のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

無理をせずの積み重ねが壁破る

2015年01月30日 | 農のあれこれ
平成25年度の農林水産祭天皇杯を受賞したコメ農家
龍ヶ崎市の横田農場を見学する機会がありました

受賞理由は三つ
一つ目は「効率的な大規模経営」
約100ヘクタールに及ぶ広大な田んぼを
多品種生産やITを活用することで農作業を効率化
田植え機、コンバインそれぞれ一台だけで栽培しているとは!

二つ目は「つくり手の顔が見える直接販売」
生産しているお米の9割をスーパーや飲食店
ホームページなどを通じて直接販売するルートを確立しています
早くからブランディングに取り組み
コンセプトからHP、パッケージまで
一貫したイメージが感じられます

3つ目は「米粉製品づくりや地域貢献活動」
米粉100%スイーツの開発・販売や
農業体験「田んぼの学校」の運営などが評価されたようです
米粉料理講習会ではわが家の母と同窓でした



特筆すべきはやはり一番目の効率的経営でしょう
大規模化する過程でついつい気持ちも大きくなって過剰投資してしまいがちですが
横田さんは無理に農地集積してこなかったそうです
その結果、栽培地が自宅前の2km×3kmの範囲内に収まり
機械の移動も少なく効率的に作業ができているようです

今後さらに周辺水田の利用集積が予想されるため
今年、米乾燥機をそろえたライスセンターを建設したのですが
機械の数は最小限に抑え
将来の再投資の余裕を残したつくりになっていました



一年間、米を直売するための玄米の貯蔵施設はと聞くと
すべて外部の倉庫に委託するので自前のものはない
貯蔵量が減っていけばそれだけ委託料も減額できるといいます
たしかに、もし全量自ら貯蔵したら
満杯なのは収穫期の一時期だけ
あとは空気を納める倉庫が増えていくだけ
空いた倉庫を生かそうとして余計なことを始めてしまうのが落ちです
わが家の経営でも肝に銘じておきたい考え方です

さらにわが家に欠けている点は二つ目のブランディングかもしれません
ナシを栽培し、コメを栽培し、そのうえ加工まで手を広げていて
“すぎの梨園”“すぎのファーム”“かしわかあさん”と名称もいくつも抱えていて
お宅は何屋さん?って聞かれることもあるとかないとか
数年先の世代交代を機にブランドの再構築が
最大の経営課題と再認識する機会となりました

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