信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

裏山に咲く春の花

2016年04月16日 | 山野草

落葉樹の林内には暖かい陽が射しこみ、春の花が楽しめる季節になりました。
野生ランでは春一番に花を咲かせる「シュンラン」(春蘭)です。
今も花を咲かせていますが、画像の撮影日は3月31日です。



林縁を彩り始めたシソ科の「カキドオシ」、濃い紫色の斑紋と白く光る毛が派手目です
茎は長く横に這うことから、垣根を通して隣に入り込む『垣通し』ということのようです。
葉は対生で丸く、長い葉柄や茎など全体に白い毛が目立ちます。


イラクサ科の「カテンソウ」、点の様な小さい花、漢字で書くと『花点草』です。
風媒花ですので、虫たちの気を引く花弁も蜜も必要なく、なんとも目立たない花です。
雄しべの葯はポッと弾けて白い花粉を飛ばすとか、その瞬間を見れたらと願っています。


神社に続く石段にキク科の「センボンヤリ」が、白や紫の花を開き始めました。
花は春型と秋型があり、春型は縁の1列に舌状花をつけ、中央に筒状花をつけます。
秋型は茎の長い閉鎖花をつけますので、いかにも名の『千本槍』の様相をみせます。


春にはお馴染みのスミレ、「タチツボスミレ」です。
特徴は、茎が伸び、葉は卵形、側弁は無毛、托葉がくしの歯状で見分けは容易です。


早春に咲くスミレで、タチツボスミレの次ぐらいに花を開かせる「ヒナスミレ」です。
特徴は、茎が伸びず、葉は披針形、側弁に毛があり、柱頭はカマキリの頭形です。


眩しいような鮮やかな黄色い花、遠目からもキンポウゲ科だと分かります。
がっしりした株なので「キツネノボタン」か「ケキツネノポタン」と思ったのですが。
1回3出の複葉が見られず、花弁が碗状に開いているので「ウマノアシガタ」でしょうか。


マッチ棒の頭ほどの白い小さな花をつつましく開く、ユリ科ネギ属の「ヒメニラ」です。
『姫韮』の名前のとおり、ニラのような臭いを春の林内に放ちます。


比較的明るい林に咲くユリ科で、キバナノアマナ属の「キバナノアマナ」です。
甘菜とつく植物、その昔には食用となったのでしょうが、今は多くが保護されています。


フクジュソウの根と連がっていたことから「レンプクソウ」、漢字で『連福草』いい名です。
淡黄緑色で目立たない5個の花を、サイコロのような立方形に咲かせる、珍しい花です。


セリ科でヤブニンジン属の多年草「ヤブニンジン」の開花が始まりました。
似たセントウソウの方が早咲きなのですが、この株はどうしたことか、急いでいます。
ヤブニンジンは果実がこん棒状で有毛、セントウソウの果実は紡錘型で無毛です。


早春の明るい林内に咲く、高さ1~2mの落葉低木「ハヤザキヒョウタンボク」です。
ヒョウタンボクの仲間では最も早咲きで、この画像の撮影は4月1日です。


同じくヒョウタンボクの仲間「アラゲヒョウタンボク」と「ミヤマウグイスカグラ」です。
ミヤマウグイスカグラは『ぐみ』とよばれる甘い実を結び、昔は子供たちのおやつでした。
仲間のヒョウタンボクの実は多くが有毒、実の形で食毒の見分けをしていました。


白に近い淡い紅色の花をさりげなく開く、サクラの仲間の「チョウジザクラ」です。
花を横から見ると丁字や丁子(クローブ)のように見えることから『丁字桜』だそうです。


木五倍子と書いて「キブシ」、実を染料の五倍子(ふし)の代用に使ったことによるとか。
10cmほどの花茎に多くの鐘形の花をつけ、雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びます。
別名をキフジと呼びますが、和装の髪飾りを連想し、春の出会いが楽しみな花です。


コメント
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