ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫の真剣な雑談 - 28 ( やりたい放題の大国アメリカ )

2023-08-04 20:20:27 | 徒然の記

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 ・・「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」

 猛暑ばかりでなく、腰の痛みを忘れさせてくれる有難い氏の愚論を、今回も紹介します。

 ・一番いい例を挙げると、アメリカは他の国の民主主義を尊重すると言いながら、その国が民主的な方法で大統領なり首相なりを選んだ場合でも、その首相や大統領がアメリカに都合の悪い人物であると、CIAを使ってクーデターを起こさせた。

 ・国務省も同じで、海兵隊や海軍や空軍を使って内政干渉し、民主的に選ばれた他国のリーダーたちを排除してきた。

 ・1953年イランで民主的な選挙が行われ、大統領だったか首相だったかモサディクという人物が選ばれた時、アメリカはクーデターを起こし彼を追放し、刑務所へ送り込んだ。そしてアメリカの言いなりになるパーレビ王朝の王様と、すげ替えてしまった。

 この部分は事実の紹介ですから愚論でなく、普通の話です。初めて聞く人には、新鮮な正論になります。

 ・その次の年にはガテマラで、民主的な選挙で選ばれた政治家をクーデターで追放した。

 ・9年後の1963年に南ベトナムのゴ・ジンジェムと言う男を、元々はアメリカが選んで大統領にしていたが、こいつも都合が悪くなり、ベトナムの軍部に命令して殺害させた。

 共産党親派のボウフラ君も礼儀知らずですが、伊藤氏も彼に匹敵する無礼な人間で、べトナムの大統領を「こいつ」と呼んでいます。どう言う神経をしているのでしょうか。

 ・その次の年にはブラジルで、民主的選挙で選ばれた大統領を、アメリカにとって都合が悪いからと、ブラジル軍に命令して彼を追放し、ブラジルを軍事政権にしてしまった。

 ・1973年には、チリのピノチェトが大統領になったが、彼が社会主義者なので都合が悪いと、追放したのか殺したのか、アメリカは彼を引き摺り下ろした。

 チリの件については、チャンネル桜の訂正文が下記の通り発信されています。

【訂正とお詫び】動画内の28分59秒頃に「ピノチェトが倒された」とお伝えしておりますが、正しくは「CIAが支援したクーデターによって、チリのアジェンデ大統領が殺害された」の誤りです。ここに訂正と共にお詫び申し上げます。

 氏の動画はチャンネル桜が全国発信していますから、間違った事実を伝えては責任問題になります。水島社長も慌てたことでしょう。たった87人の登録者しかいない「ねこ庭」のブログでも、ボウフラ君は間違いを発見すると大騒ぎします。「ねこ庭」のブログと伊藤氏の動画を、世間への影響度で比較すると象と蟻以下です。共産党のための粗探しをしているのなら、伊藤氏の動画でする方がすっと効果があります。

 ・最近ではオバマ政権が、エジプトで「アラブの春」を起こし、モサディク大統領を引き摺り下ろした。その後民主的な選挙をやってみたら、イスラム同胞団の男が大統領に選ばれた。

 ・アメリカにとってやはり都合が悪い男だからと、軍部に命令して彼も引き摺り下ろした。彼はその後牢屋の中で死んだ。

 悪どいことをしているとは聞いていましたが、ここまでやるアメリカだとすれば、オバマ大統領に嫌われていた安倍総理も、消されたのでないかと疑いたくなります。体に当たった銃弾の数が合いませんし、緊急治療をした医者と解剖医の意見の相違が今もそのままです。一年たっても警察の発表が有耶無耶なことを考え合わせますと、アメリカの影が濃くなる気がします。マスコミが盛んに報道している世界統一教会も、あるいはアメリカの諜報機関に利用されていたのかもしれません。ただしこれは、根拠の不確かな「ねこ庭」での想像ですから、「雑談以下の寝言」です。

 アメリカの悪事に関する氏の雑談はまだ続きますが、つい先ほど見た外務省のメルマガで、エジプトの政変について氏が間違いを喋っているのを知りました。チャンネル桜の謝罪文が出ていませんので、彼らも気づいていないのでしょうか。スペースがなくなりましたので次回の報告としますが、詰まらない内容と思われる方は、スルーしてください。

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伊藤貫の真剣な雑談 - 27 ( 貫さんは、今日はどこまで行くのやら )

2023-08-04 09:34:44 | 徒然の記

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 ・・「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」

 前回の続きです。「とんぼ取り、今日はどこまで行ったやら」という有名な句があります。氏の雑談を紹介する私は、「貫さんは、今日はどこまで行くのやら」と、不安と期待の入り混じる気持です。

 ・民主主義を押しつけられる国の条件として、彼ら ( 米国の国際政治学者 ) は3つを挙げている。

   1.  国民の間に、法治主義の習慣が根づいていること

   2.  行政機構が有能であること。行政担当の役人が、それなりのレベルに達していること

   3. 独立した司法制度があり、国民が尊敬する制度であること

 ・世界中の国がこの条件を満たすとは考えられないし、そんなことはあり得ない。世界中の国々が民主主義になるなど不可能なことを、アメリカは知っていた。少なくともクリントン、ブッシュ、オバマの政権は、これを分かった上で「民主的平和の理論」を政策として採用した。

 ・採用した理由は、アメリカの言うことを聞かないと攻撃するぞと他の国々を露骨に脅せないが、「民主的平和の理論」を使うとそれができる。つまり、他国への内政干渉と軍事介入の口実として使ったということだ。

  アメリカを批判する氏は勇気があると、何回か前に言いましたが、米国では国際政治学者が遠慮なく政府批判をしているのですから、伊藤氏に特別の勇気があるのでなく、彼らの中に混じり、米国批判をしているだけの話でした。勇気の必要はどこにもありません。

 ・クリントン、ブッシュ、オバマ政権時代、アメリカはこれを口実にして、世界の20数カ国で内政干渉、軍事介入、クーデターを起こし、覇権大国としてのアメリカの命令を実行した。

 氏の説明によると日本はアメリカの一番の従属国で、独立をさせてもらえない国ですから、クリントン、ブッシュ、オバマ政権時代にどれだけやりたい放題の内政干渉をされたかと言うことになります。そんな日本で自由民主党の政治家が、自主的外交政策や軍事政策を持たなかったと批判する氏は、お馬鹿さんでなければ何と言えば良いのでしょう。

 次回も氏の雑談が続きますが、次回のブログのサブタイトルを「伊藤貫氏の愚論紹介」と変更したくなりました。何にでも興味のある野次馬の方だけ、「ねこ庭」へお越しください。

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伊藤貫の真剣な雑談 - 26 ( 常識はずれの雑談 ? )

2023-08-04 06:40:33 | 徒然の記

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 ・・「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」

 今回も「民主的平和論」のパラダイムの続きですが、「ねこ庭」の先生の話でなく、タイトル通りの雑談です。

 ・イギリスも民主主義国家だったが、19世紀のイギリスが何をやったかと言えば、物凄い帝国主義だった。バンバン人の国を攻めて植民地化し、やたら好戦的だった。

 ・イギリスは徐々に国内の民主主義を整えたが、国外では非常に帝国主義的だったと言える。

 ここまで分かっているのだとしたら、幕末から明治にかけて日本の指導者たちが危機感を抱き、富国強兵・殖産興業に力を入れたことや、大東亜百年戦争に向かわざるを得なかった事情も理解していると思います。それならチャンネル桜が提供する動画のなかで、氏が日本の視聴者に言わなければならないのは、つぎの2点です。

  1.  敗戦国日本に「占領軍憲法」を押しつけ、日本だけが間違った戦争をしたと決めつけた米国は間違いだ。

  2.  「占領軍憲法」を金科玉条として、「憲法改正」と「皇室典範改正」に反対する反日野党勢力は間違いだ。

 氏が今も日本人であり、日本の保守と主張するのなら動画で語るべきなのに、依然として肝心な2点に触れる気配がありません。ケロッとして話をそらします。

 ・もう一つ問題になるのは、世界中の国々が民主主義になることが本当に望ましいのかということだ。

 ・民主主義になれば良くなると思っているのは、多分アメリカ人と日本人くらいで、まともな国際政治学者、例えばハンチントンやケナン、モーゲンソー、キッシンジャーもそうだが、彼らはそんなことは考えていない。

 ・あともう一人、ウォルツがいる。彼は日本ではほとんど知られていないが、国際政治学のリアリスト学派ではほとんど巨人のような、非常に立派な人物だ。

 ・彼らは民主主義を成功させるには、幾つかの前提条件があり、その条件のない国に押しつけても、逆に社会を不安定化させると主張している。

 ここまでくると、いい加減にして欲しいと言いたくなります。民主主義になれば良くなると思っているのは、多分アメリカ人と日本人くらいと言いながら、氏が反対者として挙げている人物は皆アメリカの学者です。まともな国際政治学者だからアメリカ人の中に入らないと言いたいのなら、これも辻褄が合いません。5人の学者が米国で多くの支持者を持ち、学界や政界で強い影響力を持っているのですから、民主主義になれば良くなると思っているのは、多分アメリカ人と日本人くらいと言えなくなります。

 結局氏が言いたいのは、民主主義になれば良くなると思っているのは、多分日本人くらいだといういつもの日本の悪口です。今回の氏は日本の悪口だけでおさまらず、自らのバカも証明しています。

 「彼らは民主主義を成功させるには、幾つかの前提条件があり、その条件のない国に押しつけても、逆に社会を不安定化させると主張している。」

 ハンチントンやケナンなどが述べていると、大層立派な意見のように披露していますが、日本の学者たちは江戸時代から、というより仏教を取り入れた奈良時代からこんな議論をしています。神話以来の統治者をご先祖とされる天皇のおられる日本では、宗教でも政治でも学問でも、外来のものはそのまま取り入れると根づきません。

 「違う木に違う枝を接木 ( つぎき )しても、枝は枯れてしまう。」

 国の安寧と民 ( たみ ) の幸せを祈られる無私の天皇が統治され、国民の敬愛の中心に天皇が在位される日本には、外国のものが簡単に取り入れられません。ご先祖さまたちは常に議論し、検討し、知恵を絞りました。文明先進国だった中国から漢字を教わった時も、やがてご先祖たちはこれを「万葉仮名」として使い、日本固有の「カタカナ」と「ひらがな」を考案しました。

 釈迦を頂点と仰ぐ仏教が伝わってきても、八百万の神のおられる日本では、国民の多くは神ながらの天皇へ敬愛の念を失いませんでした。学者たちは仏教を排斥せず、神仏習合・反本池垂迹説 ( はんほんちすいじゃくせつ ) などの意見を展開しました。儒教にしても国学の一つとするくらい尊重しましたが、日本に合わない「科挙制度」は取り入れず、社会の混乱を避けています。

 その条件のない国に押しつけてもと、氏は米国の学者の意見を持ち上げますが、日本の学者たちは1000年も前から、そんなことを実行していたのです。しかも日本は「その条件のない国」でありませんから、逆に外来のものを「日本の条件に合うもの」に作り替えた歴史を持つ国です。

 年金暮らしの親父が、学者である伊藤貫氏を批判するのは思い上がった態度だと、ボウフラ君が軽蔑しますが、年金暮らしの親父でさえ知っている日本の過去を忘れている伊藤氏の方がおかしいのではないでしょうか。2000年以上の歴史を持つ日本の学者の功績を評価せず、240年の歴史しかない若いアメリカの学者たちの意見ばかり喋るのは、学徒の常識というより、世間常識から外れています。

 伊藤氏を褒めたり貶したり、詰まらないブログになっていますが、日本の悪口しか言わない氏に比べたらまだ増しでないかと思います。もしかすると氏が、「ねこ庭」の先生らしくまた正論を述べるのかもしれません。そんな期待を捨てない方だけ、次回の「ねこ庭」へお越しください。

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