田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

子猫のリリのプチ家出  麻屋与志夫

2014-10-08 06:42:42 | ブログ
10月8日 水曜日

●「リリがいないわ」

カミサンが離れで低く叫んでいる。

離れなどというと大げさだ。

さも大邸宅のようだが、サニアラズ。

玄関から真っすぐに中道が続いている。

それで道の向こうが離れ――ということになっている。

●「玄関が開いていたのよ」

外に出て「リリ、リリ」と小声で小雨降る薄闇に呼びかけている。

いつもなら跳んで帰ってくる。

あまりかわいいから、だれか連れていったのかしら。

迷子になった。雄猫に追いかけられないかしら。

かしら……。かしら、とカミサンの推理はつづく。

「まさか、まだ子猫だよ」

もっとも人間界では中年の変態男が小学生のストーカーになる時代だ。

子猫を追いかける雄猫がいても、むべなるかな。

と自己納得。

カミサンの推論に、ウムウムと頷いている。GGなのでありました。

●それからしばらくして。

わたしがパソコンに向かっている掘りごたつの前をサッとリリの姿がよぎった。

どこからかテレポートしてきたみただった。

なんの気配もなく、ふいにパットそこに現れた。

●「うそよ。玄関から入ってきたのよ。開けて置いたから」

こんどはカミサンはすごく現実的な思考に身を委ねている。

リリの姿をみたので安心したのだ。

●「ほら、こんなに背中が濡れている。さわってみて」

子猫なのでやわらかな毛が濡れてぴったりと背中に貼りついている。

しきりとカミサンの胸にスリスリをしている。

老夫婦の心配をよそに、リリはニャンともなかない。

●「寒かったのよ。ふるえている」


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