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信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

冬芽・葉痕さがし

2016年02月13日 | 樹木

散歩をしながら木々の枝先を覗き、表情豊かな冬芽や葉痕との出会も冬の楽しみです。
冬芽は寒さや乾燥から芽を守るため、防寒対策に様々な工夫を凝らしています。
画像は冬芽ではお馴染みの、何枚ものうろこ状の皮(芽鱗)で覆われている鱗芽です。
カスミザクラは、無毛できれいなつやがあり、まんがに描かれるような冬芽の姿です。
ソメイヨシは鱗芽が白毛で覆われ特徴的、冬芽での樹種の見分けが容易な種類です。


銀色に輝く毛皮のコートを羽織るのはモクレンの仲間、防寒対策は万全な冬芽です。
3種の冬芽の見分けは、ハクモクレンでは毛が先端方向に向かって行儀よく寝ています。
コブシは毛がフサフサと立ち、シデコブシは小振りで一年枝に白毛が密生します。


冬の日を浴びて光る大きな冬芽はトチノキ、粘着性の樹脂に覆われています。
この粘液の役目は、寒さや乾燥、虫対策が考えられているようですが、本樹の真意は?
葉が落ちたあとの葉痕(ようこん)は特徴的、大きなハートの中にボツボツが見えます。
このボツボツは維管束痕で、樹が水(導管)や養分(師管)を運んでいた管の跡です。


葉柄の付け根が袋状になって芽を覆う葉柄内芽という方法も防寒対策の一つだそうです。
画像は葉柄が落下した後の状態で、O型やU型の葉痕に囲まれた冬芽が現れています。
葉柄内芽を持つ樹には、画像の他にウリノキ、キハダ、ハクウンボクなどがあります。


ネムノキの冬芽は、葉痕の中に隠れている隠芽タイプで、芽吹きの遅いお寝坊さんです。
葉痕の上の丸い芽は副芽で、主芽が育たなかった時の予備の芽になるようです。
ダークの樹皮上に人面相を模す葉痕、異様な雰囲気を放ち、かなり不気味です。



これまでの5題は全て鱗芽でしたが、アジサイの冬芽は裸芽(らが)になります。
冬芽の冠に王子様顔の葉痕、葉が対生することから背中合わせに2つの顔を持ちます。
左から、王子の顔アップ・上半身・全身裸像と、やや趣味悪のいたずらイメージ画像です。
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奇妙な松ぼっくり

2016年02月06日 | 樹木

臼窪湿原を左手に見る烏帽子岳登山道の入口には、針葉樹の人工林があります。


何回となく通る道ですが、始めて松ぼっくりの存在に気がつきました。
幹や葉はトウヒの仲間のようですが、松ぼっくりが横向きにつくなど様子が違います。
???さてなんなんでしょう???、登山道の入口でつまずいてしまいました。


トウヒやモミの仲間はよく似ていますが、いつの季節でも葉での見分けが確実です。
葉の様子をデジカメに納め拡大してみますと、トウヒの仲間に間違いありません。
そして、葉が扁平なことから、「エゾマツ」かその変種といわれる「トウヒ」が有力です。
いずれにしてもトウヒ属ですので、この仲間は松ぼっくりを下向きにつけます。
画像のモミ属とツガ属は、湯の丸スキー場周辺のシラビソとコメツガの小枝と葉です。
トウヒは葉枕(ようちん)が発達、モミの葉基部は吸盤状、ツガは葉枕に葉柄がつきます。


奇妙な松ぼっくりを大きく写してみると、なかなかの造形美です。


失礼して1個を手に取り、指で表面を掻き取ると、簡単に中心部が見えてきました。
家に帰って画像をもとに調べてみたところ、なんと、アブラムシの虫こぶだったのです。
エゾマツカサアブラムシがつくる、エゾマツシントメカサガタフシにそっくりです。
エゾマツ【植物名】シン【植物の形成部位】トメ・カサガタ【虫えいの形状】フシ【虫えい】。
なんとも巧みに植物の組織をあやつり、虫に都合のよい形に変化させています。


だいぶ道草をして、ようやく烏帽子山頂に到着です。
『真田丸』で盛り上がる上田平一帯は雪景色です。

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咲いた♪紅・白・黄色

2016年01月16日 | 樹木

昨年の暮れから開き始めた上田城跡公園の紅梅が青空に映えます。


どなたも皆さん、思わず散歩の足を止めて見入っています。


こちらは白梅、たくさんの白玉の蕾を大きく膨らませ、開花が始まりました。


名札には「‘白加賀’古くから梅干し、梅酒用に栽培されてきた品種」とあります。
花粉を運んでくれる昆虫の少ない時期に咲いて、梅の実ができるのか心配です。


まぶしいほどの黄色い花は、近所の庭先に咲いている「ヒイラギナンテン」です。
植物を惑わせる今年の陽気、咲いた咲いたと、浮かれてばかりではいられないのかも。
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カラマツ実採り

2015年09月19日 | 樹木

大きなクレーン車で、カラマツの実のついた枝を切り落とす採種作業をしていました。
最近は、カラマツ材の加工法の改良が進み人気が高く、種子の需要も多いそうです。


切り落とした枝についている実を馴れた手つきで、もぎ取っています。


カラマツの実にはヤニがついていますので、手袋はベタベタになるそうです。
この実を乾燥させて種子を取り出し、ゴミや不良種子の精選作業をするのだそうです。


まつぼっくりとか松かさとか言われる、マツの仲間の実を球果(きゅか)と呼びます。
種鱗は、熟すと反りかえるうろこ状の部分で、この内側で種子を守り育てるのです。
翼は、種子を遠くへ飛ばす役割を担っていますが、採種では取り除かれます。
種子は、一枚の種鱗(しゅりん)に2個ずつ入っています。(9月18日)


最近の大雨で水に浸ったリンドウ、周囲の木々の葉は紅く染まり始めています。
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太郎山の樹木

2015年02月01日 | 樹木

上田市にある太郎山神社の朱の鳥居、表参道と裏参道の合流点でもあります。


この時期の太郎山はアイゼンが必需品で6本爪を装着して登りました。
毎日のように登っているという方は、長靴に4本爪で簡単に脱着できる体勢だとのこと。


裏参道沿いには、名前が表示されている樹木が130本以上あります。
昨年から登る度に名札を探して『樹木案内略図』を作ってきました。




名札は見る位置や葉の茂り具合によって見えたり隠れたりします。
この略図を片手にして登ると、目的の樹に確実にたどり着けます。


略図には位置の目安に『民俗伝承案内板』『距離案内板』『湧き水』を示しました。
画像は、民俗伝承案内(5)『金明水』の表示板といつも枯れない湧き水の湧出状況です。


山頂までの距離目安として、2km地点と1km地点に表示板があります。
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