ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫の真剣な雑談 - 58 ( 3つのトロイの木馬 )

2023-08-25 17:38:21 | 徒然の記

   8. 「伊藤貫の真剣な雑談  第8回 」 ・・日本を滅ぼす3つの巨大な嘘 ( R4/8/6 ) 

 我妻栄氏の講義録の続きです。氏の話は事情を知る者にとっては、どれも示唆に富んだ貴重な証言になります。

  ・今一つ申し上げたいのは、「憲法改正要綱 」が発表された時の、多くの委員の驚きと喜びである。ここまで改正が企てられようとは、実のところ、多くの委員は夢にも思っていなかった。

  ・それは委員が漠然と予想していた成果を、大きく上回っていた。ここまでの改正ができるのなら、われわれはこれを支持することを根本の立場として、必要な修正を加えることに全力を傾けるべきだ、となった。

 南原総長が集めた教授の多くは、自由主義や社会主義を信じる者たちで、これまで保守の教授たちに批判・攻撃され、押さえつけられていました。「憲法改正要綱 」はマッカーサーの「お墨付き」であり、彼らを解放したのです。この瞬間から、学内というより、広く学界での勢力争いに大勝したのですから、彼らの驚きと喜びが分かります。

 ・当時極秘にされていたその出所について、委員は大体のことを知っていた。

 貴重な証言というのは、この部分です。極秘文書であるべき「憲法改正要綱 」が、なぜこんなにも早く彼らの手に渡ったのか。「日本人のクズ」、「まな板の上のクズ」が省略して語らなかった事実を、我妻氏が示唆しています。

 資料を探せば今は誰でも手に入れることができますが、南原総長に憲法研究委員会を作らせ、憲法の第一人者である宮沢教授を指名して参加させたのは、ホイットニー准将でした。当時宮沢氏は、政府が作った憲法改正委員会の中心メンバーとして、松本博士のもとで働いていました。

 マッカーサーの片腕として辣腕を振るっていた准将は、伊藤氏のいう強大な権力を持つジャパンハンドラーでした。「まな板のクズ」である彼が、30年前にインタビューしたというケーディス大佐や陸軍士官は、取るに足りない小者です。横道にそれますが息子たちのため、ウィキペディアその他の資料から得た准将に関する情報を紹介します。

  ・准将の管轄する民政局は、占領目的である軍閥、財閥の解体、軍国主義集団の解散、軍国主義思想の破壊を遂行し、日本民主化の中心的役割を担った。

  ・彼は社会党の片山哲、民主党の芦田均ら革新・進歩主義政党の政権を支え、保守 ( 復古主義 ) の吉田茂らを嫌っていた。 

  ・准将は最初から天皇へ敵意を持ち、陛下に関する不利な情報を、マッカーサー元帥に伝え続けた幕僚だった。

  ・現在日本人を苦しめてやまない「日本国憲法」を押し付け、「認めなければ、天皇が処刑される。」と脅迫した張本人である。当時民政局は、マルキストたちの集団と言われていたが、マッカーサー元帥は彼を重用していた。

 このような戦後日本の状況を省略し「日本人のクズ」は、動画で楽しそうに、前回まで次のようなウソを喋っていました。准将の動きが視聴者に知られると、その瞬間から彼の大ウソがお天道様の光に晒されます。

  ・しかし自民党は、この憲法が最初から無効であったことを言わない。なぜかというと、自民党自身がこの憲法を作ることに加担していたからだ。

  ・自民党の政治家はお馬鹿さんだから、素人集団が7~8日間で作った連合軍憲法を喜んで受け容れた。

  ・自民党の政治家はみんな卑怯で、臆病で、無責任だ。

 こんな見すいた嘘をチャンネル桜の動画を使って言うのかと、笑ってしまいます。「バカにつける薬はない」という、昔からの言葉が光を放ち、〈コメント3.〉を入れた人物の気持ちが更によく分かります。

        「3つの巨大なウソがあるなら、それから脱却する方法論を語れよ! コイツが言ってることは、日本の現状に対する不平不満だけ! 只の不平不満だけ!  その現状を踏まえて日本がより良くなるような答えを出せ! 答えを出せ! 答えを出せ! ガキじゃねぇんだから答えを出せ! ガキじゃねぇんだから答えを出せ」

 荒っぽく汚い言葉ですが、「日本人のクズ」 の嘘を知ったら、この人物はどんなの悪態をつくのでしょうか。

 我妻氏の講義録には、まだ続きがあります。

  ・しかも、これを〈 押しつけられた不本意なもの 〉と考えた者は一人もいなかった。

  ・後に委員のうちの相当の数が、貴族院議員や法令制定を任務とする委員会の委員となったので、その際には、憲法研究委員会で得た知識を活用した。

 東大の左翼教授たちが政府委員として、あるいは国会議員として、発言力を増し、世間で重要視されるようになった様子が語られています。左翼教授たちの地位の向上は、東大だけにとどまらず、関西、近畿、中部、中国、四国、九州、北海道と広がり、准将と阿吽の呼吸で通じた流れを汲む彼らが、現在でも「憲法改正反対」勢力の先頭に立っています。

 暫定的な憲法研究委員会がなくなった後の、恒久的組織として作られたのが、1946 (  昭和21 ) 年8月に南原氏が作った「東大社会科学研究所」でした。初代所長が後の東大総長矢内原忠雄氏ですから権威のある組織で、連合軍憲法の守護者となる反日教授を育てています。悪名高い「日本学術会議」を支えているのも、この研究所から巣立った学者たちです。

 東大卒の博学な「まな板の上のクズ」が事情を知らないはずはありませんが、動画でこの話をすると、自分の嘘がバレますので口が裂けても言えないのでしょう。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に補足説明しますと、南原氏が作った「東大社会科学研究所」の設立にも、ホイットニー准将が関与しています。今はもう面倒になり書くのを止めましたが、准将らが日本に残した反日憲法と組織を、私は「3つのトロイの木馬」と呼んでいました。

   1.  「日本国憲法」 ( 日本人を二度と立ち上がれないようにする自虐史観憲法 )

   2.   東大社会科学研究所・日本学術会議  (  占領軍憲法護持と反日左翼勢力の中心となる学者組織 ) 

   3.    NHK、朝日新聞、共同通信社等大手マスコミ ( 占領軍憲法と反日左翼思想の宣伝機関 )  

 自称保守の彼が、本当に日本の将来を心配しているのなら、動画でこの3つを喋るべきなのですが、臆病で卑怯者の彼はそれをしません。

 「変節した学者」のブログでも書きましたが、「日本人のクズ」である彼の嘘を教える参考資料として、宮沢氏に関する話を紹介します。

 「宮沢氏は敗戦後、松本烝治憲法大臣と美濃部教授の助手として、帝国憲法改正作業に従事していた。その時彼は外務省に対し憲法草案について、新憲法は必要なしとアドバイスしていた。」

 「しかし占領軍が松本大臣を嫌っていることを知ると、氏は彼らを裏切った。」「ここで占領軍に取り入れば自分は神のごとき権威になれると判断した。なぜならGHQは権力を振りかざすことはできても、細かな国際法や憲法学の議論ができなかったからだ。」

 「占領国による被占領国の憲法改正が、国際法違反であるということをGHQも認識していた。本来は無効である日本国憲法の正当化理論を、宮沢氏がひねり出した。」

 「その詭弁が、〈8月革命説 〉だ。つまり昭和20年8月15日に、日本では革命が起きていた。  日本は天皇主権の君主国から、まったく別の国民主権の共和国になった。すなわち昭和天皇が、共和国の初代天皇になる。」

 〈8月革命説 〉はほとんど日本人に知られていませんが、この事実がまんざら嘘でないと言うネットの情報が複数あります。興味のある方は、自分で検索されれば良いと思います。

  ・自民党は、この憲法が最初から無効であったことを言わない。なぜかというと、自民党自身がこの憲法を作ることに加担していたからだ。

 以上伊藤氏の雑談の嘘を証明しましたので、「伊藤貫の真剣な雑談  第8回 」を終わります。彼が言う「日本を滅ぼす3つの巨大な嘘」の内、「連合軍憲法」への反証だけになりましたが、残り2つはこれまで意見の繰り返しなので紹介する価値がありません。彼は本日をもって、正式に「日本人のクズ」から「まな板のクズ」となったのではないでしょうか。

   8. 「伊藤貫の真剣な雑談  第8回 」 ・・日本を滅ぼす3つの巨大な嘘 ( R4/8/6 ) 

   9. 「伊藤貫の真剣な雑談  第9回 」 ・・プラトン哲学と国家の独立 ( R4/10/8 ) 

 10. 「伊藤貫の真剣な雑談  第10回 」 ・・伊藤貫X水島総特別対談 ( R4/11/12 ) 

 予定に従い、次回は「伊藤貫の真剣な雑談  第9回 」の紹介となります。

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伊藤貫の真剣な雑談 - 57 ( 我妻栄氏の講演録 )

2023-08-25 05:20:27 | 徒然の記

   8. 「伊藤貫の真剣な雑談  第8回 」 ・・日本を滅ぼす3つの巨大な嘘 ( R4/8/6 ) 

  「当初から無効だった連合軍憲法が無効であることを国民に言わず、戦後77年間巨大な嘘をついた自民党政権は、吉田茂以来いまだに隠し続けている。」

  「中国、ロシア、北朝鮮が日本を狙った核弾頭を何千発、何百発と持っていても、何もできない日本にしたのは、自由民主党の政治家だ。吉田、岸、佐藤内閣だけでなく、中曽根も、竹下も、小泉、安倍内閣も、岸田もそうだ。」

  「彼らは皆臆病で、卑怯で、無責任な政治家だ。なんの国防政策も、軍事政策も立てる能力のないお馬鹿さんたちだ。こんな自民党の政治家に任せているから、日本が滅びてしまう。」

 「日本人のクズ」である彼が、動画で喋っています。相変わらず嬉しそうに、楽しくてならないふうに。だから「祭りの薬売り」の小賢しい嘘は、徹底的に反証されなければなりません。言われるまでもなく、自民党の政治に多くの国民は満足していませんが、「日本人のクズ」に酷評させる気もありません。

 私のほかに、彼の雑談 ( 寝言 ) に我慢のならなくなった視聴者がいることを、次コメントが示しています。

〈 コメント4. 〉
 
  冷静な核武装論が出来ない日本人は多いが、取り敢えず現時点での代表は、岸田文雄だ。
 
〈 コメント5. 〉
 
  一言で言えばそれを打破しようとしてたのが、安部さんの言ってた戦後レジームからの脱却、日本を取り戻す、と言うことですね。
 

 「彼はなぜ、超大物のジャパンハンドラーだったホイットニー准将に関する説明を省略するのか ? 」

 今回の目的は、これを息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に説明し、「まな板の上のクズ」の大きな捏造を明らかにすることです。饒舌な雑学で視聴者を惑わせますが、彼の捏造のパターンを見つければ難しいことではありません。「ミンスク合意」の説明で、肝心のゼレンスキー大統領を省略し、ウクライナ戦争の原因を米国のネオコンと、ウクライナ極右勢力のせいにした時と同じやり方を今回もしています。

 ゼレンスキー大統領をウクライナ戦争の原因に加えると、雑談が根底から崩れるため省略しました。今回も同じで、「占領軍憲法の大嘘」が、ホイットニー准将を加えると根底から崩れます。お人好しの日本人視聴者を丸め込むには、話の単純化が好都合なのです。「戦後77年間現憲法の大嘘」に日本人が騙されてきた原因を、ずる賢く嘘つきのケーディス大佐と自民党の歴代政権に押しつけておけば、彼の2つの目的が叶います。

  1.  民主党を支配している一極覇権主義のグローバリストユダヤ人勢力への批判・攻撃 

     2. アメリカが危険視し、嫌っている日本人への批判・攻撃

 「まな板の上のクズ」である彼にとってこの2つが、「雑談」の目的であることは一連の動画で明らかになっています。執拗な彼を真似私も繰り返しますが、「祭りの薬売り」の小賢しい嘘は、徹底的に反証されなければなりません。従って今回はいつもと違い、参考にした書籍とネットの情報を先に紹介します。

  ・憲法問題研究会編『憲法と私たち』( 昭和38年刊 岩波書店 )

  ・塩田潮氏著『 (宰相 幣原喜重郎) 最後のご奉公』( 平成4年刊  文芸春秋社 )

  ・レイモンド・モズレー氏著『天皇ヒロヒト』( 昭和41年刊 毎日新聞社) 
 
     ・マッカーサー著『マッカーサー回想記』( 昭和39年刊 朝日新聞社)  上下二巻
 
     ・吉田茂著『日本を決定した百年』( 昭和12年刊 日本経済新聞社)  

  ・NHKドキュメント『昭和天皇拝謁記』 ( 令和元年8月 ) 国家公務員法違反・田島道治メモを基に制作

  ・「若槻泰雄氏のブログ」 元東大教授、元玉川大教授、評論家 

 「学びの庭」である「ねこ庭」で、ボウフラ君に嫌味を言われながら、「温故知新」の読書をしてきたのは、「日本人のクズ」、「まな板の上のクズ」の嘘を反証するためだったかと、そんな気にさせられます。

  ・草案作成に参加したアメリカ人は25人いたが、法律の勉強をした経験者は4人しかいなかった。あとの21人は法律に関して全くの素人だった。しかも憲法学を学んでいる者は、一人もいなかった。

  ・25人のアマチュア集団が、たった7~8日間でこの連合軍憲法をでっち上げた。

 前回彼は、占領軍憲法の作成経緯をこのように語りました。アメリカの素人集団が作った稚拙な憲法案を、お馬鹿さんの自民党の政治家が喜んで受け入れたという捏造です。ここで私は昭和38年に岩波書店が出した『憲法と私たち』の中から、我妻栄氏の講義録を紹介します。

  ・終戦の翌年 ( 昭和21年 )に、当時の帝国大学総長南原繁は、学内に 憲法研究委員会を設けた。

  ・敗戦日本の再建のために、大日本帝國憲法を改正しなければならないことは、当時一般に信じられていただけでなく、政府はすでに改正事業に着手していた。

 我妻氏の講義録を読むと、敗戦の翌年に政府が憲法改正の検討を開始していたという事実が分かります。放心してぼんやりと、GHQの提案を待っていたのではなかったということです。憲法が国にとってどれだけ大事なものかが、伺い知れます。

  ・多数のすぐれた学者を持つ東京帝国大学としても、これについて貢献する責務があると考えられたからであろう。発案者は南原総長であったが、学内にそうした気運がみなぎっていたことも、確かであった。

 委員の一覧表が挿入されていますので、貴重なデータとして紹介します。

 委 員 長   宮沢俊義 ( 法学部 )

 特別委員 高木八尺 ( 政治学 )  杉村章三郎 ( 行政法 )     岡 義武 ( 政治学 )  

         末弘厳太郎 ( 労働法 )      和辻哲郎 ( 文学部 )       舞出長五郎 ( 経済学部 )

 委  員 我妻 栄 ( 民法 )     横田喜三郎 ( 国際法 )      神川彦松( 国際政治学 )  

         尾高朝雄( 法哲学 )   田中二郎 ( 行政法 )       刑部 荘 ( 比較法? )           

                 戸田貞三 ( 家族社会学 ) 

      板沢武雄 ( 歴史学 )     大内兵衛 ( 経済学 )      矢内原忠男 ( 経済学 )

      大河内一男 ( 経済学 )     丸山真男 ( 法学部 )         金子武蔵 ( 哲学 )  

  委員長に任命されている宮沢氏は、今もそうですが当時も日本の憲法学の第一人者として著名な学者でした。その他の教授たちも新進気鋭の学者です。共産党親派の教授の名前が多く見られますが、メンバーの全員がそうであるかについては確認していません。

  ・委員会が議論を始めた時、突如として政府の憲法改正要綱が発表された。委員会が発足してから、わずか二十日の後である。そこで委員会は予定を変更し、追って発表された、内閣草案  ( 政府案 )と取り組むこととなった。

 この部分については、補足説明が必要になります。氏のいう「憲法改正要綱・内閣草案  ( 政府案 )」というのが、「日本人のクズ」が語っている「占領軍憲法案」のことでないかと思います。当初憲法研究委員会は「大日本帝国憲法」をもとにして、憲法改正案を検討していたからです。

 連合軍憲法案を最初に書いたのは、アメリカの素人集団だったかもしれませんが、これをまともな憲法案に作り上げたのは、東京大学の一流の専門家たちです。つまり当時の国内には、GHQに協力する法律の専門家たちが既にいたということで、彼の嘘はここでバレます。

 我妻氏の講演録の続きを読むと、「まな板の上のクズ」が語らなかった更に大きな嘘の全体像が見えてきますが、スペースがなくなりましたので続きは次回といたします。

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