ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

ジャパンハンドラー - 2 ( マイケル・グリーン氏 ) 

2023-08-08 17:44:27 | 徒然の記

 本日も、ジャパンハンドラーの情報を紹介します。

 〈 2.   マイケル・グリーン氏 〉
 
   ・ビル・クリントン政権で、日本の安全保障政策を知る若手研究者として活躍
   ・東アジア担当分析官や、国際安全保障担当国防次官補のブレーンとして活動
   ・「日米安全保障再定義」「日米新ガイドライン策定」など、日米同盟強化の動きを支えた。
 
   ・冷戦終結後から、一貫して日米の安全保障関係強化を提唱
   ・知日派として知られる、リチャード・アーミテージらがまとめた「アーミテージ=ナイ・レポート」(第1次2000年、第2次2007年、第3次2015年、第4次2018年)にも執筆者として参加
 
   ・ジョージ・W・ブッシュ政権では、アメリカ国家安全保障会議 ( NSC  ) スタッフとして、朝鮮担当部長、アジア上級部長
   ・アーミテージ国務副長官、ジェイムズ・ケリー東アジア・太平洋担当国務次官補とならぶ「知日派(ジャパン・ハンドラーズ)」と称された。

   ・日本の政治家では安倍晋三と懇意で、ジョージ・W・ブッシュ政権時代は安倍と頻繁に連絡を取り、日米両政府のパイプ役を務めた

 ジャパンハンドラーに関し「知日派」と言うのは、「親日派」の意味ではありません。彼らは日本の政界、官界、経済界等の事情を知り、それぞれの場所に友人知人を作り、アメリカの政策遂行のため行動する政府官僚です。靖国参拝についてアーミテージ氏が、最初は日本の自主性を尊重する意見を述べていたのに、突然安倍総理の参拝に反対行動を取ったことなどがその好例です。

 グリーン氏についても同じで、氏は「知日」ですが「親日」ではありません。以下の解説が証明しています。

   ・歴史認識問題をめぐっては、日本に穏健な対応を望む立場である。慰安婦問題に関する日本の保守派政治家の対応に、米議会で批判的な立場をとった。

   ・安倍総理が実現を目指している諸政策(河野談話の見直し、首相の靖国神社参拝、尖閣諸島への公務員常駐施設の設置)についても、日米関係など日本の対外関係に悪影響を及ぼしかねないと反対している

 説明を読みますと、自分のこれまでの考えが間違っていたことを知らされます。安倍総理の諸政策に反対しているのは、中国・韓国・北朝鮮と国内の反日・左翼勢力で、アメリカは傍観しているのだと思っていました。ところが、ジャパンハンドラーのグリーン氏が、積極的に反対していました。これでは安倍総理も、動けなくなるはずです。

 何故このような事実がマスコミで報道されず、ネットで公開されているのか、不思議な日本ですが、グリーン氏に関する説明がまだ続きます。

   ・河野談話の見直しは、日韓関係や北東アジアにおけるアメリカの戦略的立場を悪化させ、近隣諸国間の分断を図る中国を利することにつながるとして、懸念を表明している

   ・尖閣諸島への公務員常駐は、日本が連携するべきアメリカや周辺国(フィリピンやオーストラリアなど)との関係を複雑にするとして、しない方が良いとの立場を取る

   ・日韓関係では、日本がすべてを反省し、国会で全員一致で声明を発表するのが一つの方法と述べている。

  これが米国政府の意思だと伝われば、自由民主党議員の手足を縛るだけでなく、共産党を中心とする反日左翼勢力を勢いづかせます。NHK、共同通信社朝日新聞など反日左翼のマスコミが、韓国寄りの報道を全国発信する訳です。

   ・また日韓が争えばアジアでの米国の利益が打撃を受けるため、ワシントンでは、日韓両国に圧力を加える方法について話し合が行われていると述べている

 驚きました。岸田首相になって以来、日韓関係の改善が急速に図られている背後には、米国の圧力があったと言うことになります。岸田総理も尹錫悦 ( ユン・ソンニョル ) 大統領も、アメリカの台本に沿って動いているだけだったのでしょうか。

 「中国、ロシア、北朝鮮が核弾頭を増やし、日本向けに設置していると言うのに、日本では、自由民主党の政治家も外務省も、防衛省も自衛隊の幹部も、何も考えていません。」

 「アメリカの核が日本を守ってくれると信じて、防衛政策も核保有の議論もしませんし、する気もありません。ね、おバカさんと言うしかありませんでしょ。」

 ジャパンハンドラーの存在を教えたのは伊藤氏ですから、彼らの動きを知らないはずがないのに、彼は日本の指導者たちを侮蔑します。しかし私は今偶然、ネットで防衛省が公表している次の資料を発見しました。

 『海幹校戦略研究』 (  平成29年  ) ・・(  注 :  海上自衛隊幹部学校 )

 この中に、何故アメリカが急に外交戦略を変更したのかについての分析があります。防衛省と自衛隊は何もしていないのでなく、情報収集と分析・研究を怠っていないということになります。国民が知らないのは、アメリカ政府の「情報統制」とアメリカに協力する日本のマスコミの「報道しない自由」のせいです。ジャパンハンドラーたちが、急に韓国、中国寄りの姿勢に変わった理由が分析されています。

 ほんの一部ですが、紹介します。

 「アメリカのオバマ大統領は 2011 年 11 月、オーストラリア議会において アメリカの外交・安全保障政策の新たな方針〈リバランス〉を発表した。」

 「 アジア太平洋地域へのリバランスとは、中東地域からの米軍兵力の削減 ( イラク戦争の終結、アフガニスタンからの米軍撤退の開始 ) に伴い、アメリカ の戦略的重点をアジア太平洋地域に転換するというものである。」

 「これは同時に、過去10年間にわたって中東地域に投入されてきた外交的・軍事的資源が解放され、新たな方向を模索しつつあることを意味している。」

 「イラク、アフガニスタンからの撤退に伴い、アジア太平洋地域へのリバ ランスという新たな戦略目標が設定された。」

 「クリントン国務長官の認識は、次の通りである。

   1.  アジア太平洋地域は、世界政治の重要な原動力(driver)で ある。

   2.  同地域はインド洋地域まで含めると、世界経済における多くの主要国と世界人口のほぼ半分を擁する規模となる。

   3.  このようなアジア地域の成長とダイナミズムを利用することは、アメリカの経済的・戦略的利益の中核をなす。 」

 伊藤氏は日本を蔑視しているからアメリカの本ばかり読み、防衛省の公開資料を読んでいません。氏の偏見に満ちたチャンネル桜の動画を、真面目に見てはいけないと言うこともついでに分かりました。

  次回は、〈3.   ジョセフ・ナイ氏〉の情報を紹介します。

コメント (2)
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