リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ザ比較

2021年06月28日 20時18分23秒 | 音楽系
今回到着した楽器と私が2017年に入手した楽器は、カタログ上では同じものですが各部が結構異なっていますのでご紹介しましょう。これらは特に指定したわけでもないので、Lars の方で仕様変更したということです。

まず、ナットの材質。




上が私の楽器で、多分象牙です。象牙だとワシントン条約で禁止されていますが、在庫を使ったということでしょうか。在庫でもだめな材料もありますので、牛骨かも知れません。Steven Murphyの楽器もここ10年で何台か購入していますが、彼も象牙ではなく木(ローズ?)を使っていました。個人的には象牙の方が好きですが、特に性能上の違いはありません。Lars はナットの溝を太いバス弦(ローデドナイルガット弦、カーボン弦、ガット弦)用の幅にうまく刻んでくれるので、後で調整する必要がないのはありがたいところ。

次にブリッジ。




同様に上が私の楽器ですが、ラインの数と両端の形状が少し異なっています。材質は同じです。

次はヘッド周りです。




ペグの先の装飾やペグボックスの角と先端の装飾が異なります。今回の楽器の方が塗装が少し薄い感じがします。また写真右の奥の方に見えるリブも塗装色が異なっています。最近色を変えたみたいで、昨年注文したルネサンスと同色です。

次は、表面板とリブをつなくライニングです。



私の楽器は非常に細い線が2本入っていますが、今回の楽器は1本です。ここの仕様変更は音に影響があるかも。

最後はロゼッタ。




こちらはそれぞれデザインを指定しました。

ということでかなり仕様が異なるところがありますが、音の感じは仕様変更していません。