ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシにおける新型インフルエンザ情報 (マスクのほか、ワサビも?)

2009-11-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ベラルーシでは今年の8月まで新型インフルエンザの患者数はゼロでした。
 しかし8月末に、海外へ保養に行っていた子どもや里帰りしていた留学生がベラルーシへ戻ってきたときに、感染した状態で空港で検査を受け、そのまま隔離・治療を受ける、という事態が起こりました。
 その数6人。これがベラルーシでの最初の新型インフルエンザ患者です。

 その後、この数は全く増えませんでした。しかしそれを信用しているベラルーシ人はあまりいなかったと思います。
 10月末にはウクライナで約30人が死亡。しばらくしてからウクライナ政府は新型インフルエンザによる死者と認めて公式発表しました。

 それと同じころにベラルーシでも
「変なインフルエンザが流行っている。」
「どこそこの病院で一人死んだらしい。」
「どこそこの病院では別の病気で入院していた患者が次々と5人死んだ。」
という噂が流れるようになりました。でもニュースなどでは報道されていません。
 この噂が正しいのかどうか、はっきり分かりません。

 さてベラルーシの学校は10月の最終日曜日(つまり冬時間に移行する日)の次の日の月曜日から1週間は秋休みです。
 しかしこの秋休みが終わった10月31日土曜日、担任の先生から電話がかかってきて、秋休みがさらに1週間延長されたことが伝えられました。
 理由は学校閉鎖、病気の児童が増えているため、ミンスク市全ての学校が閉まることになったのです。

 病気の児童が増えていると言っても何の病気なのか・・・新型インフルエンザとは発表していません。
 そして先生から電話がかかってきた同じ日にベラルーシで初めてマスクをした人を見ました。ベラルーシではもともとマスクをして外出する習慣がありません。
 とうとうベラルーシでも、マスクをする人が出てきたか、と思いました。

 月曜日にはミンスク市内の薬局でマスクが売り切れるところが出てきました。
 でももともとマスクの在庫がなかったためか(一般人向けには大量に作っていない国なので・・・。)マスクをしている人が大勢いる、という状況ではありません。
 こちらはすでに気温が0度ぐらいなので、マフラーで口元を覆っている人も出てきました。
 
 予防接種ですが、新型インフルエンザのワクチンについての情報は入ってきていません。しかし季節性インフルエンザの予防接種は無料で受けられるそうです。
 しかもほぼ国民全員の分があるそうです。
 
 新型インフルエンザのワクチンではないので、この無料の予防接種を受けても、新型インフルエンザにかからないわけではありませんが、受けないよりいいかと思ったので、今日病院できいてみます。
 
 また何か新しい情報が入ったら、更新します。

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 ここからは11月4日の書き込みです。インフルエンザの予防接種、受けてきました。無料とあってかなり長い行列になっていました。
 予防接種と言っても新型インフルエンザの予防接種ではありません。ふつうの季節性インフルエンザの予防接種で、A型とB型の両方に効くそうです。
 注射ではなく鼻の穴から吸引させるタイプの物で、正直に言って強い効き目があるタイプではありません。これでインフルエンザに罹らない、という保障はありません。
 しかし何もしないよりは症状が軽くすむそうなので、受けておきました。
 結果はどうなることやら・・・。

 1週間延長された秋休み(学校閉鎖)はさらに1週間延びるという噂が飛んでいます。
 しかし全市の学校(小中高校)が閉まっていて、自宅待機しないといけないのに、児童図書館は開いています。
 図書館員は通常通り勤務しており、子どもたちも本を借りに来ています。これだと学校閉鎖した意味がないような気がしますが・・・。
 もっとも図書館に来る子どもの数はとても減っています。当然ですね。

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 ここからは11月7日の投稿です。
 5日午前中に担任の先生から電話がかかってきて、子どもが病気かどうか尋ねられました。
 どうも受け持ちの生徒が病気かどうか調べ、病気の児童が何人いるか学校ごとに把握しようとしているようです。
 その後ニュースで全市の学校閉鎖が終わり、9日月曜日には登校することになった、という報道がありました。
 しかし6日には再び、学校閉鎖を11日まで延長することになりました。延長の理由ははっきりしません。
 保健省はようやく学校閉鎖の理由をインフルエンザの流行によるもの、と発表しましたが、新型インフルエンザによるものかどうかは名言していません。

 ミンスクでは昨日雪が1センチぐらい積もりましたが、再び気温が上がり、今は雨が降っています。
 マスクをしている人も増えました。でも非常に少数です。薬局ではマスクを売っていないかどうか尋ねる人もいましたが、売り切れとのこと。
 マスクをしている人が少ないのは、ベラルーシ人がインフルエンザを楽観視しているからではなく、単にマスクが売り切れてなくなっているからだと思います。 
 
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 ここから先は12日の投稿です。
 昨日で学校閉鎖も終わり、今日から5年生以上の子どもは登校しているようです。でも低学年の子どもはまが学級閉鎖が続いているようです。
 このようなあいまいな書き方になっているのは、うちのY子が水疱瘡にかかってしまい、どっちにしろ学校を休まないといけなくなったため、私が学校の様子がどうもよく分からないからです。
 ちなみにY子が通っている学校では水疱瘡の子どもは他におらず、どうもうちの子は新体操クラブの子どもから水疱瘡をもらってきてしまったようです。

 病院ではY子の水疱瘡より、他に水疱瘡とインフルエンザをいっしょに発病する子どもが出てきたら一大事、と考えうちの子には、自宅から出るな、と言っております。
 で、近所の子ども病院に行ってきたのですが、順番待ちの間、げほげほとずっと咳をしている子どもがいました。
 もちろんその子どもはマスクなどしておらず、その親も、周りの待っている子どもや連れてきた大人も誰もマスクをしていない・・・。
 
 マスクが売り切れて手に入らないから、そして、あまり気にしない(神経質ではない)からでしょう。
 ベラルーシ人はもともと薬よりも民間療法に頼ったり、詳しかったりします。
 その結果、店頭からワサビが売り切れて消えてしまった店が出てきました。
 歴史史上初の出来事かも。もっともこちらのワサビはホースラディッシュ(静養ワサビ)で日本のワサビより味も香りも薄いです。
 とにかくインフルエンザにワサビで対抗しようとするベラルーシ人、と言うことです。効き目があるかもしれないので、日本人の皆さんもどうでしょうか?

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 ここからは11月21日の書き込みです。
 公式発表によるとベラルーシでの新型インフルエンザ感染者数は85人だそうです。そのうち7人が死亡。(報道によればベラルーシ保健省は165人の感染、13人の死亡を発表したそうです。)
 実際の数字ははっきりしません。隣のウクライナでは300万人が感染し、300人が死亡したらしい、という噂が飛んでいます。

http://www.j-cast.com/2009/11/20054477.html

 
 ベラルーシの薬局ではマスクはどこも売り切れ。期待していたロシアからのワクチンの輸入も、今のところ実現しておらず、学校は授業を再開したところが増えましたが、予防接種の話はまだありません。
 ドイツから輸入したというインフルエンザに効く薬がすでに売り切れて入手困難になっていますが、実際にはこの薬はふつうの風邪薬だそうです。
 鼻の穴の内側に塗ると細菌が付着するのを防ぐという何とかオイルもすでに売り切れ状態です。

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 ここからは11月24日の書き込みです。
 報道によればベラルーシ保健省は165人の感染、そして13人の死亡を発表したそうです。
 噂ではベラルーシで毎週80人の割合で死亡者が出ているそうです。
 また新型インフルエンザなのかどうかを検査するキットの在庫がベラルーシでは底をついてしまったそうです。(今のところ。しばらくするとこの問題は改善されるかもしれません。)
 検査キットがないから死亡の原因が分からず、新型インフルエンザが原因の死亡者数はこれから増えないだろう、という皮肉な(あるいはあきらめた)意見を言うベラルーシ人もいます。

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 ここからは12月2日の書き込みです。12月1日ベラルーシ保健省はインフルエンザの流行の終息宣言を発表しました。
 学級閉鎖については各学校ごとの判断に変りました。しかしほとんどの学校で授業が再開しているようです。
 ベラルーシは12月に入っても雪がつもらず、気温が高い状態が続いています。 これから寒くなる時期に再びインフルエンザが流行しないように祈るばかりです。