のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

梨九月色と香りの揃い踏み

2010年09月19日 | 梨の品種
豊水が盛り後半を迎えています。
そろそろ新高が気になるところですが、
いやいや、その前にお忘れじゃありませんかと、
個性の強いナシたちが自己主張しています。

写真で上の黄緑したナシ、「かおり」です。
黄色く熟するとフワッといたフルーティな香りが辺りに漂います。
収穫期直前に自然落下してしまうために
品種として未完成だと品種登録されていないものですから
いつからか「幻の」といわれてきました。
でも最近は「幻の」という形容詞をつけるのもはばかれるような
よく知られたナシになりました。
近在では隣の鎌ヶ谷市のナシ生産者ががんばって売りだしています。

時計周りに、「かおり」の右隣は「新高」。
これから出てくる大きなナシです。
今年のような暑い夏は苦手で、
日焼けや裂果でずいぶんとロスが出ます。
韓国のナシ生産の九割方はこの品種で、
キムチや焼き肉といった食材の一部でこのナシが使われているそうです。
生食用に出荷できない新高が加工原料として利用されるのも
悪い話ではないと思います。

「新高」の下、同じような色をしたナシ、「南水」です。
黒糖のような独特な甘みを持ったナシで、
比較的保存性も良いことから
高級スーパーマーケットなどでも見かけることがあります。
長野県で開発され、当然、長野県が主産地です。

その左隣、ちょっと汚い感じの黄色いナシ、「二十世紀」です。
積極的に栽培しているわけではないのですが、
中間台木に二十世紀を使っている幹から出てきた枝を残していましたら
この実が5,6個育ちました。
試食しましたら、しっかりとした果肉と酸味はまさに「二十世紀」でした。

その左上、「あきづき」です。
現在、業界そろって売り出し中のナシです。
店頭でも見られるようになりましたでしょうか。
赤ナシで形は丸くて扁平、収穫期も近い。
一見、「南水」と見分けがつきませんが、
表皮をむけば「南水」は多少黄色がかっているのに対し、
「あきづき」は白い。
甘みも「南水」は強烈な個性ですが、「あきづき」は上品な甘さ。
お彼岸需要の切り札となるでしょうか。