しばらく馬の話題を続けましたが、その馬を飼っているのがこの人です。名前をボロといいますが、それはモンゴル語で「茶色」ということのようで、ニックネームのようです。たしかに褐色の膚をしています。モンゴル牧民の代表のような人で、あまり多くを語らず、どっしりと落ち着いた男です。めったに笑わず、目がギョロリとしているので、ちょっと近寄りがたい印象です。しゃべると声はだみ声で、よく通ります。馬の性質を知り尽くしているようで、馬もボロさんには一目も二目もおいているそうです。
この人は夏のあいだ、アイラグ(馬乳酒)だけを飲んでご飯は食べないで過ごすそうです。都会が嫌いで、ウランバートルには去年、数十年ぶりに行ったけど、あまりの喧噪に逃げ帰ったそうです。「大地に生きる」という表現がふさわしい人です。お別れの前の日に私たちが挨拶をしたのですが、モゴッドの美しさやおいしい食事のことを言われると表情をやわらげて言いました。
「おお、ぜひ来年も来い」
この人は夏のあいだ、アイラグ(馬乳酒)だけを飲んでご飯は食べないで過ごすそうです。都会が嫌いで、ウランバートルには去年、数十年ぶりに行ったけど、あまりの喧噪に逃げ帰ったそうです。「大地に生きる」という表現がふさわしい人です。お別れの前の日に私たちが挨拶をしたのですが、モゴッドの美しさやおいしい食事のことを言われると表情をやわらげて言いました。
「おお、ぜひ来年も来い」
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