ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

ジャパンハンドラー - 4 (  カート・キャンベル氏 )

2023-08-09 13:57:11 | 徒然の記

 今回も、ジャパンハンドラーの情報を紹介します。

 〈 4.   カート・キャンベル氏 〉
 
   ・クリントン政権で、
     アジア・太平洋担当国防次官補、    国家安全保障会議事務局長

     北米自由貿易協定大統領特別顧問代理  財務省ホワイトハウス特別研究員を歴任

    ・その貢献により、国防総省から「公共サービス殊勲賞」と「優秀公共サービス賞」を受賞

   ・アスペン戦略グループ・理事   学術誌『ワシントン・クォータリー』編集委員長

   ・戦略国際問題研究所・・上級副所長  国際安全保障プログラム部長 国際安全保障政策理事長 

 「公共サービス殊勲賞」、「ワシントン・クォータリー」、「アスペン戦略グループ」と聞きなれない言葉が並びますが、ネットで調べますと安全保障関係の専門家たちの間ではよく知られているようです。キャンベル氏自身も書斎の学者で無く、活動する国際政治学者でした。

   ・2007 ( 平成19 ) 年、キャンベルは国家安全保障問題を専門とするシンクタンク「新アメリカ安全保障センター」を設立し、最高経営責任者に就任

   ・また同時期、アジア地域での企業戦略について助言を行う「ストラットアジア社」も設立し、社長を務めた

   ・2009 ( 平成21 ) 年、オバマ政権で東アジア担当・太平洋担当次官補に就任

   ・2010 ( 平成22 ) 年2月、韓国の金星煥外交通商相と会談。日本の政治について意見交換し、自民党と米国民主党は全然違うという内容に触れ、民主党と米韓との間の連携を強化していく方針を確認 

   ・異例にもこの時キャンベルは、鳩山首相の頭越しに、菅直人財務大臣、岡田克也外務大臣と接触を図ることの重要性を金氏と確認していた

   ・この異例の外交方針がさまざまな憶測を呼び、2013 ( 平成25 ) 年2月に国務次官補を退任

   ・2019 ( 令和元年 ) 年6月、LIXIL ( リクシル ) グループ・取締役就任  

                   注 1 :  LIXILグループとは、株式会社LIXILを中核とする日本の企業グループ

          注 2 :  主要業務は、 住宅用建材・設備機器の製造・販売

 何を求めてそうするのか、日本企業の役員にまで就任しています。こうなりますとジャパンハンドラーは、得体の知れない諜報活動家にも見えてきます。名前が明らかになっていませんが、米国の利益のために働く学者の中には日本人も含まれています。もしかするとネット界で悪評の高いあの竹中〇〇氏は、こういう仲間の一人かもしれません。

 さらにもしかすると、伊藤貫氏も疑えるような気がしてきます。彼もジャパンハンドラーたちのように、日本に厳しく、中国・韓国・北朝鮮に傾いています。自由民主党の議員を罵倒しても、殊更強調していませんが、共産党やその他野党の議員には言及しません。保守系と言われる読売、産経、日経を酷評しても、NHK、朝日新聞、共同通信社については悪口を言いません。

 そうでないことを願いながら、キャンベル氏の最後の情報を紹介します。

   ・2021 ( 令和3 ) 年1月、バイデン政権で、アメリカ国家安全保障会議インド太平洋調査官兼大統領副補佐官就任

 以上で、伊藤氏が喋ったジャパンハンドラー4氏の紹介を終わります。予定していなかったブログでしたが、事実を知った衝撃の大きさを持て余しそうです。たった4人のジャパンハンドラーの話ですが、名前が知られていない彼らは他に一体何人いるのでしょう。

 ネットの情報を検索する日が続いている中で、何の偶然か興味深い新聞記事を発見しました。8月3日の静岡新聞に掲載されていた、共同通信社の配信記事です。千葉日報にもあるのかとわが家の新聞を確認しましたが、配信されていませんでした。反日新聞の同社は、扇動記事を一斉配信していると思っていましたが、どうもそうではないようです。

 コメント無しに紹介し、どういう解釈をするのかは「ねこ庭」を訪問される方々にお任せいたします。

〈 2023.8.5  静岡新聞 〉

 米国で対日政策に関与する知日派をジャパンハンドと呼ぶ。政府や議会、財界、学界に広く散らばる。太平洋戦争で勝者と敗者の立場に分かれ、その後一貫して日本の政策は米国の強い影響下に置かれてきた。

 戦後78年の今、専門家は自らの現在地をどう見るのか。日米関係が成熟し、一部の知日派だけで対日政策を切り回す時代は終わったとの声もあった。地球規模の課題が増え、2国間だけでは解決できない問題も多い。日米関係の将来のありようは、長期的に中国が変数になる。(共同通信ワシントン支局長 堀越豊裕)

 大きくまわり道をしましたが、次回から伊藤貫氏の動画へ戻ります。

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談  第4回 」 ・・「アメリカ人も呆れた、属国主義で核武装議論から逃げてきた日本の保守政治家達

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ジャパンハンドラー - 3 ( ジョセフ・ナイ氏 )

2023-08-09 12:04:42 | 徒然の記

  本日も、ジャパンハンドラーの情報を紹介します。

 〈 3.   ジョセフ・ナイ氏 〉
 
   ・アメリカの国際政治学者  ハーバード大学特別功労教授
   ・民主党政権で政府高官を務め、ジャパンハンドラーとして知られる
   ・カーター政権で国務副次官、クリントン政権で国家情報会議議長、国防次官補

   ・1995 ( 平成7 ) 年、国防次官補として「東アジア戦略報告」( 通称  「ナイ・イニシアティブ」 ) を作成し、東アジアに10万の在外米軍を維持する、冷戦後の極東安保構想を提示

   ・1997 ( 平成9 ) 年の日米防衛協力の指針となり、日米同盟の再定義につながった。

   ・日米経済関係で緊張しがちだったクリントン政権が、東アジアへの関与を強め、対日関係を重視していく重要な契機となった。

 共和党に比較すると、もともと日本に強行姿勢を取る民主党ですから、対日関係を重視すると言っても親日的姿勢を取ると言う意味で無く、逆に攻勢を強くすると言う意味です。これを裏付ける資料として、ネットに「内閣ホームページ」の資料がありました。古城佳子氏がまとめた論文で74ページありますが、「要旨」部分の数行を紹介します。

 「米国の双子の赤字が拡大するにつれ、米国政府の日本への要求は、内需拡大から市場開放、規制緩和、市場の構造改革へと変化した。クリントン政権時が、最も外圧の強い時期だった。」

 当時の総理は橋本龍太郎氏で、来日したクリントン大統領の対応に苦慮していたニュースを思い出します。いわばこれも、ナイ氏の意見が採用された結果だったわけです。ウィキペディアの説明は、まだ続きます。

   ・2008 ( 平成20 ) 年、東京都内で民主党幹部と会談し、次のように述べた。

     「民主党がインド洋での給油活動を止め、日米地位協定などの見直しに動いたら、反米と受け止める。」

 平成20年は自由民主党が政権を失い、民主党の鳩山政権ができた時ですが、ここでもナイ氏が動いていました。噂としては聞いていましたが、駐日大使に、ジャパンハンドラーが候補になる可能性があることを次の説明が教えてくれます。

   ・オバマ政権の駐日大使の有力候補としてたびたび報じられたが、大統領と側近は弁護士ジョン・ルイスを起用し、ナイは選考から外れた。

   ・2012 ( 平成24 ) 年、アーミテージとの共同執筆で、日米同盟に関する報告書を発表

   ・読売新聞によると、報告書の内容は次のようになっている。

     「アジアでの諸問題への対処には、日米関係の強化と対等化が必要」

     「日米の防衛協力の強化、集団的自衛権の行使と、自衛隊海外派遣の推進、PKO参加拡大が必要」

     「日米韓の連携強化のため、日本は従軍慰安婦問題など韓国との歴史認識問題を直視する必要あり」

     「日本のTPP参加は、米国の戦略的に重要な目標との位置付けにある。」

     「野田内閣による、大飯原子力発電所の再稼働決定を評価し、原子力発電所の安全性向上のため、日米両国が協力していくことが必要。」

 ナイ氏にどこまでの影響力があったのか不明ですが、少なくとも鳩山、菅、野田の民主党内閣への関与があったことが分かります。氏はグリーン氏と同様に、韓国との「慰安婦問題」については日本側の譲歩を求め、中国に対しても対立で無く、融和することを要求しています。

 2007年に共同執筆した「第二次アーミテージ・レポート」では、東アジア地域の中で台頭する中国を、穏健な形で秩序の中に取り込む誘引策を取ることを提言しています。こうなると野田内閣から安倍内閣へ変わった背景にも、やはりハンドラーたちの力が働いていたのかと思わされます。

 野田氏が尖閣諸島の国有化を実行し、胡錦濤主席を怒らせ日中対立を深めたからですが、このような憶測をしたくなるほど、ジャパンハンドラーたちの意見は米国政府を動かしています。

   ・2014 ( 平成26 ) 年、沖縄の普天間飛行場の辺野古移設は、長期的解決にならないと述べた。理由は、中国のミサイルの性能が向上したのに、日本の米軍基地の7割が沖縄に集中していることが、脆弱性となるからである。

 何時だったか忘れましたが、チャンネル桜の討論番組に、米国の日本担当部長だった人物が登場し、次のように述べていました。

 「我々がせっかく検討し進めてきた辺野古移転計画を、あと一歩というところでひっくり返したのが、鳩山総理だった。」

 この意見を合わせて考えますと、ジャパンハンドラーと言われる人々も一枚岩で無く、様々な意見のあることが伺われます。彼らは専門家として自分の意見を述べ、その中から時の政権が気に入ったものを採用していると、こう考えると良いのでしょうか。

 次回は最後の一人である、〈 4.   カート・キャンベル氏 〉を紹介します。

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