ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫の真剣な雑談 - 41 ( ウクライナ戦争の原因 )

2023-08-15 16:57:47 | 徒然の記

  5. 「伊藤貫の真剣な雑談  第5回 」 ・・米露関係破綻の原因は何か ? ( R4/3/31 )

  6. 「伊藤貫の真剣な雑談  第6回 」 ・・伊藤貫X水島特別対談  ( ウクライナ危機の深層 ~ 危険なネオコンの思い上がりと戦後保守の愛国ごっこ  ) ( R4/5/14 )

  7. 「伊藤貫の真剣な雑談  第7回 」 ・・文明の衝突とロシア国家哲学 ( R4/6/25 )

 「米露関係破綻」とは、ロシアのウクライナ侵略の始まりを差しています。冷静で慎重だったプーチン大統領が、なぜ突然ウクライナを攻撃したのか。原因は共和党のブッシュ ( 父 ) 大統領が約束した「NATO不拡大」を、クリントン、オバマ政権が破ったからだと言います。アメリカの横暴を我慢していたプーチン大統領の我慢の限界が切れ、開始したのがウクライナへの軍事行動だったことになります。

 ロシアのウクライナ侵略のきっかけを作ったのはアメリカだったと、この点については私も同じ意見です。動画が作られたのは去年の3月31日ですが、同じ時期に「ねこ庭」でもこの問題を取り上げていました。

 ・令和4年5月 「プーチン氏の演説」 ・・36回シリーズ

 ・令和4年6月 「プーチン氏の核発言」・・   5回シリーズ

 マスコミの報道とネットの情報から、次のように書いていました。

 ・おそらく日本の多くの人が私と同じ目で、緊張しながらこの戦争を見守っているのではないでしょうか。もし違いがあるとすれば、「ロシアが悪で、ウクライナと西側諸国が善である。」という意見に私が賛成していないところだと思います。

 ・ロシアのウクライナ侵略の発端は、ゼレンスキー大統領にあります。NATO加盟を公言するEU親派の氏が大統領になった時から、ロシアとの戦争が始まっています。ウクライナにNATOの基地ができれば、脅威を感じるロシアが黙っていないのは当然です。

 ・ロシアが北方4島を返さない理由の一つが、ここに米軍の基地が作られる可能性があるからです。かってソ連がキューバに軍事施設を作ろうとした時、ケネディー大統領が核戦争も辞さないと決意したように、ウクライナはロシアの脇腹の位置にあります。

 ・政治家としてのゼレンスキー氏の短慮について、なぜ誰も言及しないのか。今でも私はそう思っています。善悪の図式に当てはめたいというのなら、「ゼレンスキー氏も支援する西欧諸国も悪、軍事行動に踏み切ったロシアも結果として悪」になります。

 今でもこのように考えていますから、彼がロシア擁護の説明をしても驚きませんし、反対する気持ちもありません。不必要な日本の政治家への酷評をしなければ、むしろ彼の雑談にうなづいていました。彼は自分の意見の根拠として、次の5人の意見を紹介します。

   1.  ジョージ・ケナン ・・冷戦時代の「ソ連封じ込め政策」の立案者 ロシア問題の専門家

   2.  ヘンリー・キッシンジャー・・ニクソン、フォード政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官、国務長官

   3. サムュエル・ハンチントン・・『文明の衝突』の著者  国際政治学者

   4.  ジャック・マトロック ・・元米国駐露大使

   5.  ジョン・ミヤシャイマー  ・・シカゴ大学教授  国際政治学者

 個別に紹介すると長くなりますので、彼が取りまとめた5人の意見の共通部分を紹介します。

  ・アメリカがウクライナ問題を種として、ロシアと衝突するということは10年以上前から目に見えていた。

  ・最近30年間のアメリカは、ロシアを封じ込め、叩きのめすための政策を進めて来た

  ・これ以上アメリカに押しまくられて、ますます不利な立場に追い込まれるのはたまらないと、ロシアが軍事行動に踏み切った。

  ・ウクライナは、アメリカのロシア政策の道具として利用されているだけである。

 テレビ・新聞の報道とネットの情報だけでも、昨年の「ねこ庭」で「ロシア悪人説」に疑問を抱いていましたので、具体的な彼の話に惹かされました。意外かもしれませんが、気にいらないから人物だからと、何でも反対するということはせず、謙虚に耳を傾けます。水島氏と同じでないかと言う人に対しては、膝を屈して盲従せず、騙されないよう眉に唾して聞いているところが違うと答えます。

 次回は彼が語る具体的な事実を紹介します。90%の事実の間に10%の誇張と捏造が混じる点に警戒を忘れなければ、結構参考になる雑談です。 

コメント (2)
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