ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年3月26日。ウクライナ侵攻から763日目

2024-03-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月26日。

 22日にモスクワのコンサートホールで起きた大規模テロをめぐり、ベラルーシ大統領は今日、事件発生直後にロシア大統領と連絡を取り、ベラルーシとロシアの国境管理の態勢を強化した結果、容疑者はそれで背を向けてウクライナ側に向かったと述べました。

 当初からウクライナ側が国境を越える「窓口」を用意していたとするロシア大統領の主張と矛盾しますね。
 今回の事件が起きた後、両国大統領はすぐに電話会議。
 そしてすぐにベラルーシは国境地帯の警備を再大レベルに強化したことは、事件当日の夜にすでにベラルーシでは報道されていました。
 電話会談で、ロシア側から「容疑者はベラルーシ方面に逃げたらしい。」という情報を得たので、すぐに国境警備を固めたのだと推測されます。
 容疑者は翌日には拘束され、ロシア大統領は裏でウクライナが関与しているとかだからウクライナへ逃げたとか発言。
 
 今日になってベラルーシ大統領がこのような発言をしたのはなぜでしょう。
 理由としては、犯罪者を入国させなかった、つまりベラルーシを守ったという指導力を国民にアピールするためだと思います。
 ベラルーシの大統領としてはそうして当然なのですが、ウクライナに逃げようとしていた(ウクライナが関与している)と主張するロシア大統領との主張と矛盾する結果になってしまいました。
 

 今回のテロ事件の影響で、ロシアでタジキスタン人への差別が始まるのではないかと心配していましたが、そのとおりになりました。
 ロシアでは軽犯罪であっても犯人の外国人は追放すべきという国会議員の主張が出てきています。
 ロシアのダワンコフ下院副議長はテロ2日後の24日、テレグラムに「良心的に働きたい人だけでなく露骨な悪を望む人々もロシアに来るのは簡単だ。軽犯罪を犯しても追放するなどあらゆる範囲の措置が必要だ」と投稿しました。
 シェレメト下院議員も最近西側の情報機関が移住者を利用してロシア国内の状況を不安定にさせる恐れがあるとし、「移住を規制して国内安保を守らなければならない」と主張しました。
 ロシア労働社会保障省は移住労働者が事前に登録した勤務地と異なる場所や会社で勤める場合、15日以内に強制出国させる法案提出を準備しているとロシアメディアが伝えています。
 ロシアのクラスノフ検事総長は今日、「昨年ロシア国内の移民者犯罪が前年比75%増加した。市民の安全確保と外国人労働力活用にともなう経済的合理性の均衡を合わせる必要がある」として外国人嫌悪をあおる発言をしました。
 ロシアの一部地域ではロシア人が移民の所有という理由で建物に火を付けたり、路上でタジキスタン出身の移民を無差別で暴力を振るう行為も発生しました。道を歩いているだけで殴られています。
 外国に住んでいる日本人である私としては、こういうニュースを聞くと、ロシアには行けないと思ってしまいます。またベラルーシに飛び火だけはしてほしくないです。

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