ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫の真剣な雑談 - 36 ( 日本の滅亡を喜ぶ彼 )

2023-08-12 20:45:39 | 徒然の記

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談  第4回 」 ・・アメリカ人も呆れた、属国主義で核武装議論から逃げてきた日本の保守政治家達

   1.  日本の政治家と官僚による意図的・意識的な属国主義  ( 吉田茂から佐藤栄作までの日本政権  )

   2.  CIAによる対日工作 ( 秘密資金・賄賂の配布先 )

   3.  ニクソンによる、2年半に及ぶ日本(佐藤総理)への核武装提案

 事実を取り上げていても、ねじ曲がった解釈をすると、事実が曲がって伝えられると言う見本のような雑談 ( 寝言 ) です。ニクソン大統領が2年半ずっと佐藤総理に核武装を勧めたと読めるタイトルですが、5年のニクソン政権下で、たった2年半の間大統領とキッシンジャー氏が佐藤首相に日本の核武装を勧めたが、聞いてもらえなかった、とそれだけの話です。

 当時の佐藤首相は「早耳の佐藤」とあだ名されるほど、情報のアンテナを巡らしていた総理でしたから、国内だけでなくアメリカ政界の事情にも通じていたはずです。核という一番微妙な問題で迂闊な返事をすると、国際社会で日本がどのような目に遭うのかを、知らないはずがありません。まして日本国内には、共産党を筆頭に反日勢力が騒ぎのタネを探しており、マスコミは全て核アレルギーの反政府勢力です。

 米国内で評判の良くないニクソン政権が、いつまで続くのかも予測がつきません。それでも同盟国の大統領ですから無下にできず、おそらく今の岸田総理のように「うやむや」「もやもや」の返事をしたのだという気がします。

 そんなことは何も考慮せず、日本問題の素人であるマイケル・シャラー氏の著書を根拠に、佐藤総理を酷評します。面白いので彼の言葉をそのまま紹介します。

  「アメリカの大統領が、せっかく日本に自主防衛体制を持つまともな独立国になれ、核も保有すべきと言ってくれたのに、聞く耳を持たず、完全に無視した。」

  「というより佐藤は、ニクソンとキッシンジャーの言うことが理解できなかった。核武装を勧められても何がどうなっているのかも分からず、困っていた。」

 ここで彼は自分の友人だった、故中川昭一氏に関する思い出話を披露します。中川氏と彼は年が同じで、大学も同じ東大だったそうです。なぜか話が合い、二人だけで食事をしたり呑んだりしていたと言います。

  ・2006 ( 平成18 ) 年に、北朝鮮が初めて核ミサイルの実験をした時、日本も核保有の議論をすべきだと言ったのは、中川昭一だけだった。

  ・最初自民党の政治家は誰も同意しなかったが、やがて中川に賛同する仲間が数十人できた。

  ・しかし中川が公の場で、「日本は核保有の議論をすべきだ」と言った途端に、賛同していた議員たちは怯え、全員知らん顔をしてあっという間にいなくなった。

  ・彼と二人だけで呑んだ時、中川は「あいつらは全員逃げた。」と言った。

  ・その後中川は「酩酊会見」をし、あっという間に落選して、あっという間に死んだ。

  ・自民党の仲間の議員の中には、中川は他の国のスパイ機関にやられたという意見を言う者も出てきた。それ以後自民党の中には、核保有の議論をする議員が一人もいなくなった。

  ・自民党の議員は全員核の議論から逃げ、ずっと核兵器反対の公明党とくっついている。

 彼がここで中川氏との個人的な思い出話をしたのは、ニクソン大統領の言葉を理解しなかった佐藤総理に比べ、いかに中川氏が優れた政治家だったかと強調したかったからです。

 私の年代の人間なら、中川氏の「核議論発言」もその後の「酩酊会見」も、「自宅での突然死」についても、マスコミが大きく報道しましたので全て覚えていると思います。それだけに伊藤氏の出した話が、いかに的外れな例となっているのかに気づきます。

 「佐藤総理に理解力がなかったと言う話でなく、核問題がどれだけ日本とアメリカにとって大きな問題だったのかを伝える中川事件である。」

 「簡単に返事をしなかった佐藤総理の方が、正しい。」

 つまり、こう言うことになります。日本の保守層を二言目にはおバカさんと評する彼が、自分のバカを証明する話をまた続けます。

  ・アメリカの大統領の中で、日本に核保有を進めてくれた人物が三人いる。アイゼンハワー、ニクソン、トランプだ。三人は当たり前のことを日本に言ってくれた大統領で、三人とも共和党だ。

  ・過去120年間の米国の外交史を見ると、常に日本人に冷酷で意地悪なのが民主党だ。民主党の政治家と民主党系の知識人は、日本の自主独立と核武装に反対し、日本をいつまでも従属させたいと考えている。( 注 : 広島・長崎に原爆を投下させたルーズベルトとトルーマン大統領は民主党でした。 )

  ・彼らは中国、ロシア、北朝鮮が核武装しても、日本にだけは核を持たせないと考えており、国務省の官僚の9割が民主党だ。

  ・アイゼンハワーの日本核武装論には、彼の閣僚だけでなく、国務省、ペンタゴン、CIAの全員が反対していた。

 ここで彼がアイゼンハワー、ニクソン、トランプ三氏の名前を挙げているのは、発言をした三人がどれほど勇気のある人物なのか。その貴重な話を受け入れない日本の保守層がいかに愚かなのかと、そう言いたいからです。

 敗戦後の日本は氏の言う通りアメリカの従属国で、アメリカの意向に逆らった政策ができませんでした。歴代の総理は、就任すると真っ先にアメリカを訪問し、挨拶をするだけでなく政策のすり合わせをしてきました。彼らの機嫌を損ねると、内政干渉、内乱誘発、軍事介入のスケジュールが見えますから、歴代政権の最大の関心事が「アメリカの意向」でした。

 伊藤氏の説明が正しいとすれば、私の年代の人間なら、彼の出した話が、いかに的外れな例となっているのかに気づきます。

 「アメリカ国内での少数者の意見を受け入れていたら、政権が持たない。まして民主党政権になったら、どんな無理難題が日本に押しつけられるか分からない。」

  「簡単に返事をしなかった佐藤総理の方が、正しい。」

 私の目に映るのは、日本人でありながら日本の実情を知らないアメリカかぶれのおバカさんです。その彼が、得意そうな笑顔で喋ります。

  ・日本人の議論には哲学的な議論と、パラダイムレベルの議論がほとんど出てこない。ポリシーレベルの議論ばかりで、「損か得か」「好きか嫌いか」の情緒的な議論しかしない。

  ・だから日本人には長期的なビジョンがなく、つまらない話をしつこく続けるだけだと、キッシンジャーが言っているが、僕も全く同感だ。

  ・僕は10年後の日本のことを考えて、日本はこんなことをやっていたら大変なことになると、言い続けている。

  ・しかし日本の自由党の政治家と外務省、防衛省の官僚と、自衛隊の幹部はぼーっとしているだけで、10年後のことなんか何も考えていない。

  ・だから僕はこの本を読んだ結論として、日本は8年か16年後に滅びると考える。

 愉快で堪らないという顔で喋りますが、こんな人物の話を黙って聞く視聴者と、汚染の病原菌のような動画を発信し続けるチャンネル桜に、強い不快感を覚えます。「盗人にも三分の理」という言葉が、日本には昔からあります。この言葉を「ねこ庭」では、次のように言い換えます。

 「バカの理屈にも三分の理」→ 「伊藤氏の寝言にも三分の理」

 満更参考にならない訳でもありませんから、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々のため、次回も「伊藤氏の寝言にも三分の理」の雑談を紹介します。

コメント (2)
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