
 筆者はそのアンケートに答えるつもりで次のように考える。
 「玻」という文字は確かに平易で、ほとんどの人は確信はもてないが何とか「は」と読めるであろう。しかしこの字の意味は筆者も分からない。手元にある集英社の新修広辞苑も岩波国語辞典も電子辞書のいずれも残念ながらこの「玻」の字は載っていない。あの分厚い辞書でもない限り載っていないのであろうか。
 矢藤さんはこの「玻南」チャンの由来として次のように言っている。兄妹四人の名前はいずれも旧約聖書の登場人物を参考につけたが、「玻南」ちゃんも模範的女性として描かれるハンナが由来という。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」のことわざから、長女瑠都(るつ)さんに対し、次女には「玻」の字をあてた、のだという。他人から見ればなんとも理解しがたいこじ付けとしか思えない。
 まあしかし、やさしい字でもあるし、他人でも何とか読めるということから、本人たちの思い入れを考慮して、この際許されるのではないか、というのが結論である。
 しかしである。子の名前は子ども本人は選べない。正直いって親の身勝手からつけて自己満足しているとしか思えない名前をよく聞く。自分の子の名前をどうつけようが他人からあれこれ言われる筋合いはないとでもいいたげな人がいる。また、許される漢字でも全く読み方が理解できないものもある。例えば「正雄」と書いて「かずお」と読ませる如きである。この子は生涯間違い続けて呼ばれ、生涯「そうでない」と否定し続けなければならない。また難しい漢字を使っているため、いちいち読み方を聞かれなければならない子もいる。本人も大人になって納得できればともかく、それまでの間の苦労は大変である。
 子どもの名前をどうつけようが勝手ではあるが、つけられた子どもの立場にもなってよい名前をつけてやってほしいと生まれてくる子どもたちのために願う。