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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

2002年アメリカ その17 サイエンス・プログラム

2019年11月04日 | 昔の旅行
2002年アメリカ その17 サイエンス・プログラム
2002 USA trip: Part 17. Science program.

The science program was an activity for students to explain several scientific jobs by each specialists. That included, astronomy, fishery experiments, physics, and museum curator. I helped in a booth, to display bones of a deer to show in correct position on its body.

 2002年3月14日(木)、学校でこどもたちに科学の各分野の専門家の仕事を見る催しに参加している。「古生物学」のブース以外の机も、鉱物を並べるところ、天体写真を並べるところなど、各種の展示を行っている。並べるまもなく、子供たちが親に連れられて入ってくる。

17-1 標本に触るこどもたち。2002.3.14
17-1 Touch zone and children. 2002.3.14

 また、大きなたらいのような容器に氷を入れているところがあり、マリンバイオロジーのコーナーというので、深海魚のような魚類やカニを並べている。かなり寒いところの動物群で、北の海に面しているという実感がわく。

17-2 海洋生物学のブース 2002.3.14
17-2 Booth for marine biology. 2002.3.14

 シカの骨が乱雑に置いてあるところがある。アメリカのシカの骨を見るのは初めてなのでじっくり見ていると、「これが分かるのか?」と問い掛けられる。「雄の骨で鉄砲で撃たれている。」と答えると、「おまえは何者でなぜここに居るんだ?」とか「専門は何か?」といいろいろ聞かれ、最後にこの骨を正しい位置に並べろということになる。これは私には簡単なことなので、順に並べたら、「実は担当者がいなくて困っていたんだ。解説もやってくれ。」と言われる。一応、番をするはずの人はいたので、その人に簡単にレクチャーすることで許していただく。次第に父兄が増えてきて、各机の準備が進む。サンドイッチをカートに乗せて配っている人もいる。ペットのイグアナなんかを持ってくるものもいる。この、会合は一年に1回するもので、大きなイベントであり、全部の学校がやっているわけではないが、この学校は大学の近くにあるせいで、父兄にサイエンティストが多く、部門のバラエティーと参加者が多いらしい。
 古生物学のとなりの鉱物学の若い男性が話しかけてくる。数年前まで熊本にいたという。熊本大学の大学院で岩石学か鉱物学を専攻して数年間いたという。そのわりには日本語はほとんどできない。次第に親子連れが増えてくる。とくにセレモニーがあるわけではなく、ちょっとした放送が入って開始されたらしい。子供たちがあらかじめ作ってきたパラシュートに一個ずつ卵をぶら下げ、脚立の上からおとなが落とす。割れなかった分をもう少し高いところから落とす。こうして最後に残ったのが勝者というわけである。次第に人が減って、お開きとなる。ブルースが標本を片付けて車に乗り込む。またバーク博物館に返しに行くんだそうだ。博物館から再度北上し、途中で少しそれた道に入ってブルースの家に着く。今日は誰もいないのだそうだ。道路に車を停め、階段を上ってドアを開けると大きなレトリバーが出迎える。他に猫が一匹。二階の部屋を借りて荷物を置く。今日の夕食はさっきのサンドイッチだけ。やっぱり日本では夕食がもっとも重い食事だがアメリカでは違うのだろうか。ブルースはやはりかなりのコレクターで、いろんなものが集めてある。洗面台にあるきれいな貝、飾り台に載せた化石やアンチーク、たくさんの本。それについての蘊蓄は少ないが。
 アメリカ最後の夜なので、荷物の整理に時間をかける。明日はバンクーバーに行って一泊、あさって日本に向かう。心配なのは、やはりアメリカで採集した化石である。カナダから出るとき、持っている化石がカナダではなくアメリカ産であることを証明しなければいけないのだろうか。

Key words: Seattle Science-program Fossil シアトル サイエンスプログラム 化石