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リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

楽天的英語漬け

2010年07月01日 09時22分02秒 | 音楽系
楽天の社内公用語が英語になるそうです。思い切ったことをやりますねぇ。「世界企業に脱皮するには英語が必要と判断した」そうです。日産なんかは外国人が入った会議は英語で行うらしいですが、楽天は社員食堂のメニューも英語化するそうな。当然、注文も英語で、Udon, please. なんてやるわけです。

どっかの小学校で英語教育に取り組むというので、朝の挨拶や校内放送にも英語を取り入れる、というのに似てますねぇ。(笑)

確かに英語という言語が世界を席巻しているのは分かりますし、英語が使えなければ、世界の動きから取り残されてしまうのも事実です。でもねぇ、楽天の社員は内心大反発しているのでは?

社内英語化なんてことが行われると、そのウラで感じてしまうのは、ヤッパ日本語はだめなんだよなー、という諦念みたいな気持ちではないでしょうか。いえいえ日本語は話し手が1億以上いて、全ての学術を記述、表現でき、感受性豊かな文学作品が記述されている大言語です。世界には、ある学問を勉強しようにも、そのための専門用語が母国語に整備されていないため、やむなく英語を学んでその学問をやらざるをえない人たちがいるなかで、日本語ネイティブはなんと恵まれていることでしょう。

こういうのは我々の先達が築きあげてくれた財産なんですが、そういうふうに感じている人は少ないみたいです。以前理科や数学の授業まで英語で、という学校があったようですが、ア◯ですねぇ。せっかく日本語で便利な用語がそろっていて効率的に勉強できるのに、英語でやったら効率は下がるに決まってます。

日本語を排除するような姿勢からは本当にいいものは生まれないような気がします。自分たちの文化基盤となっている日本語で考え行動して、必要に応じて英語を使う(ええ、使えなければ今の世の中話になりませんから)という姿勢があってこそ、真にグローバルないいものが生まれるのではないでしょうか。なんか楽天のやり方は、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」に出てくるニュースピークの強制みたい。三木谷社長はビッグ・ブラザーだったりして。(笑)

ちなみに三木谷社長の英語はというと、会見を英語でやったので聞きましたが、大変流暢な英語です。ただ日本語的な訛りがちょっと強めで、私個人的にはもっとも苦手なタイプの英語です。私は聞き取り力があまり大したことがないので、なまりの少ないネイティブがしゃべる英語は大丈夫なんですが、流暢だけど訛りの強い非ネイティブの英語は大の苦手です。特に日本語ネイティブで発音がくずれまくってるのに早口な人、苦手ですねぇ。

三木谷社長がシンガポールかどっかのエライさんみたいに、バシッとしたクイーンズ・イングリッシュで(もちろんアメリカンでもいいんですが)会見していたら、一目おいちゃったんですがね。もっともそういう社長だったら、今回のニュースピーク強制はきっとやらなかったと思います。楽天社員の皆さんがんばってくださいネ。(笑)