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信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

黄実の名は

2016年12月17日 | 樹木

始めて見る黄色の実、「いったい何の実だろう」、物珍しさに誘われて車を止めました。
ここは、東御市の高台にあるリンゴなど多くの果物の栽培が盛んな地域です。


手のひらにいくつも乗るかわいい実は、黄色の他に赤から黒みがかった色まで様々です。
いったい『君の名は』 と聞いてみましたが、もちろん、応えてはくれません。


葉はすっかり落ちていますが、厚めで、縁には細かい鋸歯があります。


最初はリンゴの仲間かと思いましたが、リンゴのガクは5枚で子房の上につきます。
この実は、4枚のつくばね状のガクが果実の基部側(子房の下)についています。


果実を割ってみると、中には大きな種子が2~3個入っています。
葉、ガク、果実などからカキの仲間と見当をつけて調べてみました。
たどりついたのは中国原産の「ロウアガキ(老鴉柿)」、はたして?


株によって果実の形は明らかに違っており、円形から尖った楕円形まで様々でした。
このことは、種をまいて増やした株であるからだろうと思われます。
来年は葉や花を見て、ロウアガキであるのかを確かめてみます。
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椿と山茶花の見分け

2016年12月03日 | 樹木

近所の庭に咲く紅色と白色のサザンカ、毎年みごとな花を咲かせてくれます。
サザンカはツバキと同じツバキ属で似たもの同士、見分け方はいくつかあるようです。
開花時期、花の形、雄しべの形状、花の散り方、子房や新梢の毛、葉、香りなどです。


当地の開花時期は、ツバキが3月~5月で、ヤマブキの花と一緒に咲いていました。
サザンカは10月下旬~1月で、白い雪の中に紅色の花を咲かせています。
サザンカには、サザンカ群、カンツバキ群、春咲きのハルサザンカ群があるそうです。


花が開いて雄しべが見えていると、見分けは容易です。
ツバキは雄しべの根元がつながり筒状、サザンカはつながらないで筒状になりません。


花弁の散り方も見分けのポイントです。
ツバキの花は、雄しべや花弁が基部で合着しているため、花全体が落ちます。
サザンカの花は、花弁が一枚ずつ落ちます。


葉での見分けは、大きさや縁のギザギザ(鋸歯)だそうですが、どうもよく分かりません。


新梢に毛を有するというサザンカですが、毛が肉眼で確認できない品種もあります。


子房の毛はツバキになくサザンカでは密生とあり、見分けのポイントになりそうです。
画像はサザンカですが、春にツバキの子房の写真を撮り忘れ、比較ができませんでした。


カンツバキはツバキとサザンカの交雑種で、特徴はサザンカに似ているそうです。
カンツバキの雄しべは花弁化することがあり、サザンカはしないと聞きましたが、さて?
今のところカンツバキとサザンカの見分けはお手上げ状態です。
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日本固有のスグリ

2016年09月10日 | 樹木

「スグリ」(Ribes sinanense F.Maek)【スグリ科スグリ属】の果実が色づき始めました。
『日本の固有植物』(加藤・海老原: 2011)によると、スグリは日本固有種とのことです。
このスグリ、長野県と山梨県のみに分布する希少種のようです。
画像のスグリは、湯ノ丸山系に生育する標高1300mほどの落葉樹林内の株です。
家庭などで栽培されるお馴染みの“スグリ”は、外来種のセイヨウスグリが多そうです。
牧野新日本植物図鑑を参考に、スグリとセイヨウスグリの違いを画像で比べてみました。
画像に用いたセイヨウスグリは近所の畑のわきに植えられている株です。


一つ目は花で、花弁の形、花弁と雄しべの長さの比較です。
スグリは5月に開花、花弁の形は披針形で雄しべとほぼ同じ長さになります。
セイヨウスグリは4-5月に開花、花弁の形は倒卵形で雄しべよりかなり短めです。


二つ目は子房や果実の表面に生える白色の毛の有無です。
スグリは無毛で、セイヨウスグリは毛が多く、熟しても毛が見える果実もあります。


三つ目は果実の形で、見分けの手段としては分かり易い特徴です。
スグリは楕円形、セイヨウスグリは球形でマルスグリとも呼ばれています。
どちらの実も食べられますが、美味しいといえばセイヨウスグリでしょうか。


四つ目は刺の数で、特に、冬は見分けのポイントになります。
スグリは葉腋の下に3つの刺があり、セイヨウスグリはほとんどの刺が1つです。
稀に2つ(画像右の下の刺)や3つに分かれた刺もあります。
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満開の河津桜

2016年02月28日 | 樹木

ようやく「河津桜」との出会いが実現、幸運にも満開、圧巻の絶景を堪能してきました。
訪れる人々を迎えてくれる河津桜の名木『かじやの桜』、絵に描いたような容姿です。


2月27日は土曜日、天候と満開の花に恵まれ、河津桜の並木道は大賑わいです。
少し前までは無名の桜だとか、最近は桜まつりの期間中に150万人の人出だそうです。


天城連山を源に相模灘に注ぐ河津川に沿い、桜の並木道が4kmほど続いています。
桜並木の上方に位置する豊泉橋の上からの一枚、自分的にはここがビースポットでした。


河津川の清流が河津桜の花を引き立てます。

 
河津桜はソメイヨシノより早咲きで、花が大きく紅が濃い大変に華やかサクラです。


日が落ちた6時から桜並木の2ヶ所でライトアップが始まります。
ライトの光を浴びて浮かび上がる大きな花びらが漆黒の闇に映えます。


長い道のり、出店で道草、河津桜の盆栽に苗木、さくら大福でちょっと一服です。


花と葉をよく見ると、萼筒はやや壺形、萼片の先は鈍形で鋸歯はないようです。
花弁数は5枚、雄しべは30個ほど、雌しべは1個でした。


花柄にも葉柄にも毛がなく、葉の表にも裏にも毛は見あたりませんでした。
葉柄の上部に一対の蜜腺があり、托葉は長く分岐が多かったです。


画像は河津桜の原木、昭和30年頃に河津川沿で故飯田勝美氏が見つけたのだそうです。
オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種だと推定されているとのことです。
花が咲き始めて60年ほどの河津桜、今では大変な人気で20km以上の車の渋滞です。
温泉でリラックスし、美味しい海産物に舌鼓をうち、桜の花に癒された伊豆の旅でした。
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冬芽・葉痕その2

2016年02月20日 | 樹木

冬芽や葉痕の表情は、笑ったり怒ったり、また、見る人の感じ方によっても異なります。
クルミの仲間は、可愛く楽しい自然の傑作、ついついシャッターを押してしまいます。
画像は栽培されている「シナノグルミ」で、若い枝にも毛がないのが特徴です。


葉痕の顔型の輪郭に維管束痕や芽が絶妙に配置され、豊かな表情を作り上げています。
オニグルミやヒメグルミは、若い枝に毛が密生し、冬芽も褐色の毛がいっぱいです。 
テモミグルミの実は殻が堅くて表面がでこぼこ、2個を手で握りゴリゴリしてぼけ防止。


冬芽が子供の万歳ポーズでお馴染みのオオカメノキは葉痕も幼顔系です。 
紅紫色でつやがあるナナカマド、大きな冬芽のホオノキはのっぺり葉痕も目立ちます。
丸々としたレンゲツツジの花芽、鮮やかな赤い芽鱗にうぶ毛が白く縁取っています。


葉が変化したとされるトゲを持つ植物、トゲが芽を包み守っているようにも見えます。
ヘビも登れないヘビノボラズ、鳥も止まれないトゲを持つメギは別名 コトリトマラズです。


表皮が変化したトゲを持つノイバラとサンショウ、スグリのトゲは葉柄の変化だとか。
ノイバラの冬芽はルビー色に輝き、サンショウは体操選手のフィニッシュ決めポーズ。


冬芽は福顔、葉痕と維管束痕がつくるダブルハート模様、キリは隠れた幸の樹です。
実がついているのかと思い、一つを割ってみると、中から出てきたのは花芽のようです。


馬のひずめのようなクサギの大きな葉痕、冬芽は小さくちょっこと顔を覗かせています。
カキノキの維管束痕は一つで大きな半円形、クワはゴマ粒を輪状にまぶした感じです。


なんとも美しく流れるような曲線、ウリハダカエデの冬芽には見とれてしまいます。
ツノハシバミは赤目怪人か、実は、口は葉痕、赤目は芽で葉芽か雌花、頭は雄花です。


ヤマブキは冬でも樹皮が緑色、遠目にも目立ち、葉痕は小さいものの目鼻くっきり。
カクレミノとアオキは常緑樹、いずれも庭に植えられていた株です。


フジの葉痕には鳥が潜み、ムクロジの葉痕は今年の干支のお猿さんです。
今の時期、落ちているムクロジの実を手にとって振ると、カラカラと音を立てます。
飴色の実の中には硬い真っ黒な種、この種が羽根突きの羽の黒い玉の正体です。
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